【生徒作品】『飼いたい! コツメカワウソ』(R・Iくん 新小5)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

今回は、『飼いたい! コツメカワウソ』(R・Iくん 新小5)を掲載致します。
コツメカワウソが大好きで、いつか飼いたいという夢があるRくん。研究では、コツメカワウソの飼い方について調べるうち、野生動物としてのコツメカワウソの生態や、絶滅危惧種の保護について学び、動物との共存について、改めて考えることになりました。

その他の発表動画は、「2021年 生徒作品発表」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
自分がコツメコカワウソを飼いたいと思って研究した作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
コツメコカワウソが可愛くて飼いたかったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
コツメカワウソの写真を見たことです。
作品づくりや発表で難しかったことは何ですか?
観客を見て話すことです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
コツメカワウソが絶滅の危機にあることを知りました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
発表の時に、パソコンの画面を見ていたので、次は観客の方を見て話すようにしたいです。
来年、研究したいことはありますか?
来年になってからでないとわかりません。
この作品を読んでくれた人に一言
読んでくれた人、ありがとうございます。

生徒作品

『飼いたい! コツメカワウソ』(R・Iくん 新小5)

みなさんはカワウソという生き物を知っていますか。ぼくは、コツメカワウソを飼いたいです。小さくてかわいいし、友達に自慢できるからです。それから、散歩もできるからです。

ぼくは『カワウソ』という本を見つけて、みためがかわいかったので、借りてみました。

ぼくは、研究のテーマをコツメカワウソに決めて、調べ始めました。本を読んだときは「あっかわいいな、飼いたいな~」「そもそも飼えるのかな」「一頭10万円くらいかな」と思いました。

コツメカワウソは、東南アジアに生息している、イタチ科の野生動物です。「コツメカワウソ」という名前は足の爪が小さいからです。

体は細長く泳ぐのが得意で、水が入ってこないように耳や鼻の穴を閉じることができます。さらに、体長の3分の1をしめる長い尾は、泳ぐときのパワーの源です。水中ですばしっこく泳ぎ回ったり、バランスをとるのに役立ちます。ぼくは、水泳を習っているので、カワウソのような体はうらやましいと思いました。

コツメカワウソは、1年から1年半で大人になります。野生では半年に1回、3頭から6頭の赤ちゃんを生みます。コツメカワウソは、家族と暮らしているので愛情深く、もし飼うとしたら家族で飼えるぐらい広い環境を作らなければならないので大変です。

調べてみたら、野生のコツメカワウソは、住んでいる水辺が人間によって破壊されたり、ペットとして売るため密猟されたりして、数が減っていることがわかりました。そして、国際自然保護連合の絶滅の恐れのある野生動物の種類を表すレッドリストで、絶滅の危険性が増大している「危急種(VU)」に指定されています。

さらに、コツメカワウソは、絶滅の恐れのある野生動物を守るためのワシントン条約に2019年に登録されました。だから、東南アジアの国々から、ペットとして飼うために輸入することができなくなりました。

コツメカワウソについていろいろ調べて、レッドリストに登録されるぐらい、絶滅の危険があることがわかりました。野生のコツメカワウソを守るために、ワシントン条約に登録されたこともわかりました。でも、できるなら飼ってみたいと思い方法を調べてみることにしました。もう、輸入はできませんが、2019年より前に日本に来たコツメカワウソはそのまま飼うことができます。また、日本国内で生まれた赤ちゃんは、ゆずり受けることができます。そして、「環境省」にきちんと届けを出して、登録をすれば飼うことができます。

もし、飼うことができても、問題はたくさんあります。野生動物なので、犬や猫みたいに人間と暮らしやすいように、品種改良されていないから、飼うのが大変です。エサも、ドッグフードやキャットフードのように手軽にあげられる、「コツメカワウソフード」はありません。元気に暮らすためには、野生のコツメカワウソが暮らしている水辺の環境を作ってあげないといけません。

コツメカワウソは輸入ができず、珍しいので、値段も高いです。コツメカワウソの赤ちゃんは、なんと120万円です。大人のコツメカワウソも60万円から80万円します。こんなに値段が高いのに、ペットにほしいという人がいるので、野生のコツメカワウソが密猟されて、絶滅危惧種にまでなってしまったのです。欲しいという気持ちよりも、保護したいという気持ちのほうが、僕は大切だと思います。

ぼくは、今回の研究でコツメカワウソを飼うことは難しいことがわかりました。絶対に飼えないことはないけれど、コツメカワウソが暮らしやすい環境を作るのは本当に大変です。そして、飼ったら最後まで責任を持たなければなりません。それでも、ぼくは、飼いたいという気持ちがあります。ぼくが大人になって、もしも飼えるようになったら、カワウソの知識をたくさん得て、お金に余裕ができてきたら、育てたいです。コツメカワウソのオスとメスを飼って、家族を作れるようにしたいし、家族みんなが一緒に暮らせるようにしてあげたいです。本当に飼えたら、大切にしたいと思っています。でも、今は野生のコツメカワウソの保護を手伝いたいなと思います。

これでぼくの発表を終わります。ありがとうございました。

参考文献— (リンクはAmazonのアフィリエイトリンクです)

  • 佐藤淳一(2010). カワウソ 東京書籍
  • Wright, L., de Silva, P., Chan, B. & Reza Lubis, I. 2015. Aonyx cinereus. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T44166A21939068. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2015-2.RLTS.T44166A21939068.en. Downloaded on 14 July 2021.
  • 環境省. 環境省_譲渡し等の規制及び手続きについて. ワシントン条約と種の保存法 Retrieved from https://www.env.go.jp/nature/kisho/kisei/species/trade/index.html
この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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