今年も夏休みが近づいてまいりました。子どもたちも、休みが始まる日を指折り数えて待ちわびていることでしょう。
しかし、たくさんの夢がつまった計画と同じくらい、たくさんの宿題もこなさなければなりません。毎年、読書感想文に苦労するお子様も多いようです。教室でも、たくさんの本に触れ、読書感想文を楽しみなら仕上げる夏期講習を催しています。
そこで、今回は、「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書やその他推薦図書の中から、教室のおすすめ本を、「内容紹介・読んでもらいたい人・考えるポイント」の3つと共にご紹介します。
目次
小学校 低学年
『またおいで』
内容紹介
キツネの子は公園でウサギに出会いました。 なんとウサギの子の目にはなみだがいっぱい。いったいどうしたのでしょう。
ウサギの子の話を聞いたキツネの子は、あるできごとを思い出しました……。
読んでもらいたい人
心があたたくなる話を読みたい人におすすめです。
考えてみよう
- あなたにもウサギの子やキツネの子のような思い出はありますか。
- もしあなただったら、ウサギの子にどんな言葉をかけるだろう。
小学校 中学年
『ココロ屋』
内容紹介
「ぼくのココロをみんなに好かれるような別のココロにいれかえられたらいいのになぁ。」
友達となかよくしたいと思っているのに、すぐにおこってケンカをしてしまうひろきくん。そんなひろきくんの目の前に、心を好きなものにとりかえててくれるココロ屋さんがあらわれます。さっそく、ココロ屋さんの作った「やさしい心」と、大きらいな自分の心をとりかえて、クラスのみんなにやさしくするのですが、ひろきくんのやさしい心はぷるぷるガタガタふるえだしてしまいまいます。ココロ屋さん、心をとりかえて!!ひろきくんの欲しいココロは手にはいるのでしょうか?
読んでもらいたい人
時々、自分の心が嫌(いや)になったことがありませんか。小さいことでおこったり、ねたんだり、くよくよしたり・・・。こころってなんだろう? 将来、どんな心を持った大人になりたいか考えてみたい人にお勧めです。
考えてみよう
- この絵本を読んで、自分の心にはどんな「ココロ」がまざっているか、絵に描いてみてください。
- やさしい心はどんな形や色をしているかな? 怒りの心は? おしゃれな心は?
- そして、大人になるまでに、どんな心を育てたいか考えてみましょう。
『チョコレートと青い空』
内容紹介
小学五年生の周二の家に、農業研修のためにガーナから日本へやってきた青年・エリックさんが一か月間ホームステイすることになりました。慣れない外国の人との暮らしに初めは戸惑う周二たちですが、エリックさんの明るい性格と農業について真剣に学ぶ姿勢を見て、彼のことが大好きになっていきます。そして周二たちもまた、私たち日本人の「知らないこと」をたくさん知っているエリックさんから、様々なことを学んでいきます……。
読んでもらいたい人
- 外国のことを知りたい、外国の人たちと関わってみたいと考えている人
- 私たちが毎日口に入れる食べ物や、農業について興味がある人
考えてみよう
- エリックさんの話や農家のくらしから、初めて知ったこと、もっと知りたいと興味を持ったことはありますか。また、それについてどのようなことを考えましたか。
- チョコレートやココアの歴史、カカオが収穫されて私たちに届くまでの過程を調べてみましょう。
『ここがわたしのおうちです』
内容紹介
家族が大好き、友達が大好き、星を見ることが大好き、そして、詩を書くことが大好きなダイアナ。ところが、お父さんが仕事を失い、おじいさんの家に引っ越すことになりました。大好きなおじいさんと暮らすのはうれしいけれど、でも、大切な親友と離れ離れになるのは辛い。嬉しいことも、悲しいことも、辛いことも、勇気をもって詩にしていくダイアナにどんなハッピーなことがおとずれるでしょうか?
