読み聞かせから黙読へ――R君・小2の場合

『火よう日のごちそうはひきがえる』を読みふけるR君

『火よう日のごちそうはひきがえる』を読みふけるR君

この半年でたくさんの絵本を楽しんできた小学二年生のR君は、とうとう一冊の物語に挑戦しました。今回は、R君の読書の様子をご紹介します。

彼がはじめて読む、本格的な物語は『火よう日のごちそうはひきがえる』(ラッセル・エリクソン作、評論社)です。

R君は、お母さんが大好きな、元気の一杯の男の子です。はじめは絵本を一人で読むことは難しく、読書習慣をつくるところからのスタートでしたが、ご家庭での読み聞かせのご協力もあり、『天の火をぬすんだウサギ』、『へびのクリクター』、『おはなしおはなし』など毎週きちんと絵本を読んでくるようになりました。一度呼んだ絵本について、驚くほどよく内容を覚えていて、しっかりと楽しんでいるのがよく分かる生徒さんです。

そんなR君が、ステップアップするために講師が選んだいくつかの本から、「これが面白そう!」といって手にとったのが『火よう日のごちそうはひきがえる』でした。

講師が冒頭の数ページを読み聞かせ後、R君は、40分近く集中して読みふけりました。その後、書いたのが次の作文です。

R君・小2

ぼくは、『火よう日のごちそうはひきがえる』を読んでいます。

冬の夜、土の中の家で、ひきがえるのモートンとウォートンが話しあいをしていました。そして、ウォートンがトゥーリアおばさんのところにかぶと虫のさとうがしをとどけにいくことになりました。ところが、たちのわるいみみずくにつかまりました。

ぼくは、このあと、ウォートンがすきを見てにげるとおもいます。そして、みみずくにおいかけられるとおもいます。

しかし、ウォートンはとちゅうで会ったねずみのなかまをよんで、みみずくをこらしめるとおもいます。

物語の始まり方や、途中の出来事をよく理解しているのがわかります。先の展開を、途中で起きた出来事とからめながら予想しているのが良いですね。この本を呼んだことのない方は、ぜひ読んでみてください。

次の週、R君は誇らしげに「先生、これ超面白かったよ!」と報告してくれました。そして、うれしそうに続刊の『消えたモートンとんだ大そうさく』を借りていきました。R君のこれからの読書生活を見守るのが楽しみです。


この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 授業報告

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