【生徒作品】『ハトと人の関わり』(新小6 K・Nくん)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。

今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小6 K・Nくん『ハトと人の関わり』を掲載致します。

ハトが苦手なKくん。もっとよく知れば苦手な気持ちがなくなるかもしれないと、ハトについて調べました。

その他の発表動画は、「2019年3月 生徒作品発表会 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

講師からのコメント

ハトと人との関係について、その歴史や、現代社会における問題点、その対策について考えることで、ハトについての見方に変化があったと思います。さまざまなものの見方がある社会で、私たちが気持ちよく生きていくにはどうしたらよいか、これからも考えていきたいですね。

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
鳩の歴史と害について紹介しています。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
鳩嫌いをこくふくしたかったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
エジプトで鳩を食べていることを知ったことです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
まとめの文章がむずかしかったです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
鳥獣保護法という法律を知ることができたのがよかったです。もしも、知らなかったら、してはいけないことをしてしまうかもしれないからです。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
気持ちをこめて話したいです。
来年、研究したいことはありますか?
カエルと人の関わりです。
この作品を読んでくれた人に一言
鳩に餌をあげないでください。お願いします。

生徒作品

新小6 K・Nくん『ハトと人の関わり』

みなさんは、鳩が好きですか? ぼくは、嫌いです。はじめは、嫌いではなかったのですが、鳩が病気を持っていることを知り、急に苦手になりました。そこで、ぼくは、鳩のことを調ベれば、苦手ではなくなるかもしれないと思って、研究することにしました。

ぼくは、『ハトの大研究』や、『鳥のくらし図鑑』を参考にしました。その中で、ハトの歴史や、ハトの害について、紹介します。

ドバトのそせんのカワラバトは、伝書鳩として使われていました。伝書鳩とは、遠くはなれた所から手紙を持ってくるハトのことです。ハトは、とぶ力が強く、何千キロメートルも飛べます。また、ハトは、自分の巣や家族の所に、もどろうとします。その性質から、手紙をとどけることができます。ハトの飼育を初めたのは、紀元前3000年ごろの、古代エジプト人です。かれらは、航海の様子を、陸にいる人に伝えるために、伝書鳩を使いました。19世紀の戦争では、ドイツやフランス、スイスなど、ヨーロッパの国ぐにで、伝書鳩がつかわれていたそうです。そのころ、有線の通信や無線の通信、電話などが発明されていました。しかし、敵にぼうがいされたり、こしょうが多発したため、つかえなくなってしまいました。そのときにかつやくしたのが、ハトでした。また、ハトは、戦闘機に持ちこまれ、ついらくしたときに、SOSの手紙を送る役目も、はたしていました。

今では、情報技術が発達し、伝書鳩が、使われなくなりました。しかし、伝書鳩の子孫は、鳩レースで活躍しています。鳩レースとは、ハトを飼っている人たちが、自慢の鳩を持ちよって、同じ地点でいっせいに鳩を放し、だれのハトが一番早く帰ってくるのか、競うものです。よく見るドバトと、レース鳩は、生物学的には同じです。しかし、レース鳩は、伝書鳩の子孫で、数百年前から改良されてきたため、骨が太く、足も強くてがんじょうです。翼も、かたくしまっています。
巣に帰ろうとする能カも、すぐれています。

しかし、最近では、ハトが増え、人間にとって害になることが、問題になっています。ハトによる害の一つ目は、ふんをされたり、巣を作られたりすることが、不潔なことです。大量にふんをしていくため、水でながすのが大変です。ふんのせいで、せんたくができないといった苦情が多くなり、そのたいさくに困っています。二つ目は、鳩が持っている、病原菌です。ドバトのふんから発生するおそろしい病気として、カビの一種の、クリプトコッカス病があります。人がこの病気に感染して、重い症状になると、脳がおかされ、死んでしまうこともあると言います。この他にも、オウム病や、サルモネラ中毒や、脳炎などがあります。羽毛や乾燥したフンが、ぜんそくなどのアレルギーの原因にもなります。三つ目は、ハトが近くまできて、こわいということです。

では、ハトの害に対して、どのような対策をしたらいいのしょうか? 鳥じゅう保護法というものがあり、毒の餌で駆除したり、エアーガンなどで直接ハトにこうげきしては、いけないそうです。そのため、音やレーザーでおどろかせるのが、いいそうです。しかし、周りの人のめいわくにならないように、気をつけるひつようがあります。また、ハトが、すみにくくする工夫も、大事です。ハトがきらいなにおいや味の薬品を使うと、効果的です。ハトのえさの大半は、人があたえる餌や、道におちている食べ物のくずだそうです。だから、餌を与えないこと、食べ物をおとさないことが、大切です。

このけんきゅうを通して、ぼくは、鳩と人間との関係について、知ることができました。昔は、鳩は、人間にとって、情報を伝達するという大切な役目を、果たしてしました。今では、レース鳩として親しまれている一方、ドバトが増えすぎて、人間にとって、害が増えてしまいました。ぼくは、今もハトが苦手です。しかし、だからといって、簡単に駆除をしていいわけではありません。鳥じゅう保護もありますし、鳩を、かわいいと思う人もいます。鳩も、人間と同じ、かけがえのない命を持つ生き物なので、傷つけてはいけない、という考えもあります。一方、ハトが増えすぎない工夫をする必要もあります。このように、鳩との付き合い方は、社会のあり方であり、人間同士の付き合い方や、問題解決の方法を考えることにつながると、ぼくは学びました。

これで、発表を終わります。聞いてくださってありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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