読んでもらいたい人
ダイアナのように引っ越しをしたり、大切な人とお別れをしたことはありますか。 悲しいことや辛いことがあって悩んでしまったことのある人におすすめです。
考えてみよう
書くことが苦手な人も、まずは自分の考えていること、感じたことを言葉にしてみましょう。短くてもかまいません。誰かに見せるが恥ずかしければ、未来の自分への手紙を書いてみましょう。
『かものきょうだい クリとゴマ』
内容紹介
ある大雨の日、小学生のゲン君が田んぼで流されそうになったカルガモの巣から、卵を拾って帰ってきます。生き物の世話が大好きなゲン君は、テキパキと準備をし、卵を守るために、お母さんと妹のふみさんと力を合わせて世話をすることにします。この本は、家族で協力してカルガモのヒナを世話したひと夏の記録です。
読んでもらいたい人
- 動物が好きな人。
- 生き物を飼うことやその生態に興味がある人。
考えてみよう
この本を読んであなたが新しく知ったことをリストアップしてみましょう。そして、その中でもっと知りたいと思ったことをピックアップしましょう。さらに、もっと知りたいと思ったことについて、図書館やインターネットを利用して調べてみましょう。あなたの世界がきっと広がるはずです。
『カメレオンのレオン』
内容紹介
桜若葉小学校でおこったへんてこなできごとはどんどんエスカレートして、町全体をまきこみます。どうやら、すべては学校の校庭にある大きなクスノキからはじまっているようですが、だれもそのことに気づきません。
読んでもらいたい人
- 岡田淳さんの本が好きな人。
- 不思議な話が好きな人。
考えてみよう
- あなたは、どのお話が好きでしたか? なぜ、犯人がそんないたずらをしようと思ったのか考えてみましょう。
- また、自分がいろいろなものに姿を変えられたら、どんないたずらをしてみたいですか。
小学校 高学年
『心の森』
内容紹介
小学校6年生の少年・響(ひびき)は、お父さんの転勤のため、アメリカの「ミドルスクール」に転校します。なじみのない場所でわからない言葉に囲まれ、とまどってばかりの響は、ある日、初めて足を踏み入れた森で不思議な少女に出会います。それから、彼の生活は一変します。彼女の名前は? 言葉を話さない理由は? 響少年が、一生懸命語る彼と少女の物語に、耳をかたむけてみませんか。
読んでもらいたい人
- 外国のことを知りたい、外国の人たちと関わってみたいと考えている人
- ファンタジーやSFよりも、身近な暮らしの様子が描かれる作品を読みたい人
考えてみよう
本を読み終えたあなたにも、響のような心の中の大切な景色がありますか。もしもあるなら、それはいつごろに生まれた、どんな景色ですか。 響少年にとって、この物語は遠い昔の出来事です。では、響少年はどんな人になっていると思いますか。想像してみましょう。
『走れ! マスワラ』
内容紹介
この物語は、2004年「ナイロビマラソン」で優勝したチェモキル・チラポンさんがモデルになっています。貧しい農家の彼女は、子どもの学費を払うためにマラソンに参加しました。この物語の母親も、心臓に障害のある娘の手術の費用を手に入れるためにマラソン大会に出場します。サバンナの大地をひた走る母と、そんな彼女を心配しながら、心臓病と戦うしっかり者の娘シサンダの、あたたかい感動の物語です。
読んでもらいたい人
大きな目標にチャレンジしたい人にお勧めです。
考えてみよう
心臓の病気が治ったシサンダはどんなことにチャレンジすると思いますか。そして、シサンダがどんな大人に成長するか想像してしてみましょう。
『わたしのひかり』
内容紹介
私たちの暮らしを支える電気。それは、もともとは様々に形を変えた太陽の光エネルギーなのです。太陽から地球へ送られたエネルギーをどのようにして人間が利用しているのか、今とこれからの電気との付き合い方を考えるための素晴らしい一冊です。ぜひ、絵本の最後の「この絵本について」という作者のメッセージまで読みましょう。
読んでもらいたい人
- 毎日使っている電気がどのようにしてできているのか、不思議に思ったことのある人。
- 科学に興味がある人や、説明文を読みたい人。
考えてみよう
この本を最後まできちんと読むと、いろいろな発電の仕組みやその問題点がわかります。そうしたことをふまえて、私たちがこれから上手に電気を作るためには、あるいは上手に電気を使うためには、どのような工夫をするとよいのでしょうか。
『ピアノはともだち:奇跡のピアニスト辻井伸行の秘密』
内容紹介
全盲で生まれた辻井伸行君は、0歳で有名ピアニストの音色を聞き分け、2歳で『ジングル・ベル』を伴奏する神童でした。その後も、小6でコンサートを成功させ、高2でショパン・コンクールに挑戦、と快進撃は続きます。そして20歳の時。ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで手にした優勝――。痛快なまでの天才ぶりと、ピアノで人とつながっていく姿を描き、奇跡の音色の秘密をときあかします。(本書裏表紙紹介文より)
読んでもらいたい人
- 現実を生きる人の努力や成功、人生について知りたいと思う人
- 夢や目標を持ちたいと考えている人、また夢や目標に近づきたいと考えている人
考えてみよう
- あなたは、辻井伸行君の生き方や、彼の家族、周りの大人たちの関係を知ってどんなことを考えましたか。
- 自分自身を振り返ったとき、辻井君の生き方に参考になるところはありますか。
- もしも辻井君と話せたら、どんなことを聞きたいですか。
『心のおくりびと 東日本大震災 復元納棺師 ~思い出が動き出す日~』
内容紹介
復元納棺師とは、事故や災害などで傷ついた遺体を、生前の姿と重ね合わせて復元をし、遺族と亡くなられた人との思い出をつなぎ、心の絆を取り戻すための仕事です。東日本大震災の被災地である岩手県で、遺体の復元をし、深い悲しみを負った遺族を支えた復元納棺師、笹原留似子さんの五ヶ月にわたる活動の記録です。
読んでもらいたい人
- 復元納棺師という職業に興味をもった人
- 新聞やテレビでは知ることのできない、震災の現場を知りたい人
考えてみよう
復元納棺師という仕事につて、まだまだ知らない人がたくさんいます。遺体の復元をする仕事と聞いて、怖いと思う人もいるかもしれません。あなたなら、どのようにして、復元納棺師の仕事を知ってもらえるようにしますか?
次回は、小学生のみなさんにリテラからのおすすめの図書をご紹介します。