頭がいいってどういうこと?
リテラは、「頭のいい子」を育てます。
……とはいえ、「頭がいい」とは、どんな力に優れていることをいうのでしょうか。ためしに、思いつくままに挙げてみましょう。
- 人の話や物事の核心をつかむ力
- 言いたいことを順序良くまとめて話したり書いたりする力
- 目的に応じ、情報を最適な方法で処理する力
- 論理的な内容を理解する力
- 可能性について考え、どうするのが最適なのかを決める力
- さまざまな意見をまとめ、解決策を導き出す力
- 人の感情や状況を理解する力……
まだまだありそうですが、このくらいにしておきましょう。
実は、「頭のよさ」をはかるためにはさまざまな物差しがあります。そのため、「この力が優れていれば頭がいい」という、はっきりとした正解はありません。
たとえば、どんどんアイデアが出てくるけれど、それをまとめるのは苦手、という子もいます。また、逆に、自分の意見はなかなか出せないけれど、人の意見をまとめたりするのは得意、という子もいます。国語が得意な子もいれば、算数が得意な子もいます。「頭のよさ」にはさまざまな側面があるのです。
しかし、そのような「得意・不得意」はあれど、やはり全体的な「頭のよさ」はあるようです。特に小学生・中学生の場合、いずれかの力が優れている子は、だいたい、他の力も優れている傾向にあります。
では、一体何が全体の力を押し上げているのでしょうか。ここで重要になるのが、「言語能力」つまり「ことばを操る力」です。
ことばは考えるための道具である
次の休日、あなたは何をしますか? どのような予定を立てていますか?
家族で旅行に行く、一日ゆっくりと読書をする、できなかった植物の植え替えをする、キャンプに行く……さまざまな計画があることと思います。
では、そうした計画を、「ことばを使わないで」立てることは可能でしょうか?
場面ごとのぼんやりとしたイメージは浮かぶことと思いますが、段取りを決めたり、さまざまな可能性を考えたり、もちろん人に伝えたりすることはできないと思います。
考えること、つまり、物事を比べたり、検討したり、やり方を変えたりするためには、ことばはなくてはならないものです。「思う」と「考える」の違いは、この点にあります。
ことばは考えるための道具であり、その種類や用い方に優れているほど、よりよく考えることができます。ことばは目の前のものだけではなく、目に見えない「概念」も捉えることができますから、抽象的な事柄や哲学的な考察まで、扱うことができます。
そして、この道具こそが、全体的な「頭のよさ」を押し上げているのです。
ことばと他教科の関係
ことばは、算数・理科・社会・英語などの他教科の成績と無関係ではありません。むしろ、それらの教科を支えるための、大切な要素です。
算数と国語が関係がないと感じるかもしれません。しかし、iPS細胞を生み出し、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授と、トップクォークの存在を予言し、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授は、対談の中で、そろって国語力・読解力の大切さを語っています。
そう、科学の基本は国語ですよ。何にしてもすべて文章の言葉から入ってくる。読んでその世界が頭に思い浮かべられるかどうか。その力があれば、理解していける。そのあとは、吸収した知識を頭の中で思い描いて発展させいけるかどうか。数学は「計算するもの」というイメージがあるかもしれないけれど、数式は基本的には言葉なんです。数式とは「かくかく、しかじかの関係がある」とか、「○○という事実を表している」ということを語っていて、そのことを組み合わせて発展させれば、答えになる。だから、言葉が大切なんです。
『「大発見」の思考法』 (著:山中 伸弥、益川 敏英/文春新書/p59.60より)
ことばは、国語だけでなく、考えることすべてにおいて、重要なのです。それは学校での成績だけではありません。社会に出れば、リーダーシップを発揮するための力となります。
それでは、ことばの力をどのように伸ばしていけばよいのでしょうか。そのために、ことばとは、どのような場面で求められるのかを考えてみましょう。
- ことばと能力の関係
- 【1】頭がいいってどういうこと?
- 【2】ことばに関わる4つの場面
- 【3】個性と成長、受験に立ち向かう力
- 【4】「頭のいい子」の育て方