【生徒作品】『ギリシャ神話と北欧神話』(新小6 S・Y君)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。
2020年は新型コロナウィルスの影響により、教室での発表となりましたが、生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を進めてまいりました。

今回は、新小6 S・Y君『ギリシャ神話と北欧神話』を掲載致します。

映画をきっかけに、北欧神話について調べ始めたS君。そのうち、ギリシャ神話と似たところがあることに気づきました。今回の研究では、ギリシャ神話と北欧神話に描かれた世界の成り立ちについて、二つを比べながらまとめていきました。

その他の発表動画は、「2020年 生徒作品発表 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
ギリシャ神話と北欧神話の最初の流れを調ベました。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
北欧神話が以前から好きだったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
ギリシャ神話と北欧神話について、これまで以上に知ることができたことです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
図鑑を探して、内容をまとめることです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
一つのことをまとめるだけではなく、二つのことを比べ合うことができました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
発表する時に、つまづかないようにすることです。
来年、研究したいことはありますか?
宇宙について研究したいです。
この作品を読んでくれた人に一言
ぜひ北欧神話を好きになってほしいです。

生徒作品

新小6 S・Y君『ギリシャ神話と北欧神話』

みなさんは、『マイティ・ソー』という映画を知っていますか。ぼくは、この映画が好きで、よく観ています。この映画に出てくるソーというキャラクターは、北欧神話のトールという神様です。ぼくは、この映画を見て、北欧神話が好きになりました。神話といえば、ギリシャ神話も有名です。北欧神話について調べている時、ギリシャ神話にも、興味が湧いてきました。二つの神話には、似ているところがあることに気づき、今回の研究では、それをより深く調べてみることにしました。

調べるうちに、とてもたくさんの共通点があることがわかりました。今回の発表では、神話のはじまりから、一番えらい神様が決まるまでを紹介します。

ギリシャ神話は、天の神様ウラノスと、大地の神様ガイアから生まれた神の一族の物語です。何の形もなくどろどろとした暗闇から、ガイアが現れ、大地をつくりました。そして、天空の神ウラノスを生みました。ウラノスは、星を散りばめた空をつくりました。次に、ガイアは、高くそびえる山々や海を生みました。こうして、世界は天と地と海に分かれました。しかし、生きているものは、まだ一つもいませんでした。ガイアとウラノスは結婚し、ウラノスが世界を治めることにしました。二人の間には、息子と娘が6人ずつできました。子どもたちは、山より大きな巨人のティタン神族となりました。

一方、北欧神話は、ユミルという巨人と、アウズフムラというめ牛から始まります。昔、世界はなく、ただ大きながらんどうが広がっているだけでした。がらんどうの南側では、真っ赤な火が燃え、北は、冷たい氷におおわれていました。やがて、北の氷は、南から流れてきた熱い空気で溶け始めました。氷からしたたり落ちたしずくの中に、一つの命が生まれ、ユミルと呼ばれる巨人となりました。別の氷から落ちたしずくからは、一頭のめ牛が生まれました。巨人ユミルは、め牛の乳を飲んで、ますます大きくなり、子や孫を増やしていきました。め牛も、塩からい氷をなめて、ますます大きくなり、ブーリという男の神様を生みました。ブーリは、アース神族と呼ばれる、神様の最初の一人となったのです。やがて、ブーリには、ボルという息子が生まれました。ボルは巨人と結婚し、オーディン、ヴィリ、ヴェーという勇ましい息子たちを得ました。

ここまでのギリシャ神話と北欧神話の共通点としては、何もないところから神様が生まれること、神様から子や孫が増えていくこと、また、巨人と神様がいたことなどが挙げられます。

次に、神と巨人の争いについて紹介します。まず、ギリシャ神話の「ティタノマキア」という戦争についてです。ガイアとウラノスの息子であるクロノスは、自分の息子によって王位を奪われるという予言をされます。それを恐れたクロノスは、生まれてくる子どもたちを、次々に飲み込んでしまいます。しかし、末っ子のゼウスだけは、母親によって、クレタ島に隠されます。成長したゼウスは、クロノスに吐き薬を飲ませ、飲み込まれていた兄姉たちを助けました。そして、ゼウス軍と、クロノス率いるティーターンという巨人の神々との戦争になりました。ついに、戦争に勝ったゼウスは、世界の王になりました。

北欧神話では、巨人ユミルと神たちとの戦いが起こります。ユミルから生まれた巨人たちは、だんだん邪悪になっていきました。ブーリの子どもたちである、オーディン、ヴィリ、ヴェーはがまんができなくなり、巨人たちと戦いました。そして、ユミルを殺しました。ユミルから大量の血が流れ出て洪水になり、巨人たちはおぼれて死にました。そして、あらゆる生命が生まれました。オーディンたちはユミルの死体をバラバラにして、世界を作りました。オーディンは自分たちアース神族の国を作り、最高神となりました。

ここまでのギリシャ神話と北欧神話の共通点は、神と巨人が争い、神が勝つことです。また、戦争の後で、一番偉い神様が決まることです。

今回紹介した共通点以外にも、洪水が起こって男女が生き残ることや、様々な能力を持った神様がいることなど、たくさんの共通点があります。なぜ共通点があるのかというと、もしかすると、文化につながりがあったり、戦争や災害など、同じような出来事があったりしたのかもしれません。

他の共通点も紹介したいのですが、今回はここまでにします。興味を持った人がいたら、ぜひ、北欧神話とギリシャ神話を読んでみてください。

発表を聞いてくださって、ありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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