リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。
2020年は新型コロナウィルスの影響により、教室での発表となりましたが、生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を進めてまいりました。
今回は、新小5 C・Rさん『ぬいぐるみとココロ』を掲載致します。
前回は香りと心の関係について研究したCさん。今回は、大切なぬいぐるみにも、私たちと同じように「心」があるのではないかと考え、アンケートをとり、心理学に関する書籍を読むなどして研究を進めていきました。
作品について
本人の振り返り
- これはどのような作品ですか?
- ぬいぐるみに心があるのかないのかについて考えた作品です。
- どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
- みなさんがぬいぐるみに対してどんな気持ちでいるのかを知りたかったからです。
- 作品づくりで楽しかったことは何ですか?
- アンケートをとることや、考えることです。
- 作品づくりで難しかったことは何ですか?
- アンケートをまとめることです。
- 作品作りを通して学んだことは何ですか?
- 「安心の基地」について学びました。
- 次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
- カメラに目線を向けることです。
- この作品を読んでくれた人に一言
- 読んでくださり、ありがとうございます。
生徒作品
新小5 C・Rさん『ぬいぐるみとココロ』
皆さん、こんにちは。今日は、私の家族をご紹介します。うさぎのステランです。本名は「ステラルー」と言います。私は、大切な家族のステラに、学校に行く時は「行ってくるね」と言います。夜は、一緒に寝ます。ステランは、良い香りがします。それは、ママからもらった香水の香りです。
ステランの好きなものは、何でしょうか。きっと、その中に、私が入っていると思います。私は、みんながどんな気持ちを持っているのか、一緒にいる時、どんな気持ちになるのか、知りたくなり、アンケートをとりました。ご協力いただいた方、ありがとうございました。
それでは、結果をご紹介します。参加してくれたのは、42名です。男性が20名で、女性が22名でした。今、ぬいぐるみを持っている人は30人で、持っていない人は12人でした。
ぬいぐるみを持っていない人に、その理由をたずねました。すると「欲しいと思わないから」という答えが一番多かったです。ぬいぐるみよりも、他に欲しいものがあるのかもしれません。私は、ペットを飼うことができないので、その代わりに、犬のぬいぐるみを買ってもらったことがありました。だから、ぬいぐるみを欲しいと思わないのは、大好きなペットがいるからかもしれません。
ぬいぐるみを持ってない人にも、以前持っていたかどうか、聞いてみました。すると、9名の人が、ぬいぐるみを持っていたそうです。ぬいぐるみは、子どもたちがおもちゃのように遊ぶものでもあるので、9名の人も、子どもの時は持っていたのかもしれません。残りの3名は、ほこりアレルギーか、買ってもらう機会がなかったのか、ぬいぐるみよりも欲しいものがあったのかもしれません。
次に、ぬいぐるみと、どこで会ったのか聞きました。一番多かったのは、「お店で買った」という答えでした。「ディズニーで買った」という人も、多かったです。私も、ステランはディズニーで買いました。2番目が「プレゼントしてもらった」という答えでした。私も、クレヨンしんちゃんのシロのぬいぐるみは、おじいちゃんにプレゼントしてもらいました。その時、とてもうれしかったので、プレゼントしてもらった人も、こんな気持ちだったのだろうなと思いました。
どんなぬいぐるみを持っているのか、アンケートを取ってみました。くまが、9名で多かったです。なぜ、くまのぬいぐるみが人気なのか、調べてみました。クマは力強くて守ってくれるというイメージがあります。そして、クマのぬいぐるみと言えば、テディベアです。実は、赤ちゃんが寝る時に、となりにテディベアがいると、安心してよく眠れたという実験結果がありました。強くて優しいクマのぬいぐるみと一緒にいると、安心するので、人気なのだと思いました。
こちらは、どんな気持ちの時にぬいぐるみと一緒にいたいか聞いた結果です。一番多かったのは、12名が選んだ「つかれた時」でした。次に多かったのは、「うれしい時」の8名でした。「悲しい時」や「怖い時」も、6名と多かったです。
気持ちは、大きく二つに分けることができます。一つは、温かい気持ちチームです。温かい気持ちチームには「楽しい」「うれしい」「安心」などがあります。また、もう一つは、冷たい気持ちチームです。冷たい気持ちチームには「不安」「悲しみ」「怒り」などがあります。そして、このアンケートから、ぬいぐるみと一緒にいたいと思うのは、冷たい気持ちになった時が多いと分かりました。そして、なぜ、ぬいぐるみと一緒にいたいのか、理由をたずねたアンケートでも、「安心するから」という回答が最も多かったです。
実は、ぬいぐるみと安心の気持ちには、大切なつながりがあります。子どもたちが心を育てるには、安心できる場所や、人に対する信頼感が必要です。安心できる場所や、信頼できる人がそばにいてくれると、子ども達は冒険することができ、人に優しくすることができるようになります。強くなったり、不安になったり、疲れてしまった時に、自分を受け止めてくれていやしてくれる場所があると、そこで元気をたくわえて、また勇気を持って世界を広げて行けます。そして、安心できる場所や信頼できる人のことを、「安心の基地」と言います。「安心の基地」は、お母さんやお父さん、お兄ちゃんやお姉ちゃん、家族みんながなってくれます。また、タオルや毛布など、やわらかくて暖かなもの、さわっていると安心するものすべてが、安心の基地になります。もちろん、その中にはぬいぐるみも入っています。私にとってもステランは、安心の基地と言えるでしょう。ステランと一緒にいると、楽しい気持ちになり、不安な気持ちも吹っ飛びます。
最後に、ぬいぐるみに心はあるのかをお話ししたいと思います。私は、ステランには、私たち人間と同じように心があると思います。もちろん、皆さんの大切にしているぬいぐるみにも、私は心があると思います。世界には、私と同じように、ぬいぐるみに心があると信じてくれる人もいるでしょう。また、ぬいぐるみに心はないという人もいます。つまり、ぬいぐるみに心があるかどうかは、一人一人の考え方、感じ方によって決まると私は思います。しかし、ぬいぐるみに心があるかないかに関わらず、ぬいぐるみは、人の心を成長させてくれる、いやしてくれる、家族のような大切な存在です。ぬいぐるみを大切にすることは、自分の心や家族を大切にするのと同じです。だから、私は皆さんにも、ぬいぐるみを大切にしてほしいと思います。でも、いつか、
私も皆さんも、ぬいぐるみとお別れをしなければならない日が来るかもしれません。その時は、ありがとうの気持ちを伝えて、優しくお別れしたいですね。
これで、私の発表を終わります。聞いてくださり、ありがとうございました。
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小学館の図鑑NEO『人間・いのちの歴史』 (小学館)
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『学校では教えてくれない大切なこと 18 からだと心』(旺文社)
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