『短距離走と筋肉』(新中2 R・N君)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

今回は、『短距離走と筋肉』(新中2 R・N君)を掲載致します。

中学で短距離走に打ち込むRくん。今回の研究では、短距離走と筋肉の関係について調べました。1秒の記録更新に、数え切れない日々のトレーニングがあるのだと、思いを新たにしたようです。

その他の発表動画は、「2022年 生徒作品発表」をご覧ください。

生徒作品

『タイヤの歴史と未来』(新小6 Y・K君)

僕は、陸上部に所属しています。種目は、短距離です。ところが、僕は、なかなか速く走ることができません。どうしたら速く走れるのか、知りたくなりました。そこで、僕は、速く走るために必要な筋肉について、調べることにしました。

筋肉は、体の約40%を占めている器官です。座る・立つ・走る・歩く・姿勢を保つなどは、筋肉がないとできません。筋繊維には、ミオシンとアクチンという繊維質でできた、フィラメントという収縮タンパク質が存在します。ミオシンは太いフィラメントで、アクチンが細いフィラメントでできています。ミオシンとアクチンが活動すると、筋繊維が収縮したり、弛緩したりして、私たちは体を動かすことができるのです。

哺乳類の筋繊維を大きく分類すると、遅筋と速筋の二つに分けられます。

遅筋繊維は、収縮速度が遅く、生み出す力が小さいと考えられています。しかし、その代わりにスタミナがあります。そのため、マラソン型の筋繊維と考えられています。

速筋繊維は、収縮速度が速く、生み出す力も大きい筋繊維です。しかし、スタミナが少ないという特徴があります。このため、スプリント型の筋繊維と考えられています。速く走るためには、速筋線維を鍛える必要があります。

筋肉と運動能力の関係について、見ていきましょう。

ジャマイカの短距離走者アサファ=パウエル選手は、スタート直後の爆発的な加速で知られる、100メートル走の元世界記録保持者です。加速の量は、地面をける力の強さと、力をかける時間の長さで決まります。地面をより強い力で、より長くけることができれば、大きく加速できることになります。

パウエル選手のスタートダッシュは、足で地面をけっている時間が、日本のトップ選手の約1.4倍ほどあったといいます。お尻の大臀筋や太ももの裏側で、骨盤と膝下をつなぐ筋肉の一郡であるハムストリングが強靭だからこそ可能なキックです。また、足を前に運ぶ大腰筋の断面積は、日本のトップ選手の約2倍もあったことが分かっています。

世界記録保持者のボルト選手は、60メートル地点を過ぎても加速を続け、世界一のトップスピードに到達しました。その速さは、秒速12メートル以上、時速44キロメートルを超える速さです。

これほどのトップスピードの鍵を握るのは、ふくらはぎの筋肉と、かかとの骨をつなぐ、アキレス腱です。実は、筋肉の働きだけでは、最高速度まで上がらないのです。

一流選手は、アキレスけんを大きく伸縮させて、筋肉の長さを一定に保ち、素早く、大きな力で、地面をけることができます。ボルト選手は、固くて長い、バネのようなアキレス腱を持っているのです。ボルト選手のような骨格やアキレス腱を得ることは、私達日本人には、難しいといえます。しかし、筋肉を鍛えることなら、可能です。

ぼくは、短距離を速く走るための筋肉を鍛えるトレーニングを考えました。まず、走っている時に、体の軸がぶれないように、腹筋をきたえるため、シットアップやプランクをします。


次に、しゅんぱつりょく(瞬発力)を左右するふくらはぎをきたえるため、かかと上げをします。また、腕を速くふることができるよう、腕立て伏せをします。

最後に、足のそっきんせんい(速筋線維)をきたえるため、スクワットをします。

僕は、この研究を通して、筋肉についての、いろいろな知識を学びました。これから、陸上のシーズンが始まります。トレーニングをがんばって、足を速くしていきたいです。

これで、発表を終わります。聞いていただいて、ありがとうございました。

参考文献— (書籍へのリンクはAmazonのアフィリエイトリンクです)

  • 木村直之(編)(2021). ニュートン別冊 筋肉の科学知識 体づくり編 ニュートンプレス
  • 木下直之(編)(2021). ニュートンムック ニュートンライト2.0 筋肉 正しい知識で効率よくきたえよう! ニュートンプレス
  • 木村直之(編)(2022). ニュートン別冊 筋肉の科学知識 改訂第3版 ニュートンプレス
この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: 生徒作品

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