- 作者名:いとうひろし
- おすすめ:小学校3~4年
- ジャンル:物語(ファンタジー・空想的・SF)
- キーワード:生命
内容紹介
のらねこだった「ブータレ」は、今はひとりぐらしのおばさん、それに、おさかなの夫婦と暮らしていました。ある日、金魚ばちから飛び出してしまったおさかなのだんなさんを助けようとしたねこのブータレは、へんな気持ちにおそわれます。
子どもたちのブックレビュー
考えてほしいこと
読む前に
- あなたは、食事の前、「いただきます」を言いますか? それは、なぜですか?
読んだ後に
- 港のおじいさんにもらった魚と、いっしょに暮らしていた「おさかな」は、何がちがうのでしょうか?
- ねこは、港で食べた魚が自分の体になったと思い、食べた魚に「ありがとう」と言います。
- あなたの命は、他のどんな命によって支えられていますか? きのう・今日、食べたものを思い出してみましょう。
- あなたは、それらの命にたいして、どんな気持ちをいだきましたか?
- もし、その命があなたの大切な存在だとしたら、どんな気持ちになりますか?
- 他の命に支えられていることも、子どもが産まれて命がつながっていくことも、「命のつながり」と言えます。
- ねこは、なぜ、おさかなのだんなさんのにおいのする土を食べたのだと思いますか?
- ねこは、おさかなの夫婦の子どもたちを見たとき、どんな気持ちだったでしょうか?
- 自分が多くの命によって支えられているということを考えた今、あなたは、自分の命をどのようなものだと思いますか?
この本について
キーワード:生命
この本は、優しいイラストと親しみやすい文章で綴られた、命についての物語です。小3~4年生でも簡単に読めますが、描かれるテーマについて、ぜひ深く考えてほしい一冊です。
私たちは、食べ物を苦労なく手に入れられる社会に生きています。パック詰めされたお肉を見ても、もとの動物の命について考えることは、まれかもしれません。
生きることは、食べること。食べることは、他の命をいただくことでもあります。でも、もし「食べ物」が、自分にとって大切な存在だったとしたら、どうでしょうか。
命は大切にしたい。けれど、命を食べなければ生きていけない。「良い」とか「悪い」とかではなく、自分の存在がそのようにして成り立っているという事実を受け入れることが、自分の命、そして、自分を支える命と向き合うことにつながります。
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