【2017年読書感想文特集】『すばこ』キム・ファン 文 イ・スンウォン 絵(低学年向け課題図書)

すばこ




内容の紹介

すばこは、鳥の家です。いまから百年ほどまえ、ドイツのべルレプシュだんしゃくという ひとが、はじめて すばこを つくりました。鳥がだいすきな だんしゃくは 森にたくさんのすばこをかけました。ところがあるとき、森に たいへんなことが おこります。

読む前の下ごしらえ

考えてほしいこと

読む前に、次のことを考えてみましょう。

  • あなたは、鳥は好きですか。
    • かったことや、かってみたいと おもったことは ありますか。
  • あなたは、公園や、森や沼など、身の回りに野鳥を見かけますか。
    • 野鳥の名前をどのくらい知っていますか。
  • あなたは、すばこをみたことがありますか。
    • いつ、どこでみましたか。
    • どんなすばこでしたか。
    • 鳥は、すんでいましたか。

読む

1~2年生、また、本によっては3年生も、読み聞かせをしましょう。ゆっくり、一緒に楽しんでください。読みながら、また、読み終わった後、内容について話し合い、出てきたことばを付せんに書いていきましょう。

準備する

気持ち

本を読んで感じた気持ちをことばにするのは、なかなか難しいものです。読み終わったら、次の「気持ちについて考えよう」シートを印刷して、感じた気持ちに丸をつけてみましょう。対話のヒントになります。

体験

読書感想文では、本の内容と自分の体験を結びつけることが大切です。自分の体験が思いつかない場合は、このページの「考えるヒント」を参考にして、本のテーマについて誰かに聞いたり、調べたり、新しく何かをしてみたりするとよいでしょう。

考えるヒント

  • ハマキムシの大発生のため、ほとんどの森や林が かれてしまいました。
    • なぜ、ベルレプシュだんしゃくの森だけ葉っぱがのこっていたのですか。
  • すばこと ベルレプシュだんしゃくのはなしが広がり、世界の多くの国で、さまざまなそざいを つかった すばこが つくられるように なりました。
    • どうして、世界のひとびとは、すばこをつくろうと かんがえたのだとおもいますか。
  • あなたも すばこを つくってみませんか。
    • どんなそざいで、どんなかたちの すばこを つくりたいですか。絵をかいて かんがえてみましょう。
  • 鳥や動物が家としてつかってきた木のあなや どうくつが 人間のせいで どんどんなくなっています。このことについて、かぞくと はなしあって みて ください。
    • わたしたちにんげんは、なぜ/どのように どうぶつたちの すみかを うばっているのでしょう。
    • あなたは、どうぶつたちの すみかを まもるために どうすることが たいせつだと おもいますか。

合わせて知りたい

保護者の方へ

上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。

読書感想文を通して考えてほしいテーマ

  • 共生
  • 自然
  • 生命

この本について

鳥を愛するベルレプシュ男爵は、はじめて森に鳥の巣箱を設置し、巣箱の研究と野鳥の保護に努めました。その結果、ハマキムシによる森や果樹園の被害を防ぐことにつながりました。

野鳥は、古来より人々と関わりの深い動物でした。スズメやキジバト、カラスなど身近な留鳥、ツバメや、ツグミ、オオハクチョウなど季節を知らせる渡り鳥など、鳥たちとの関わりの中で、私たちは自然と共に生きる感性を育んできました。

この絵本を通して、身近な野鳥に目を向けてみましょう。野鳥とその他の生き物や、人間との関わりについて考えてみましょう。巣箱のあるところへ出かけてみたり、実際に巣箱を作ってみたりすると、本で知ったことと体験が結びつき、理解を深めることができます。


合わせて読みたい

鳥の巣の本

さまざまな鳥と、鳥の巣を作る場所、巣の形、材料、巣を作る様子などが、イラストとともにくわしく紹介されています。身近な鳥たちの、実に多様な巣作りを通して、知的好奇心を育むことができる一冊です。

たべることはつながること

いもむしが はっぱをたべています。すると、みそさざいが いもむしをみつけて たべました。そこに たかがやってきて みそさざいを つかまえてたべました。 食べることで、私たちはほかの生き物とつながっています。自然の中にある 生き物たちのつながりについて学びましょう。

構成について

構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。

「誰に、何を伝えたいか」

  • ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
    • 誰に……例)家族、友人、先生
    • 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
  • 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。

文章の構成

  • 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
  • 【はじめ】
    • この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
  • 【なか】
    • 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
    • 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
      • 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
      • 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
      • 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
      • 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
    • 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
  • 【おわり】
    • 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。
読書感想文の書き方・文例について、より詳しくは「テーマを考えてから書こう! ~読書感想文のコツ」をご覧ください。



2017年 その他の課題図書

随時追加していきます。

2017年 夏期講習

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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

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