それぞれの課題図書の紹介と考えるポイント、声がけのヒントなど、読書感想文に役立つ情報を、順次公開しています。
内容の紹介
お父さん、お母さんと一緒にキャンプに来ていたぼくは、夜明け前の空に輝く星々をながめながら、星や宇宙の不思議な話を聞きます。
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- 美しい星空を見たことはありますか? その時の事を思い出してみましょう。
- 絵本の表紙には、地球の上に立つぼくと『ぼくはうちゅうじん』というタイトルがかいてあります。なぜ、『ぼくはちきゅうじん』ではないのでしょうか?
読んだ後に
読み終わったら、次のことを考え、書いてみましょう。
考えるヒント
- 絵本には、自分の暮らす地球が宇宙の中の小さな星であることや、数ある星の中でもたくさんの命がくらす特別な星であることなどが描かれています。こうした事実を知ることは、大切ですか? また、なぜ大切なのでしょうか?
- 本を読んで初めて知ったこと、そして、絵本を読んだあと夜空を見て感じたことを素直な気持ちをご家族と一緒に話し合ってみましょう。
- 本を読んで、疑問に思ったことや、興味がわいたことはありますか? あれば、実際に調べてみましょう。
- 調べるには、他の本を読んでみる、実際に夜空を見てみる、プラネタリウムに行ってみる、科学博物館に行ってみる、人に聞いてみる、インターネットで調べてみる、などの方法があります。
- どのように調べたか、その中で感じたこと、わかったことなどを、書いてみましょう。
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
夜空に輝く星や月が、実は果てしなく遠く、そして大きなものだと知った時の驚き、つぎつぎに巻き上がる「なぜ?」「どうして」。つきることのない宇宙の魅力が描かれた、「理科読」の入門書ともいえる絵本です。ちきゅうも、ほしなの? うちゅうに、ほしはいくつあるの? ぼくの質問に答えてくれるのは、物知りなお父さん。小さい子にもわかりやすよう、やさいい優しい言葉で語りかけるように答えてくれます。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 宇宙と地球
- 地球に暮らす「私」
声がけのヒント
絵本を読んだ子どもたちには、もっと宇宙のことが知りたいという気持ちがわいてくるでしょう。宇宙と一口に言っても、子どもたちの興味関心は十人十色。宇宙飛行士について関心を持つ子もいれば、星座や神話を読んでみたいという子もいるでしょう。
「理科読」の醍醐味は、本を読んで、更に調べてみたいと思ったテーマを具体的に掘り下げていくところにあります。自由研究などと合わせて進めていくのもよいでしょう。また、ご家族や友だちと、プラネタリウムや科学博物館に行ってみることも、読書から出発した大切な「読書体験」となります。「宇宙のポータルサイト UNIVERSE:あなたの街の科学館・プラネタリウム・天文台検索」などで、近くの科学博物館やプラネタリウムを検索してみましょう。読書感想文に、実際の体験は必要不可欠です。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。