『四国と東京の電車のちがい』(K・Iくん 新小5)

リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

今回は、『四国と東京の電車のちがい』(K・Iくん 新小5)を掲載致します。
鉄道が好きなKくんは、今までにもモノレールや、地下鉄のトンネルを掘るシールドマシンについての研究に取り組んできました。そして今回は、四国への旅行をきっかけに、四国の鉄道の特徴について、東京の鉄道と比較しながら研究することにしました。

その他の発表動画は、「2021年 生徒作品発表」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
四国旅行で四国の電車に乗ってたくさん気がついたことを生かした研究です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
四国で電車に乗ることを楽しみにしていたからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
写真選びです。先生に写真を見せながら、写真を自分も見ることが楽しかったです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
地形や人々の生活の仕方が違うと、電車も変わってくることです。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
文章の見直しを、自分でもできるようになりたいです。
来年、研究したいことはありますか?
犬の体の構造についてです。
この作品を読んでくれた人に一言
来年度は、犬の研究第二回にします。

生徒作品

『四国と東京の電車のちがい』(K・Iくん 新小5)

僕は小さなころから、電車が大好きです。僕は電車が友達だと思っています。特に、新型車両や、乗ったことのない地方の電車は思わず興奮してしまいます。この冬、四国に旅行して、様々な電車に乗りました。そこで、東京の電車と四国の電車の違いについて、気がついたことがあり、研究することにしました。

まずは、四国の電車についてご紹介します。

まず、四国で1番目に見た電車、快速マリンライナーです。岡山駅から児島駅を通って、瀬戸大橋を渡って高松駅に行く電車です。1号車は2階建てのJR四国の5000系で、ロボットみたいでかっこいいです。

海洋堂ホビートレインかっぱうようよ号です。かっぱうようよ号はキハ32形4号車を改造したもので、河童のラッピングがしてあり、車内にはかっぱのフィギュアがたくさん飾られています。かっぱのフィギュアはかわいいのもあったけれど、不気味なものもあって、おもしろかったです。

鉄道ホビートレインも、キハ32形を改造したもので、窪川寄りの先頭には、0系を模した張りぼてが付けてあります。車内には、鉄道模型がたくさん飾られており、0系のシートもあります。シートは背もたれが動くようになっていて、座り心地がよかったです。

坊ちゃん列車は大正時代の伊予鉄道のSLを再現したものでで、現在はディーゼル機関車が、可愛くてレトロな客車を引いて走っています。乗ってみると、車内や椅子は木でできていて、電車の中の広告が明治時代みたいな広告になっていて、タイムスリップしたみたいな気持ちになりました。

特急南風は、岡山駅から高知駅を目指す特急電車です。土讃線で走っていて、2000系、2700系が使われています。

四国の電車についてみてみると、色々な特徴がわかります。一つ目は、ディーゼル機関車が走る区間が多いこと。二つ目は車両やドアの数が少ないこと。三つ目は、観光列車が多いことです。

まず、一つ目のディーゼル機関車が多いことについて説明します。ディーゼル機関車とは、軽油で動くディーゼルエンジンを積んで走る機関車です。それに対して東京は電気で動く電気機関車が走っています。電気機関車が走るためには、電気をとる架線が必要です。この部分が架線です。

四国は山を上り下りしたり、トンネルをくぐる線路がとても多いです。山の中を電化するのは大変です。だから、四国はディーゼル機関車が多いのです。ディーゼル機関車に乗ってみると、ブルブルとした音がとても大きくて、迫力があります。これは、特急南風の発車するときの音です。

次に車両の数、ドアの数について説明します。東京は、8両から15両編成ですが、四国の電車は少なくて1両編成か、多くて5両編成です。東京は4ドア車なのに対して、四国は2ドア車が多いです。四国の場合、乗り降りするお客さんがとても少なかったです。だから、車両が少なく、2ドア車などが多いのです。ホームも、東京の駅のホームと比べてもとても短かったです。この資料を見てください。

この資料は四国の旅客が利用している交通機関の割合です。これを見ると、平成21年は、92.3%が自家用車を使っていることになります。JR四国と私鉄を利用している人は合わせて3.4%しかいません。

3つ目の観光列車が多いということについて説明します。四国には、たとえば、キハ32形鉄道ホビートレイン、海洋堂ホビートレイン、キハ54形しまんトロッコ、キハ185系「四国まんなか千年物語号」、キクハ32形「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」、坊ちゃん列車などのたくさんの観光列車があります。なぜなら、さきほど説明したように、四国は交通を目的とした乗客が少ないので、観光という目的で、乗客を増やし、沿線の活性化を目指しているからだと思います。このように、鉄道には乗客や荷物を輸送するだけではなく、人を楽しませるための役割もあるとわかりました。

ぼくはこの研究を通して、四国と東京の鉄道のちがいにたくさん気がつくことができました。こうした違いは、地形や人々の生活の違いによるものだとわかりました。ぼくは、ちがいがあるということは、いいことだと思います。ちがいがあるから、おもしろいのです。

これで発表をおわります。きいてくださって、ありがとうございました。

参考文献—

  • 四国旅客鉄道株式会社.四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会 JR四国 資料,6. Retrieved from https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/information/shikoku_trainnetwork/4-2.pdf
この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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