リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。
今回は、『笑顔の薬 小さな薬剤師の力』(C・Rさん 新小6)を掲載致します。心臓に疾患を抱える友達とお母さんが、薬剤師さんのおかげで安心して暮らせるということを聞いて、自分も薬剤師になりたいという夢を持つようになったCさん。薬剤師の働きかたや薬について勉強し、実際に薬剤師さんにインタビューしてみることにしました。
作品について
本人の振り返り
- これはどのような作品ですか?
- 薬剤師さんの仕事や、社会的な役割について、薬局で働いている薬剤師さんにインタビューをしました。
- どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
- 自分の夢が薬剤師だからです。仕事について、詳しく知りたいと思いました。
- 作品づくりで楽しかったことは何ですか?
- インタビューの返信をもらえたことです。どんなお返事がくるのか想像するのが楽しかったです。
- 作品作りを通して学んだことは何ですか?
- 薬剤師さんは、副作用をこわがっている患者さんに、こわがらないように薬を飲んでもらえるよう、副作用が1000人に1人と説明したり、連絡を取れるようにしていることを知って驚きました。
- 次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
- アプリで描いた絵を保存せずに消してしまったので、次回は気をつけたいです。緊張していたので、次回は落ち着いて話したいです。
- 来年、研究したいことはありますか?
- 石鹸についてです。いいにおいがする石鹸が好きだからです。
- この作品を読んでくれた人に一言
- 不安なことは誰にでもあるともいます。笑顔でみんなを元気にしてあげてください。
生徒作品
『笑顔の薬 小さな薬剤師の力』(C・Rさん 新小6)
みなさんは、病気やけがをした時、お医者さんで診てもらったあと、薬局に行って薬をもらうと思います。薬局で薬をもらうとき、何気なくもらっていませんか? 飲んだり、塗ったりするときも、なんとなく使っていませんか? 実は、私も研究をする前は、そうでした。でも、今は、薬剤師さんや薬のことを学び、その大切さに気づきました。今日、皆さんに薬剤師さんの仕事や薬の大切さについて伝えたいと思います。
今回、埼玉県の調剤薬局で働いている薬剤師の園田さんにインタビューをしました。まず、園田さんが薬剤師になりたかった理由を紹介します。
「小学生の頃から人の身体や健康について興味がありました。働くなら医療系にしようと決めたのは高校生の頃です。医師、看護師、薬剤師など、たくさんの職業があるなかで、薬剤師は知識を応用できる仕事がかなり多いと分かったので、薬学部の道に進もうと思いました。」
園田さんが小学校の頃から人の体や健康について興味を持っていたと聞いて、すごいなと思いました。私は、これまで人の体や健康について興味をもつきっかけがありませんでした。でも、薬剤師について調べるようになって、体や健康のことも勉強するのも楽しそうだなと思いました。
次に、病気の人に安心してもらえる工夫について質問しました。園田さんはこう答えてくれました。
「意外に思われるかもしれませんが、患者さんの話をよく聞くことです。話してもらえるように、話しやすい雰囲気を作るようにしています。話すだけで不安が取りのぞかれて、スッキリする人も多くいます。」
私は園田さんの答えを聞いて、確かに、意外だなあと思いました。なぜなら、薬剤師さんが話をするほうが、安心してくれるかなと思っていたからです。でも、園田さんが教えてくれたように、話をよく聞くことで患者さんとの信頼関係が生まれ、話しやすくなるのではないかと思いました。
園田さんは、副作用についても教えてくれました。
「薬には多少なりとも副作用がつきまといます。薬の説明のときに、副作用のことばかり強調してしまうと、怖がってしまう人もいます。かといって副作用の説明をしないというわけにもいきません。副作用の話は1000人に1人の割合で起こります……というような感じで説明することが多いです。そして、薬を飲み始めてから、体調に気になることがあったら、すぐ連絡してもらうように声かけをします。」
私も今回、研究で副作用がなぜ起きるのか学んでいたので、気になっていました。患者さんに話す時には、副作用のことをわかりやすいよう、そして怖がられないで飲んでもらえるように、1000人に1人というように説明していると聞いて、小学生の私でも分かりやすいなと思いました。あと、普段から薬剤師さんとコミュニケーションを取っていたら、いざという時に連絡しやすいなと思いました。
実は、この研究をしたいと思ったのは、私の将来の夢が、薬剤師になることだからです。なぜ、薬剤師になりたいかというと、私のお母さんや友達が、心臓の病気を抱えているからです。私のお母さんは小学校1年生の時に、検診で引っかかってしまい、病気がわかりました。でも、私のお母さんは、「薬や薬剤師さんがいるから、安心できるんだ」と、言っていました。この事を聞いて、薬はあんなに小さな物なのに、安心をくれるのは、きっと薬剤師さんがいるからだなと思いました。
最後に園田さんは、私にこんなメッセージをくれました。
「薬剤師の卵として、ぜひお母さんやお友達の話を聞いてあげてください。話すだけで不安が解消することもあります。特にお母さんは治療薬も大事ですが、ちえさんが笑って元気に過ごす姿もいい薬だと思いますよ! 夢に向かって頑張ってくださいね!」
私は園田さんが言ってくれたように、小さな薬剤師として、お母さんに「笑顔」という薬をあげらているのだなと思い、嬉しくなりました。そして、いつでも笑顔でいたいなと思いました。
もし、私みたいに薬剤師になりたい思っている人がいたら、もうあなたも小さな薬剤師です。「笑顔の薬」でみんなを元気にしてあげてください。そして、みなさんも薬に助けてもらうときは、薬剤師さんとたくさんお話をしてください。
これで、発表を終わります。ありがとうございました。
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