【生徒作品】『好きな仕事につくには』(中2 K・W君)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

今回は2019年の発表作品から、新中2 K・W君『好きな仕事につくには』を掲載致します。

スーパーへ職場訪問へ行ったことをきっかけに、K君は「働くこと」をテーマに研究を進めました。参考文献やプレゼンテーション動画を参考に、働くことの意味や、やりがいを持って仕事をするために必要なことについて学び、自分自身について重ねて考えました。

その他の発表動画は、「2020年 生徒作品発表 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
働くことの意味や、やりがいをもって仕事をするために必要なことについて考えた作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
楽しく仕事をするにはどうしたらいいか考えたかったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
TEDを見たことです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
TEDの内容をまとめることです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
好きな仕事につくには、小さなことから始めることです。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
作品づくりも、小さなことからはじめたいです。
来年、研究したいことはありますか?
映画ついて研究したいです。
この作品を読んでくれた人に一言
少しでも参考になると嬉しいです。

生徒作品

新中2 K・W君『好きな仕事につくには』

みなさんは将来、就きたい仕事がありますか。ぼくは、まだありません。でも、楽しく仕事をしてみたいと思っています。

12月に、ぼくは、職場訪問として、ライフというスーパーに行きました。その時、担当していただいた方に、「なんのために働いていますか」と質問をしてみました。すると、「お金を稼ぐため」とおっしゃっていました。その時、ぼくは、予想通りだと思う一方で、少し残念だと思いました。なぜなら、楽しそうに仕事をしている様子が見たかったからです。そこで、楽しいといえる仕事につくにはどうすればいいのか考えたいと思いました。ぼくの発表を聞いて、少しでも好きな仕事に就くための参考にしてもらえたら嬉しいです。

僕は、図鑑を読んだり、TEDというプレゼンテーションの動画を見て、研究を進めました。

ではまず、私たちがなぜ働くのかについて考えたいと思います。もし、仕事をしていなかったら、食べ物や、生活に必要なものが作れなくなります。また収入を得ることもできなくなります。また、もし社会から職業の分担がなくなったら、何でも自分でやらなくてはいけなくなります。しかし、人には得意、不得意があります。社会にいろいろな職業があれば、得意なことを生かして仕事ができます。そして、みんなで協力して、効率的に社会で必要とされる仕事をすることができます。反対に、もしより多くの仕事をしたら、より多く生産ができ、収入をたくさん得られます。お金がたくさんあると、好きなことができるかもしれません。しかし、休息の時間が少なくなり、心も体も不健康になったり、お金を使うことができなくなってしまったりするかもしれません。つまり、私たちが、なんのために働くのかというと、生きるため、お金を稼ぎ、生活に必要なものを得て、人生を豊かにするためなどが考えられます。

では人生の豊かさとは何でしょうか。ぼくにとって、今、人生の豊かさとは、家族や友達と良い関係が築けたり、好きなことができたりすることです。でも大人になったら、仕事が人生の豊かさに関わってくると思います。なぜなら、仕事の時間が人生の大半をしめているからです。だから、好きな仕事、やりがいのある仕事をしたいと思います。

では、好きになる仕事をどうしたら見つけられるのでしょうか。

ぼくは、A・J・ジェイコブズさんの、「 私の朝のコーヒーを担うすべての人々に感謝する旅」というプレゼンテーション動画を見ました。この動画は、コーヒーが自分に届くまで関わった人に、ジェイコブズさんが感謝を伝えに行くというものです。ジェイコブズさんは、コーヒー豆を届けてくれた運転手、道路を作っている土木作業員、コロンビアのコーヒー豆農家の人、そして、農園で走っているトラックの部品を作っている人などに感謝を伝えました。一杯のコーヒーを作るのに世界中の人が関わっているのです。

ぼくは、この動画で、仕事をするとは、いろいろな人の関わりの中に参加することだとわかりました。そして、誰かの仕事に気づき、仕事をしている人を人としてみること、感謝することが大事だと気づきました。そうすると、仕事同士のつながりがわかり、その意味がとらえられるようになります。そうすれば、仕事にやりがいを持てるようになります。

次に、スコット・ディンズモアさんの、「好きになる仕事はどうしたら見つかるのか」という動画を見ました。この動画では、仕事に情熱を見出す3つの要素を紹介しています。

1つ目の要素は、自分についての専門家になり自分を理解することです。求めているものが 何なのか分からなければ、それを見つけることもできません。自分の求めているものを知るには、次の3つの指針にそって考えることが必要です。第一の指針は、自分固有の強みが何か見つけることです。自分の得意なことや長所がわかっていれば自分が、活躍できる場がどういう場所かわかります。自分が、活躍できるとやりがいを持てます。第二の指針は、自分が決断する枠組み、または、基準が何かということです。自分が気にかけているのが、人間関係なのか家族なのか健康なのかを決断するためにそれが何か見極める必要があります。第三の指針は、経験をよく振り返ることです。毎日、心に響いたことをメモしておくと、やがて自分の人生に適用できるアイデアの宝庫ができ、それを生かすことでもっと情熱的な人間に近づきます。この3つの指針を手にしたら、先に進むことができます。

2つ目の要素は、不可能に挑み、小さな事からはじめ、自分の限界を押し広げるようなことをすることです。これは、無理だと思うことをやり 遂げる一番の早道になります。

3つ目の要素は、既に成し遂げている人たちの中に身を置くことです。自分の側に誰を置くか、選ぶというのは今の自分からなりたい自分へたどり着くための一番の工夫です。

ぼくは、この動画を見て、まず自分のことについて考えてみました。ぼくの強みは人と仲良くすることだと思います。小学校のときは、野球チームでキャプテンをしたり、遊んだりするときは、率先してスケジュールを立てたりしていました。一方、ぼくが、物事を決断する枠組みは、確かにはわかりません。今は、自分から決めたりすることがなくやらされてるからやることが多いとわかりました。今、興味があることは、野球とディズニーですが、それが本当に大事かは、まだわかりません。だから、ぼくにとって必要なことは、物事を決断する基準となるような自分の価値観を作っていくことだと思います。そのためにも、一日一日振り返り、自分を知ろうと思います。その日にあった失敗を振り返り、あきらめない気持ちを大切にしたいです。

僕は、この研究を通して、好きな仕事に就くために、まずは自分についてもっとよく知ることが大事だと分かりました。そして、自分の価値観を作ることだと知りました。

これで発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

参考文献— 
「 私の朝のコーヒーを担うすべての人々に感謝する旅(My journey to thank all the people responsible for my morning coffee)」 A・J・ジェイコブズ(A.J. Jacobs)
https://www.youtube.com/watch?v=L375-rWJVmU(リンクはyoutubeのTEDのチャンネルへのリンクです)

「好きになる仕事はどうしたら見つかるのか(How to find work you love)」スコット・ディンズモア(Scott Dinsmore)
https://www.youtube.com/watch?v=bvAEJ8G9l9U(リンクはyoutubeの
TEDのチャンネルへのリンクです)

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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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