【生徒作品】『折り紙と最新技術』(新小6 R・Nくん)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。

今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小6 R・Nくん『折り紙と最新技術』を掲載致します。

大好きな折り紙が、宇宙や医療の分野で活用されていることを知り、具体的な使われ方について研究しました。

その他の発表動画は、「2019年3月 生徒作品発表会 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

講師からのコメント

前回の研究で調べた「炭素」に続き、技術をどう活かしていくかを、具体的に調べることができましたね。折り紙は身近なものですが、その応用範囲の広さには驚きました。まだ知られていない技術の芽に気づくことができる眼差しを、これからも育てていきましょう。

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
折り紙の特性が、医療、宇宙工学、建築などのさまざまな分野に応用されているように、どのような物でも、特性をどのように応用することができるかを考えることが大切だということを伝える作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
折り紙のすごさを、多くの人に知ってもらうためです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
折り紙が応用されている分野について調べたことです。調べるほど、どんどんいろんなことを知ることができました。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
発表の持ち時間よりも、作品の時間が短くならないようにすることです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
調べたり、まとめたり、理解したりすることが、大変であることです。また、技術を発展させるためには、たくさんの人と一緒に考えることが大切だと感じました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
見ている人にとって、わかりやすいように工夫することです。
来年、研究したいことはありますか?
錯覚について研究したいです。
この作品を読んでくれた人に一言
折り紙の楽しさと可能性を、たくさんの人に広めてください。

生徒作品

新小6 R・Nくん『折り紙と最新技術』

ぼくは、3年生のころ、友達に折り紙を教えてもらい、折り紙の楽しさを知り、時間がある時には、折り紙を折るようになりました。5年生になったころに、本やニュースで、折り紙が、いろいろな分野に応用されていることを知りました。折り紙が、いったいどう使われているのか、興味がわいたため、今回、調べてみることにしました。

研究は、図書館で資料を探したり、動画やニュースを見て、調べたことをまとめるという順で、進めました。

折り紙には、このような、伝統的なものや、このような、より複雑なものもあります。まず、こうした折り紙の歴史について、説明します。折り紙は、平安時代に、贈り物をいかに美しく包むかが、貴族の間で流行したことが始まりです。そして、安町時代になると、人形などの形を折り、顔を書き入れた、御所折りとよばれる、今の折り紙の原形のようなものが生まれます。こうして、今の折り紙になりました。

このようにしてできた折り紙は、数学とコンピューターによって、現在、より複雑な形に、一気に発展しています。この作品では、コンピュータープログラムを用いることによって、複雑な角や、長いあしを折りだしています。この作品では、コンピューターを用いて曲線を描き、それに沿って折ることで、きれいな曲線をふくむ立体を作っています。

コンピューターによって進化した折り紙は、さまざまな分野で、応用されています。これから、宇宙、建築、医療の分野への折り紙の応用について、紹介していきます。

まずは、宇宙船の開発などの宇宙工学の分野です。これは、太陽の光を受けて、その力で飛ぶJAXAの実験的な宇宙船、イカロスです。このセイルは、折りたたまれた状態で打ち上げられ、宇宙で、広げられました。大きなものを小さくして運び、また大きく広げるため、折り紙の技術が、応用されています。これは、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機である、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡です。ここにも、折り紙の技術が使われています。まず、このように、宇宙空間で、赤外線から望遠鏡を守る五重の遮光板を広げていきます。その後、六角形に分割された鏡を展開します。この宇宙望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡の100倍の性能があり、2021年に打ち上げが予定されています。

次に紹介するのは、折り紙の建築への応用です。東京大学の舘知宏さんは、これまでの100倍の固さを持つ、折り紙を利用した構造を開発しました。この新しい構造は、ロボットの動く部品や、宇宙開発、可動式の屋根や、折り畳める建築などに、応用できます。

最後に紹介するのは、医療への応用です。これは、ステントグラフトという治療です。小さく縮めた人工血管を、患部でひろげ、血流を整えることができます。しかし、アミがカバーを突き破り、血管を傷つけてしまうおそれもありました。そこで、北海道大学の繁富香織さんが、折りたためるチューブ状のステントを開発しました。これであれば、小さく折りたたみ、安全に広げることができます。また、繁富香織さんは、細胞同士が引き合う力を利用した、細胞折り紙も、研究しています。細胞折り紙は、血管や組織に近い形をつくることができ、再生医療に役立つとされています。

このように、今では、折り紙は、たくさんの分野に応用されています。折りたたむ・広げるという、折り紙の特性を応用した技術は、今後も、ますます発展していくと思います。折り紙は、紙を折るだけなのに、形がある物すべてを作り出すことができ、いろいろな分野に応用できます。

僕は、この研究を通して、身近にあるものの特性を、どう応用するかを考えることが大切なのだと考えました。ぜひ、みなさんも、身近なものをどう応用できるかを、考えてみてください。

これで、発表を終わります。聞いてくださって、ありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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