【生徒作品】『安心で安全な鉄道』新中2 K・Y君


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。
2020年は新型コロナウィルスの影響により、教室での発表となりましたが、生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を進めてまいりました。

今回は、『安心で安全な鉄道』新中2 K・Y君を掲載致します。

鉄道で旅をするのが好きなR君は、乗客が鉄道を安心して利用できるように配慮されたさまざまな仕組みについて、書籍を参考にしたり、実際に駅や電車の中を見学して調べ、改めて鉄道の素晴らしさを実感することができました。

その他の発表動画は、「2020年 生徒作品発表 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
鉄道は安全性が高いということを伝える作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
自分の趣味でもある鉄道が、なぜ安心・安全で、運行時刻が正確なのか疑問に思ったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
朝6時に家を出て調査しに行ったことが、心に残っています。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
資料を集めるために、五反野の図書館へ行って本を探したことです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
いろいろな人が鉄道を利用しやすくなったことを知りました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
この作品の知識を、次の研究でも活かしたいです。
来年、研究したいことはありますか?
コロナ禍における鉄道会社の状況について研究したいです。
この作品を読んでくれた人に一言
ありがとうございました。

生徒作品

新中2 K・Y君『安心で安全な鉄道』

皆さんは普段電車に乗っていますか。僕は電車に乗るのが好きです。友達と目的の駅を決めて、その駅を満喫する旅をするが楽しみです。そこで、僕は普段から乗っている鉄道が、なぜ安心で安全で時刻が正確なのか疑問に思ったので調べることにしました。

この研究は『ここが凄い!日本の鉄道安全、正確、先進性に見る「世界一」』を読んだり、実際に駅に行ったり鉄道に乗ったりして調べました。

1つ目は、運行時間の正確さについてです。みなさんは、東海道新幹線の平均遅延時間は、どのくらいだと思いますか。鉄道の路線には必ず起点駅があります。東海道新幹線の場合は、東京駅から何キロかを示す「キロポスト」という標識が立っています。運転士はそれをみて次の駅まであと何キロかを知って、その時点で次の駅まであと何分で走ればいいのかが分かります。常に「何分何秒遅れているか」を確かめてそれを次の駅までに取り戻す計算が繰り返されています。こうした努力の結果、2015年度には東海道新幹線の平均遅延時間が「12秒」になりました。

2つ目は、高度な列車制御技術です。この技術は、走行する列車の間隔を制御するATC(Automatic Train Control)、駅構内の安全を制御する連動装置などから成り立っています。ATCは、前の列車に接近した場合、いかに減速していけば追突しないか、コンピューターがその先の路線の状況に基づいて計算して運転士に知らせ、それに見合った措置をとらなかったら、強制的に減速する仕組みになっています。

3つ目は、表示のわかりやすさです。 たとえば、停車位置・発車位置です。列車がホームに停止した際に乗車口がどこにくるのか、「停車位置」「乗車位置」など事業者により表示は異なりますが、日本ではあるのが当たり前です。しかし、ドイツなどでは、ホームが、「A」ゾーン、「B」ゾーン、「C」ゾーンなどに大まかに分けられているだけで、停車位置や乗車位置は特にきまっていません。

また、駅名表示の下に書かれた、次と前の駅名が必ず表示されていることも外国の人にとっては驚くことだそうです。

さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、首都圏エリアでは外国人でも分かりやすい駅表示の工夫がされています。例えば駅ナンバリングです。駅ナンバリングとは、【JY17】などのアルファベットと数字によってその駅を記号で表したものです。これは、新宿の駅ナンバリングです。外国人にとって慣れない言語の駅名に比べると、駅ナンバリングのほうが分かりやすいです。

また、駅名表示には4ヶ国語が書かれています。最近は台湾や韓国も駅表示が親切になってきました。

僕は、乗客が安全で安心して利用できるための工夫について調べるために、駅に行き、列車に乗ってきました。まず北千住駅にある多機能トイレです。多機能トイレとは、車椅子の人や高齢者、赤ちゃんを連れている人など様々な人が使いやすいようになっているトイレです。ピクトグラムというイラストによって外国の人でも分かるようになっています。

この写真は西武池袋線の特急ラビューのトイレです。このトイレも、駅の多機能トイレと同じように、手すりや水を流すセンサー、点字のボタンがあるなどバリアフリーになっています。

これは、僕が自由が丘から乗った西武の40000系の1号車にある「パートナーゾーン」という所です。パートナーゾーンとは、窓が大きく外の景色を楽しめるようにと考えられた場所です。パートナーゾーンの中央には、子ども連れのお母さんなどが景色を眺めている時などに、浅く腰掛けられるようになっています。

さらに、車椅子やベビーカーなどを固定する器具が備わっています。

僕はこの研究を通して鉄道が安全、安心で分かりやすいように工夫されていることが分かりました。ぼくたちが、安全に鉄道に乗れるのは、よく考えられたしくみや高度な技術に支えられているからです。また、様々な利用者の、様々な事情について考えられているからです。

このような、日本の鉄道は素晴らしいと思います。僕はこれからは、電車に乗るときは、「普通」に乗れることの素晴らしさを思い出して利用したいと思います。これで僕の発表を終わります。聞いてくださってありがとうございました。

参考文献— (リンクはAmazonのアフィリエイトリンクです)

『ここが凄い!日本の鉄道安全、正確、先進性に見る「世界一」』
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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: 生徒作品

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