内容紹介
転校してきたばかりの始(はじめ)に見えた不思議なもの。それは、羽の生えた小さなおじさんでした。何かでビリになった人にだけ見える「びりっかすの神さま」をめぐり、たがいに競い合うだけだったクラスメイトたちが、変わり始めます。
子どもたちのブックレビュー
考えてほしいこと
読む前に
- あなたは、何かでビリになったことはありますか? その時、どんな気持ちでしたか?
- あなたは、わざとビリになることはいけないことだと思いますか? それはなぜですか?
読んだ後に
- びりっかすの神さまが見えてから、クラスの人たちにどんな変化がありましたか?
- 最初のクラスの雰囲気はどうでしたか?
- 最後のクラスの雰囲気はどうですか?
- 雰囲気か変わったのは、なぜでしょうか?
- リレーの後、始は「本気で走ったけれど、それは一番になるためではない」と言います。あなたには、結果にかかわらず、本気になってがんばった経験がありますか?
- 何でも競わせる先生のやり方を、あなたはどう思いますか?
- びりっかすの神さまは、ある人に似ていました。それは、なぜだと思いますか?
この本について
みんなが一番になりたいと思うのがふつうです。けれども、この本では「びりっかすの神さま」が現れたことにより、みんながビリになりたがります。当たり前だと思っていたことが逆転してしまうのが、この本の面白いところです。競い合い、自分が一番になろうとすることは、よいことなのでしょうか。競い合わず、みんな一緒というのは、よいことなのでしょうか。見方を変えれば、いろいろなものが見えてきます。結果にとらわれすぎると、大切なものを見失ってしまうのは、大人も子どもも同じでしょう。
物語の終わり、先生はずいぶんとやつれていますが、それは、いつしか見失っていた「人間味」を取り戻した姿なのかもしれません。
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