リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。
今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小5 J・Bくん『韓国とからい料理のひみつ』を掲載致します。
ご両親のふるさとである韓国の食べ物・キムチについて調べ、なぜ韓国には辛い料理が多いのかを考えました。
作品について
講師からのコメント
本人の振り返り
- これはどのような作品ですか?
- 韓国の食文化について調べた作品です。
- どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
- みんなに韓国の良さを伝えたかったからです。また、韓国には辛い料理が多い理由を知りたかったからです。
- 作品づくりで楽しかったことは何ですか?
- スライドの画像を選ぶのが楽しかったです。また、辛い物を食べてみるのが楽しかったです。
- 作品づくりで難しかったことは何ですか?
- 文字を入力するのがむずかしかったです。
- 作品作りを通して学んだことは何ですか?
- 韓国のキムチは辛いけれど、日本のキムチは甘いことを知りました。国によって、気こうがちがうと食生活にちがいがあることを知りました。
- 次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
- たくさん練習して、げんこうを間違えずに話せるようになりたい。
- この作品を読んでくれた人に一言
- 皆さんも韓国に興味を持っていただければうれしいです。
生徒作品
新小5 J・Bくん 『韓国とからい料理のひみつ』
みなさんは、韓国料理を食べたことはありますか? ぼくは韓国人で、韓国に何回も行っているので、韓国料理を食べたことがあります。辛い料理がたくさんありますが、ぼくは辛い物が苦手です。そこで、なぜ韓国には辛い食べ物が多いのか疑問に思い、調べることにしました。
これから、韓国と辛い食べ物について紹介します。まず、韓国について紹介します。韓国の正式名称は、「大韓民国」です。首都はソウルで、人口は5034万人、朝鮮半島の南半分に位置し、面積は日本の4分の1ほどです。日本から、一番近い国です。
韓国には、辛い食べ物が、たくさんあります。たとえば、ラーメン、チゲ、キムチです。韓国のラーメンは、スープが赤いし、味も辛いです。ぼくは、たまに、韓国のインスタントラーメンを食べます。そんなに辛くないラーメンを食べていますが、中には激辛のものもあります。チゲは、肉、魚介、豆腐を、味噌や唐辛子風味の調味料で煮込んだ、朝鮮の鍋料理です。スープにごはんを入れて食べるとおいしいです。チゲは、日本語で「鍋」という意味です。だから、よく「チゲ鍋」と呼ばれますが、韓国語も知っていると「鍋鍋」になってしまいます。
韓国には、キムチが欠かせません。韓国の冬は、とても寒くて、昔は、新鮮な野菜が、とれませんでした。そんな冬にも、野菜が食べられるように発達した漬け物が、キムチです。キムチは、白菜の他にも、キュウリ、ニラ、キャベツなど、たくさんの種類があります。
ぼくは、韓国のキムチと、日本のキムチの違いを、調べてみました。韓国のキムチは、おばあちゃんが、作ってくれたものです。日本のキムチは、スーパーで買ったものです。違うところは、たくさんありました。ひとつ目は、色です。日本のキムチより、韓国のキムチのほうが、赤色が濃いです。ふたつ目は、味です。韓国のキムチは、日本のキムチよりも、ずっと辛いです。韓国のキムチを食べたあと、日本のキムチを食べたら、甘じょっぱくて、全然辛くなかったです。みっつ目は、材料です。どちらのキムチも、ハクサイ、大根、生姜、唐辛子、えび、ニンニクが使われています。両方のキムチに、甘みを出すためのエ夫がありますが、その材料が違います。韓国のキムチは、梨や梅エキスが 使われています。一方、日本のキムチは、ぶどう糖や水あめが 使われています。そのため、韓国のキムチは、甘さが控えめですが、日本のキムチは甘みが強いです。よっつ目は、作り方です。韓国のキムチは、発酵させて作っています。発酵は、乳酸菌を増やすことによって、旨みを増したり、栄養価値を高めたり、悪い菌の増殖をおさえたり、腸の動きをよくしたりすることです。それに対して、日本のキムチは、ただ調味液に漬けただけのものも、あるそうです。ぼくは、日本のキムチのほうが、好きです。なぜなら、そんなに辛くないからです。辛いのが苦手な人は、日本のキムチが、オススメです。でも、家族は、韓国のキムチのほうが好きです。
これらの料理の共通点は、赤いことです。この赤のもとは、唐辛子です。では、唐辛子は、いつ頃、どこから来たのでしょうか。また、辛い物を食べたら、どんな効果があるのでしょうか。16世紀~17世紀ごろ、韓国に、唐辛子が伝来しました。ルートは、日本との交易によるもの、豊臣秀吉の朝鮮出兵で持ち込まれたなどの諸説があります。唐辛子は、庶民の間で受け入られると、貴族に広まりました。18世紀の農書「増補山林経済」には、唐辛子入りのキムチ・コチュジャンの記述が登場しています。唐辛子が持ち込まれてから、現在まで普及するまでに、100年以上かかりました。
次は、唐辛子に含まれる成分について、見ていきましょう。唐辛子の辛さは、カプサイシン類という辛み成分によるものです。カプサイン類には、体温上昇、発汗、脂肪を燃焼させる効能があります。この研究を通して、なぜ韓国に辛い食べ物が多いか、改めて考えてみました。韓国は、一年の寒暖差が激しく、冬はとても寒くなります。すると、その気温差に対応しようとして、私たちの身体は、必要以上にエネルギーを消費してしまい、体調を崩しやすくなります。それに対して、辛さのもとである唐辛子には、体温上昇、発汗、脂肪を燃焼させる効能がありました。これらをもとに、ぼくは、韓国に住んでいる人は、寒さにまけず、健康で元気に過ごせるようにするために、辛い食べ物をたくさん食べているのだと考えました。
ぼくは、まだ辛いものが苦手ですが、日本のキムチなら、食べられるようになりました。キムチは、おいしくて栄養があり、健康にも良いです。だから、キムチの苦手な人も、あまり辛くないものもあるので、ちょうせんしてみてください。
これで、ぼくの発表を終わります。聞いてくださって、ありがとうございました。