【生徒作品】『食べ物で電気を作ろう』新小5 R・W君


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。
2020年は新型コロナウィルスの影響により、教室での発表となりましたが、生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を進めてまいりました。

今回は、新小5 R・W君『食べ物で電気を作ろう』を掲載致します。

テレビでレモン電池をつくる科学の番組を見たR君は、レモンで電気が生まれる理由について研究するために、いろいろな果物や野菜を使って実験することにしました。予想したことと異なる結果に驚きながら、電気が生まれる仕組みについて調べました。

その他の発表動画は、「2020年 生徒作品発表 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
いろいろな食べ物を使って電気を作る方法を調べた研究です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
テレビで、レモンで電気を作る番組を見て、疑問に思ったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
レモンやキウイなどを使って、電圧を計る実験をしたことです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
包丁を使うのがむずかしかったです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
レモンだけなく、いろいろな食べ物で電気を作れること。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
面積が重要だから、金属板を入れるときに、深く入れること。
来年、研究したいことはありますか?
錯視についてです。
この作品を読んでくれた人に一言
身近な食べ物で電気が作れるので、みなさんもやってみてください。

生徒作品

新小5 R・W君『食べ物で電気を作ろう』

ぼくは、科学が好きです。

ある日、テレビで、レモン電池をつくる科学の番組を見ました。レモン電池とは、レモンの中に金属をさしこんで、電気をつくる装置です。ぼくは、なぜ電気が流れるのか、すごくふしぎに思いました。

今回は、実際にレモン電池をつくり、本当に電気が流れるのかを実験しました。

これが、実験で使った食べ物です。オレンジ、キウイ、レモン、グレープフルーツ、じゃがいもです。

ぼくは、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、キウイ、じゃがいもの順に、電気が強いと予想しました。なぜなら、すっぱいほうが、強い電気をつくれると考えたからです

これは、実験で使ったものです。スピーカー、銅線、銅板と亜鉛板です。

スピーカーをセロハンテープでプラコップにつけているところです。こうすると、スピーカーの音が大きくなります。電圧計に電池をつないだところです。針は、1.5ボルトをさしています。電池をスピーカーにつないだところです。テンポが速くて、音が正確でした。

それでは、レモンで電気をつくってみます。まず、ナイフで、レモンに切れこみをいれます。そして、銅板をさしこみます。亜鉛板もさしこんで、コードで電圧計につなげます。レモン1つは、0.45ボルトでした。コップを耳につけないと聞こえないくらい、音が小さく、テンポもおそくなってしまいました。

レモンのあとは、じゃがいもで実験しました。ぼくは、すっぱくないから、電圧は弱いと予想しました。電圧は、0.6ボルトでした。レモンより、0.15ボルト高い電圧でした。音は弱いのですが、テンポは速く感じました。

次は、オレンジです。大きいけれど、それほどすっぱくないため、電圧はあまり高くないと予想しました。オレンジは、0.25ボルトでした。聞こえないくらい、弱い音でした。

次は、グレープフルーツをためしました。大きくて、すっぱいから、電圧は高いと予想しました。結果は、0.2ボルトでした。オレンジと同じで、ほとんど聞こえませんでした。

次は、キウイで実験しました。甘いから、電圧は弱いと予想しました。電圧は、レモンとほぼ同じ、0.5ボルトでした。レモンと同じくらいの小さな音でした。

じゃがいもが、一番強い電気をつくりました。次は、キウイ、レモン、オレンジ、そして、グレープフルーツと続きました。すっぱい食べ物のほうが、強い電気をつくると思っていましたが、ちがう結果となりました。

なぜ、食べ物から電気がつくれるのでしょうか。亜鉛がレモンの果汁にとけると、亜鉛から、電子が出ます。電子とは、原子をつくる粒子です。すべてのものに、電子があります。亜鉛から出た電子は、マイナスの性質があります。マイナス同士が反発して、銅線を伝わって、銅板に行きます。銅板では、電子は水素原子とくっつき、水素ガスにかわります。

このことから、次のような条件によって、電気の強さがかわります。まず、亜鉛板と銅板が食べ物にふれている面積が大きいほど、金属がとけて電子が発生します。また、亜鉛板と銅板のきょりが近いほど、電気を運ぶイオンの移動がかんたんになります。さらに、食べ物の酸性度が高いほど、金属がとけて、電子が発生します。じゃがいもには、リン酸という酸がふくまれているため、強い電気をつくれたのだと考えられます。

この研究をとおして、電気は、いろいろなものからつくれることをしりました。もっと条件を正確にして、より深く、電気のつくられかたについてしりたいです。ぜひ、みなさんも、電気のなぞを調べてみてください。

これで発表をおわります。

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『よくわかる電気のしくみ 電気ってなんだ?その正体・発電・利用方法を知ろう (子どもの科学 サイエンスブックス) 』(誠文堂新光社)
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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: 生徒作品

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