【生徒作品】『地球温暖化と科学』(新小6 Y・Mさん)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。

今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小6 Y・Mさん『地球温暖化と科学』を掲載致します。

地球温暖化について調べるうち、それを疑う立場の人々がいることを知ったYさん。その根拠や、科学的な考え方について、学んでいきました。

その他の発表動画は、「2019年3月 生徒作品発表会 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

講師からのコメント

「真実を知りたい」。地球温暖化の原因や影響について、しっかり研究することができたYさんだからこそ、この強い思いを抱くことができたのだと思います。未来は、私たちみんなの手で築いていくという言葉を、改めて心に刻みました。地球の未来のこと、一緒に考えていきましょう。

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
地球温暖化の原因や影響、懐疑論について研究した作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
最初は大した影響はないと思っていた地球温暖化が、実は全世界に大きな被害を及ぼしていることがわかったからです。その事実をみんなに伝えたいと思いました。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
「科学は、仮説を立て、疑うことをくり返している」というセリフが心に残っています。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
どんな言い回しにしたら、小さい子にも伝わるかを考えるのが、難しかったです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
地球温暖化が、人間社会だけでなく、全世界にも大きな影響を及ぼしているということ。また、科学者の言うことをそのまま信じるのではなく、私達も、疑いの目を持ち、探求していことが大切だということ。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
今回の発表では、人への呼びかけを心がけました。次も活かしたいです。
来年、研究したいことはありますか?
科学について、また、懐疑論について調べたいです。
この作品を読んでくれた人に一言
日常生活で、気になったことや、不思議に思ったことがあったら、ぜひ、興味を持って調べてほしいです。

生徒作品

新小6 Y・Mさん『地球温暖化と科学』

みなさんは、地球温暖化ということばを知っていますか? この言葉は、ニュースでもよく取り上げられているので、知っている人も多いと思います。もう一つ、質問です。みなさんは、地球温暖化について、家族や友人と話し合ったり、なにか対策をしていますか?

私が、地球温暖化について調べたいと思ったきっかけは、学校の国語で『コウノトリが教えてくれた』という作品を読んだことです。絶滅危惧種を救うためには、人間と動物が共存できる環境づくりが必要です。そして、その環境は、もちろん、人間にとっても住みやすい環境であると、学びました。

私は、授業が終わったあと、動物たちがどうして絶滅しそうなのか、さらに知りたくなりました。すると、その主な原因とされていたのが、地球温暖化でした。それでも初めは、絶滅のおそれのある動物は、ホッキョクグマや、セイウチなど、極地に集中しているから、私たちが住んでいる社会には、大した影響はないと思っていました。しかし、調べてみたら、世界中が、かなり深刻な状況にあることを知りました。地球温暖化が原因で、いろいろな問題が、世界中で起こっています。北極や南極での氷の減少、何年も続く干ばつ、サンゴ礁の白化などです。日本でも、大型台風による被害や、熱中症などが、問題になっています。

現在、地球温暖化について、IPCCという組織が、研究を進めています。IPCCでは、世界の科学者が発表する論文や、観測・予測データを集めて、5年から6年ごとに評価報告書にまとめて、公表しています。最新の第5次報告書では、温暖化は疑う余地がなく、人間活動が原因である可能性が極めて強いと発表しています。

しかし、地球温暖化が進んでいるという研究に対して、疑いの目を持っている人たちがいます。そのような意見を「懐疑論」といいます。私は、懐疑論を読んで、嘘なのか、本当なのか、調べてみたいと思いました。

一つ目の懐疑論は、地球は太陽から遠ざかり、氷河期に入っているのだから、これからどんどん寒くなっていく、という意見です。実は、この意見は私の母も「そうかもしれない」と思っていたそうです。確かに、太陽を回る軌道をみると、氷河期に向かっているそうです。そして、200年ほど前から、気温は下がるはずだったそうです。しかし、地球の各地で気温が上がっているというデータがあるということは、やはり、地球温暖化が進んでいるということを、証明しているといえます。

二つ目の懐疑論は、北極の氷が解けていることばかり言って、南極の氷が解けていないことを言わないのは、地球温暖化が嘘だからではないか? という意見です。確かに、IPCCの報告書を調べてみると、北極については詳しいデータを示していますが、南極については、100年後、氷が減っているだろう、という予想だけです。なぜ、南極についての報告が少ないのかというと、南極は大きな大陸で、氷の量も北極と全然違うため、調査が難しいからだそうです。氷が広がっている面積はあまり変わらないのですが、北極の中心にある氷は、海水の上にあり、数メートルくらいと、薄いそうです。南極の中心は陸地で、その上に氷がのっているため、平均で、厚さは2千メートル、一番厚い所は、富士山よりも1千メートルくらい高い、4,800メートル近くあります。だから、測定が難しいのです。また、2015年、NASAが、南極の氷が増えたと発表しました。しかし、それは温暖化のせいで海水温が上がり、南極に雪が降るようになったので、氷が増えたように見えたそうです。つまり、厚くて丈夫だった氷が解けて、薄くてもろい雪が増えているのです。また、最新の研究では、南極の氷が減り、緑化が進んでいるとの報告もあります。これもまだ、確かなものではないので、引き続き研究しているそうです。

最後に、皆さんに、IPCC報告書にある、100年後の未来の「4つのシナリオ」をご紹介します。一番良いシナリオは、気温の上昇を、2度以下に抑えた未来です。最悪のシナリオは、気温の上昇が、最大4.8度になった未来です。IPCCも、何度もデータを更新して、何度も予測を変更しています。科学は、仮説を立て、疑うことを繰り返しながら、発展していきます。どの未来になるかは、占いではなく、私たちがどうするかにかかっています。

今回、地球温暖化の研究を通して、科学的な物の見方を学びました。今日の私の発表についても、疑ってもらって、かまいません。もし、疑問に思うところがあれば、ぜひ調べてみてください。地球温暖化に興味を持った人も、それだけで満足せずに、ずっとずっと、関心を持ち続けてください。そして、「IPCCのシナリオ」よりも、もっとよい、100年後の未来を作っていきましょう。

これで、発表を終わります。ありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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