【生徒作品】『かこさとしと絵本』(新小4 T・Yさん)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。

今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小4 T・Yさん『かこさとしと絵本』を掲載致します。

かこさとしさんから、いつか絵本作家になりたいという夢をもらったTさん。かこさとしさんの生涯を調べ、その思いを私達に伝えてくれました。

その他の発表動画は、「2019年3月 生徒作品発表会 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

講師からのコメント

かこさとしさんの、平和への願いを受け継いでいきたい。Tさんの強い思いが伝わる発表でした。昨年は、絵本づくりにも挑戦しましたね。絵本の魅力は、「子どもたちをはげまし、笑わせ、幸せにしてくれるところ!」と教えてくれたTさんの紡ぐ物語を、楽しみにしています。

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
かこさとしさんの、生がいと、絵本の紹介と、願いについての作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
かこさとしさんの絵本が好きだからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
スライドの写真をえらぶことです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
かこさとしさんが願った平和について、学びました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
発表する時には、来年も、発表のテーマにあったTシャツを着たいです。
来年、研究したいことはありますか?
睡眠についてです。眠っている時と、気絶している時は何が違うのか、知りたいからです。
この作品を読んでくれた人に一言
来年は、発表の時に、もっと声を大きくします。作品を読んでくれて、ありがとうございました。

生徒作品

新小4 T・Yさん『かこさとしと絵本』

みなさんは、かこさとしさんをごぞんじですか? かこさとしさんは、絵本作家です。私は、かこさとしさんの絵本が、好きです。私の、絵本作家になりたいという夢をつくってくれたのが、かこさとしさんの絵本でした。

私は、3歳から、絵本作家になるのが夢でした。絵本作家になりたいと思ったきっかけは、「だるまちゃんシリーズ」を読んだことです。この作品を作った、かこさとしさんに会いたい、絵本作家になったら会えると、思ったからです。これは、保育園の年長のころ、毎日読んでいた「とこちゃんはどこ」という絵本です。私は、探し物絵本が好きで、そのなかでも、「とこちゃんはどこ」は、絵も可愛くて大好きでした。まつおかじゅんこさんがぶんしょうを書いて、絵を、かこさとしさんが描いています。卒園するとき、「とこちゃんはどこ」と、はなれたくないと思うほど、この絵本が大好きでした。そして、小学3年生の春ごろ、かこさとしさんが、教育にいい本を作っていることを知りました。私は勉強が苦手なので、かこさとしさんのように、子どもたちのために、勉強が好きになる本を作りたいと思いました。

かこさとしさんは、子どものころから、絵を描くのが得意だったそうです。大きくなると、「国のために」と、軍人になりたかったのですが、目が悪くて、なれませんでした。そして、19歳の夏、戦争が終わります。すると、大人たちが、急に、「おれは戦争に反対だったんだ」と、言いはじめたそうです。反省もしない、後始末もしない、それを見ていた子どもたちはどう思ったかと、思ったそうです。かこさとしさんは、自分も戦争に賛成だったことを恥じて、つぐなわなければならないと思いました。
「大人たちにそまらない、子どもたちにたくそう」
「子どもの応援団として生きる」
そう、心にちかったのです。

戦後は、戦争で傷ついた子どもたちのために、紙芝居を作って読みきかせをする、ボランティアをはじめました。33歳で、絵本作家になりました。これが、かこさんがはじめて描いた「だむのおじさんたち」という絵本です。そして、41歳で「だるまちゃんシリーズ」をかきはじめました。47歳には、「からすのパン屋さん」を出版しました。そして、これまでに、500冊以上の絵本を、作っています。

「これからの命は、子どもたちのために使う、死ぬまで続ける」
戦後に立てた誓いの通りに、かこさとしさんは、絵本を書き続けました。家族から休んでは? と、言われても、「死んでから休みます。」と、答えたそうです。しかし、だんだんと目が悪くなっていき、じんぞうの病気になって、車いすでの生活になりました。緑内障をわずらい、左目は見えず、遠近がわかならなくなってしまったので、短い線をつなげて、絵を描いていたそうです。昔は、力強い太い線で描かれていました。2018年3月に入って、仕事をする元気が、なくなってしまいました。これは、かこさとしさんが最後に作った絵本「みずとはなんじゃ?」です。こどもたちに、水の大切なはたらきを伝える絵本です。でも、もう絵を描くげんきがなかったので、絵本作家の鈴木まもるさんに、絵をたのんだそうです。鈴木まもるさんは、水のすばらしい力を、料理人や医者にたとえているページの絵をかいているとき、子どもたちのために働いているすがたが、かこさとしさんにみえて、絵本のなかに描いたそうです。このページの列の後ろに、かこさとしさんの絵本のキャラクターが、描かれています。そして、先頭には、かこさとしさんがいます。これもまた、鈴木まもるさんの、工夫だそうです。2018年5月2日、かこさとしさんは、92年の生涯を終えました。

みなさんにも、かこさとし先生のように、平和を、望んでほしいです。そして、平和を作るには、自分が、どうすればいいかを、考えてほしいです。私は、将来、絵本作家になって、平和の大切さを、みんなに伝えたいです。

これで発表を終わります。最後まで聞いてくださって、ありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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