【生徒作品】『山と神様』(I・Sくん 新小5)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

今回は、『山と神様』(I・Sくん 新小5)を掲載致します。
よくご家族と山登りをするIくん。なぜ山には鳥居があるのか、ずっと気になっていたそうです。今回の研究では、古来から伝わる自然と神様の関係について調べました。また、実際に筑波山に登り、神話の世界を感じることができたようです。

その他の発表動画は、「2021年 生徒作品発表」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
山と神様の関係について調べた作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
山に行った時、必ず鳥居があることを不思議に思ったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
筑波山に行って研究したことです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
本や資料の内容をまとめることです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
神道では、神様はどこにでもいると考えていることを知りました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
家で作品名を決めてきたいと思います。
来年、研究したいことはありますか?
ウイルスについて調べたいです。
この作品を読んでくれた人に一言
聞いてくれてありがとうございます。

生徒作品

『山と神様』(I・Sくん 新小5)

ぼくは、家族といっしょに、よく山に登ります。毎回、登山口に鳥居があることが気になっていました。これまで登った、金峰山、高尾山、筑波山などにもありました。鳥居があるということは、神社もあります。ぼくは、山の中や神社、登山口に、神様がいるのかなと不思議に思いました。今回の研究では、「なぜ山に神社があるの?」という疑問について調べることにしました。

日本に昔からある神道では、数え切れないくらい神様がいると考えられています。山の神様、海の神様、自然の神様、歴史上の人物などを神様にしています。

日本では、もともと、山や大きな木、岩、滝などに、神様の存在を感じて、まつっていました。それを、ご神体と言います。その場所の近くには、本殿や拝殿などが建てられました。たとえば、奈良県の大三輪神社は、三輪山をご神体としています。

また、和歌山県の飛龍神社は、那智の滝がご神体です。

さらに、花窟神社は、高さ約70mの巨大な岩がご神体です。

さて、みなさんは、筑波山を知っていますか? 筑波山は、茨城県つくば市の北端にある山です。

筑波山も、昔から、山全体が神様だと信じられてきました。筑波山は、1億年以上も古い時代に、地殻変動によって隆起し、風雨にけずられた山です。関東地方に人が住むようになった頃から、信仰の対象として受け継がれてきました。山が2つ並んでいるので、自然に、男の神様と女の神様が祀られました。そして、イザナギノミコトとイザナミノミコトの神が重ねられていきました。

2021年1月、ぼくは、お父さんと一緒に、筑波山に登りました。これは、筑波山神社の入り口にある大きな鳥居です。ここから神様が出入りするんだなと考えました。

これは、筑波山神社です。筑波山神社は、山を少し登ったところにある拝殿です。筑波山自体が神様なので、男体山と女体山が本殿となっています。

これは、標高871メートルの男体山の山頂にある本殿です。ここでは、イザナギノミコトを祀っています。人はいたけど、周りは静かで、本殿の中から神様が出てきそうな雰囲気でした。

この石は、女体山と男体山の間にある、せきれいの石です。

石の上にせきれいという鳥がとまり、イザナギノミコトとイザナミノミコトの二柱の神様に、夫婦の道を教えたという言い伝えがあります。ここは、縁を結ぶパワースポットと言われています。

ここは、標高877メートルの女体山の山頂にある本殿です。イザナミノミコトをまつっています。男体山と比べるとより大きな本殿です。女体山の山頂は、男体山より標高が高く、人がたくさんいて楽しい感じです。

これは、女体山の山頂にある天浮橋です。この橋は、次のような言い伝えがあります。神様の時代、イザナギ、イザナミの二柱の神様が、山頂の天浮橋に立ち、玉で飾った天沼矛を下ろしかき回したところ、その矛の先から落ちた塩でできた島が筑波山であり、天地開闢の地とされています。

筑波山に登ってみて、山には神様がいそうだなとますます感じました。また、この研究を通して、神様はどこにでもいるということを知りました。筑波山以外の山にも、きっと神様がいると思います。

今、宗教的な登山から、スポーツや楽しみとしての登山に変わっています。登山道が整備されて、一般の人も、高い山に登りやすくなっています。しかし、山から神様がいなくなったわけではありません。ぼくが登った筑波山でも、たくさんの人が、神社で参拝していました。ぼくは、これからも、神様がやどる山の自然を大事にします。皆さんも、山の自然を大切にしてください。

これで発表を終わります。聞いてくださって、ありがとうございました。

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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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