リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。
今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小6 T・Oくん『未知なる宇宙の世界』を掲載致します。
「ハヤブサ2」打ち上げのニュースをきっかけに、宇宙を旅する探査機について調べました。
作品について
講師からのコメント
本人の振り返り
- これはどのような作品ですか?
- 探査機の種類と目的を知ってもらい、興味をもってほしいと思って作った作品です。
- どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
- 「ハヤブサ2」が打ち上げられたニュースを見て、かっこいいと思ったからです。
- 作品づくりで楽しかったことは何ですか?
- 探査機の成果をたくさん知ることができたことです。
- 作品づくりで難しかったことは何ですか?
- 調べた内容を要約して、文にすることです。
- 作品作りを通して学んだことは何ですか?
- 自分の意見と相手の意見を共有することの大切さです。
- 次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
- 資料の内容を省略しすぎず、正確な情報を伝えることです。
- 来年、研究したいことはありますか?
- 銃や電車、飛行機などの機械類について研究したいです。
- この作品を読んでくれた人に一言
- 探査機を調べるだけではなく、それに関連した宇宙の情報も探してみてください! わかったことを、ぜひ、ぼくにも教えてください!
生徒作品
新小6 T・Oくん『未知なる宇宙の世界』
皆さんは探査機について、どのくらい知っていますか? 長い歴史の中で、小惑星探査機「はやぶさ」や火星探査ローバー「オポチュニティ」など、たくさんの探査機が打ち上げられてきました。僕は、人類にたくさんの成果をもたらした探査機に、興味を持ちました。
今回の研究では、僕が特に興味を持った、火星探査機と木星探査機、月の探査機について、しらべました。
探査機というのは、人類がまだ知らない宇宙空間の観測や、惑星や彗星、小惑星などを探査する目標や、任務がある宇宙機のことです。例えば、小惑星探査機「はやぶさ」、彗星探査機「ロゼッタ」、惑星探査機「ボイジャー2号」などあります。最初に、2つの火星探査機について、紹介します。
火星探査機の目的は、火星の地表をしらべ、太陽系の成り立ちをさぐることです。18世紀から、望遠鏡で火星を観測した天文学者達によって、火星の気候や地形面は、地球にとても似かよっているのではないかという説が、唱えられていました。1964年、マリナー4号が打ち上げられました。マリナー4号の主要任務は、惑星表面の、最初のクローズアップ映像を撮ることです。マリナー4号が、初めて火星に接近して撮影した画像です。映っているのは、横幅約300kmの領域です。これは、クレーターが最もよく見える画像です。
次に、2011年に打ち上げられた「キュリオシティ・ローバー」を紹介します。NASAは、火星にかつて生物がすんでいたかどうかの結論を出すために、「マーズ・サイエンス・ラボラトリーミッション」を打ち出しました。このミッションの主な任務は、火星の気候と地質を研究し、有人ミッションの計画を立てることでした。そのミッションの一角をになう「キュリオシティ・ローバー」の任務は、火星に着陸し、居住適性を評価するための作業をすることでした。これは、2012年、キュリオシティから送られた火星表面の画像です。また、これは、2015年9月、キュリオシティが写したアイオリス山です。
次に、木星探査機について紹介します。木星は、太陽の第5惑星で、太陽系最大の惑星です。しかし、水素とヘリウムからなる濃密な大気で覆われているため、人は降りられません。この大惑星に、数年にわたって周回する探査機を送るベきであると、科学者たちは考えました。そこで、1989年に打ち上げられたのが、木星探査機「ガリレオ」です。目的は、木星やその間にある惑星、小惑星を撮影することです。ガリレオには、木星の大気圏内を調査する目的で、探査カプセルが積まれていました。1995年、探査カプセルは本体から投下され、子機を入れたカプセルは、秒速48キロメートルで木星大気圏に突入しました。この探査カプセルは、気温と気圧のほか、木星大気の化学そせいを計測しました。これはガリレオが撮影したガリレオ衛星です。左から、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストです。
次に、月の探査機について見ていきましょう。月は、地球のたった1つの衛星です。月の表面は、レゴリスと呼ばれるホコリの堆積で覆われています。1970年、「ルナ17号」というソ連の探査機が、バイコヌール宇宙基地から発射されました。この打ち上げにより、世界で初めて、地球から遠隔操作ができる月面探査車を、月に送り込むことに成功しました。ローバーの運用寿命は、月でいう3日間と想定されていたのに、実際には11日間も活動し続けました。10km以上も走破し、2万以上のテレビ画像、多くのパラノマ写真を地球におくったのです。これは、ルナ17号が運んだロボ、ルノホート1号のタイヤの跡を、ルナ17号が撮影した写真です。
最後に紹介するのは、2007年9月14日、種子島にあるJAXAの宇宙センターから打ち上げられた「かぐや」です。日本が打ち上げた、アポロ計画以降最大規模の月周回探査機です。10月19日、「かぐや」は、「おきな」と「おうな」と呼ばれる子衛星2機を分離したあと、ほぼ円形の月周回軌道に乗りました。そして、約1年半にわたり、月を周回しながら、様々な観測を行ったのです。月を周回している「かぐや」が、「地球の出」を撮影したときの位置関係の図です。その時の映像をご覧ください。月面上に立つ人間からは、地球は絶えずほぼ同じ位置に見え、地球が地平線から昇ってくるような地球の出を見ることはできません。とても幻想的な光景ですね。
僕は、この研究を通して、どのようにして惑星の謎が明らかにされていったか、知ることができました。もし、みなさんが探査機を作ったら、何を目的にして調査してみたいですか。僕は、太陽系を抜けて、銀河系の中心に行き、何があるのか見てみたいです。これで、僕の発表をおわります。聞いてくださってありがとうございました。