【ブックプロジェクト】「玉子の卵焼き」×「やさしいトシと卵博士の玉子」(小4 M・Nさん)

玉子の卵焼き

本の紹介

「玉子」は、ぼくの双子の妹。だけど、勉強も運動もダメ、おまけにしょっちゅう友だちとケンカをする玉子は、ぼくのなやみのタネだ。それに近ごろは、ぼくの家族もいろんな問題を抱えるようになってきた。そんな中、玉子がある「大会」に出るときめた日から、ぼくたち家族の中で、なにかがかわりはじめて…。
「BOOK」データベースより

ブックプロジェクトのテーマ

この作品は、リテラの「ブックプロジェクト」で制作されたものです。ブックプロジェクトのコンセプトは、「つながる読書」。本・人・体験と自分をつなげながら、作品づくりに取り組んできました。詳しくは「ブックプロジェクトが始まりました」をご覧ください。

小学4年生のM・Nさんは、発表会で「蝶」の美しい羽根の模様について調べました。今回のブックプロジェクトでは、蝶が幼虫から成虫に成長する姿から「主人公が美しく成長する物語」というテーマに決まりました。好きなことをとことん極めることで成長した玉子を、心から応援するMさんの気持ちが作文に込められています。

作品の紹介

「やさしいトシと卵博士の玉子」
小4 M・Nさん


私の大切にしている本を紹介します。 それは『玉子の卵焼き』という本です。この本は、面白かったり、感動したり、元気をくれる本です。

主人公は小学4年生の玉子です。
なぜ「玉子」かというと、代々受け継がれてきた養鶏所の娘だからです。 おばあちゃんは「玉絵」、ひいおばあちゃんは「玉代」という名前です。そして,「トシ」という双子のお兄さんがいます。二人は双子だけれど、似ていません。 なぜ、似ていないかというと、にらんせいそうせいじだからです。 

私には双子の妹はいないけれど、玉子のお兄ちゃんのトシの気持ちがわかります。 なぜなら、私にも妹みたいに大切に思っている子がいるからです。 その子は年長さんで、来年一年生になります。
「登校班じゃないとき、一人で学校にいけるかな?」
「友達とけんかしないで、仲良くできるかな?」
と心配しています。

トシも、玉子が友達とけんかしていないか、運動や勉強をちゃんとしているか、いつも心配しています。トシは恥ずかしがり屋なので、言葉にはあまりしないけれど、心の中でいつも玉子のことを励ましています。私も、言葉にはしないけれど、心の中で心配しているので、トシの気持ちがよくわかります。

でも、心配ばかりではありません。妹のような子が頑張っていると、私はうれしくなります。トシも、玉子が頑張っていたり、ほめられたりすると喜んでいるので、そこも私と同じです。 

玉子はアスカというお友達とけんかをしてばかりいて、先生からも注意されていました。先生も玉子のことを、ダメな子だと思っていました。でも、ある日、玉子は「うちのたまごはどーれ」というオムレツ屋さんの大会に、お父さんと一緒にでることにしました。お父さんは大人の部、玉子は子どもの部です。そしてなんと、大人の部、子どもの部あわせて、玉子だけが美味しい卵を当てることができたのです。 
なぜ、玉子だけ正解できたのか、不思議ですよね。それは、玉子は、卵が大好きだからです。玉子は、毎日、卵料理をたべてあきたともいわないし、おなかも痛くなりません。お父さんは、卵は好きなんだけれど、毎日食べると、胃薬が必要です。そして、毎日、卵を研究するうちに、親戚の宇都宮おじさんの卵は、スーパーの卵に比べて、黄身に粘りがあるというのを、見ぬくことができました。たった一人だけ優勝したので、家にはカメラマンが押しかけてきたり、親戚の養鶏場のカレンダーのモデルになったり、色々と活躍して、玉子は元気になりました。そして、けんかばかりしていたアスカとも仲良くなりました。先生も鼻が高いと、うれしそうでした。玉子は、みなから「卵博士」ともいわれるようになりました。

最後に、玉子がアスカとけんかしていた理由がわかります。それは、アスカがトシを好きで、それを知った玉子が、お兄ちゃんを取られたくなくて、意地悪をしてしまったのです。

私は、お兄ちゃんを取られたくないという気持ちは、妹らしくていいなと思いました。トシは優しいし、かっこいいから、みんなに好かれてしまうのは、しかたないのですけれど。私も、トシのように、すてきなお兄ちゃんが欲しいなと思いました。

私は、この本を読んで「好きなものを、とことんきわめた玉子はすごい」と思いました。学校の勉強以外にも、大切なことはたくさんあります。そのことを玉子は、教えてくれました。玉子にとっては卵です。小さなことでも、好きなことがある人は、玉子のように大切にしてください。

私の好きなものは、本です。小さいころから、たくさんの絵本を読んできました。だから、たくさんの絵本を知っていて、小さい子に、「これおもしろいよ」と、おすすめできます。これからも、たくさんの本を読んで、素敵な本をみんなに伝えたいです。

この本の最後のページには、「トロトロスクランブルエッグ」や、「茶わん蒸し」の作り方がのっていて、どれも本当においしそうです。
本を読めば絶対作ってみたくなりますよ。 

これで、私の発表を終わります。ありがとうございました。

この本について

キーワード:成長 料理 家族 兄妹 得意を生かす 食べる 

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

タグ: ,
カテゴリー: ブックレビュー, 生徒作品

リテラ言語技術教室について

menu_litera