内容の紹介
アランは、こわーいワニのいちぞくでした。まいにち、うろこをみがいて、はをみがき、こわーいかおをつくって、もりのみんなを こわがらせます。しかし、アランのはには、だれにもしられたくないひみつがありました。
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
読む
1~2年生、また、本によっては3年生も、読み聞かせをしましょう。ゆっくり、一緒に楽しんでください。読みながら、また、読み終わった後、内容について話し合い、出てきたことばを付せんに書いていきましょう。
準備する
気持ち
本を読んで感じた気持ちをことばにするのは、なかなか難しいものです。読み終わったら、次の「気持ちについて考えよう」シートを印刷して、感じた気持ちに丸をつけてみましょう。対話のヒントになります。
体験
読書感想文では、本の内容と自分の体験を結びつけることが大切です。自分の体験が思いつかない場合は、このページの「考えるヒント」を参考にして、本のテーマについて誰かに聞いたり、調べたり、新しく何かをしてみたりするとよいでしょう。
考えるヒント
- アランは、こーわいワニの いちぞくでした。
- アランは「こわーいワニ」であるために、どんなことを がんばっていましたか。
- アランは、どうして もりのみんなをこわがらせることが すきなのだとおもいますか。
- ないているアランにいった カエルくんの「いいかんがえ」とは、どんなことでしたか。
- あなたは、もしともだちになるとしたら、「はじめのアラン」と「おわりのアラン」、どちらのアランと ともだちになりたいですか。
- あなたは、じぶんのことを どんな子だと かんがえていますか。
- あなたの すきなことや とくいなことは なんですか。
- じぶんのいいところや、なおしたいとおもっているところは ありますか。
- かぞくが、あなたを どんな子だとおもっているかを きいてみましょう。
- あなたのもつ「じぶんらしさ」を、人のやくにたつためや、人となかよくなるためにつかうには、どうすればよいと おもいますか。
- それをしたら、かぞくやともだちは、あなたのことを どうおもうと おもいますか。
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 自分らしさ
- 「みんな」と「じぶん」
- 人とのつながり
この本について
森のみんなをこわがらせることは、アランが一族から伝統的に受け継いできたアイデンティティ(自分らしさ)でした。アランは、その「自分らしさ」を守るための努力をおしみません。しかし、アランのおそろしさが、作り上げられた一面にすぎないことを、森のみんなに知られてしまい、アランのアイデンティティは失われます。それまでの「こわがらせる-こわがる」という関係を失ったアランは、大変なショックを受け、どうすればよいかわかりません。その時、森のみんなが提案してくれたことは、アランとみんなとの新しい関係でした。アランは、それまでのアイデンティティである「こわさ」をつくり上げるために身につけた手入れや歯磨きの上手さを発揮し、みんなと新しい関係を築き、新しい自分を手に入れます。
「自分」とは、多くの経験を通して、様々な「他者」との関係の中で見えてくるものです。低学年の子どもたちにとって、「自分らしさ」や「人との関係」について考えることは、まだ難しいかもしれません。そんなとき、ご家庭で対話を通して、子どもたちが自身や他人をとらえるための手助けをしてあげるとよいでしょう。そして、身の回りの人と、どのような関係を作っていきたいか、考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
合わせて読みたい
違いを認め合い、「自分らしさ」について考える絵本です。
くれよんのくろくん
しんぴんのくれよんたちが、がようしをみつけました。きいろのちょうちょう、あかいチューリップ、ピンクのコスモス、みどりのはっぱ。みんな、それぞれのいろをつかって、いろいろなものをたのしくかいています。ところが、くろくんは、なかまにいれてもらえません。さびしそうにしているくろくんに、シャープペンのおにいさんが、すてきなていあんをしました。
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むかし、ちいさな家に、わかい おひゃくしょうとおかみさんが すんでいました。ある夕方、くたびれてはたけからかえった だんなさんが、おかみさんに ふきげんにいいました。「おまえは、ずいぶんらくなくらしを しているもんだ。」すると、おかみさんは、「それなら、あすから しごとをとりかえよう。」と ようきにいいました。はなうたまじりのだんさん。でも、そううまくはいきません。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。
2017年 その他の課題図書
随時追加していきます。
2017年 夏期講習
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