
教室から小学生のみなさんに向けたおすすめ図書をご紹介します。 前回と同じく、「内容紹介・読んでもらいたい人・考えるポイント」の3つと共にご案内します。 いずれも選書のプロが選んだ良書です。ぜひ手に取ってみてください。
目次
小学校 低学年
『ジュマンジ』(C.V.オールズバーグ)
内容紹介
留守番にあきてしまったジュディとピーターの姉弟は、公園で「ジュマンジ ― ジャングル探検ゲーム」と書かれたゲームを見つけます。早速、家で始めてみると、当たったコマに書いてある通り、ライオンがおそってきたり、雨が降り出したりと、恐ろしいことばかりが起こります。果たして二人は、無事にゲームを終わらせることができるのでしょうか。
こんな人におすすめ
スリル満点、ドキドキハラハラするお話が好きな人。
考えてみよう
もし、自分で『ジュマンジ』をつくるとしたら、どんな困ったマスをつくりますか? そのゲームを、だれと遊びたいですか?
『ロバのシルベスターとまほうのこいし』(ウィリアム・スタイグ)
内容紹介
むぎ谷村のドングリ通りに、おとうさん、おかあさんと住むロバのシルベスターは、ある日、きみょうな小石を見つけます。それは、どんな願いでもかなえてくれる、まほうの小石でした。そう、どんな願いでも。ある日、シルベスターはその小石に大変なお願いをしてしまいます。
こんな人におすすめ
どうなるかわからない物語の楽しさを味わいたい人。
考えてみよう
シルベスターのように長い間一人ぼっちになってしまったことはありますか。その後、どうなりましたか。思い出してみましょう。
『むぎばたけ』(アリスン・アトリー)
内容紹介
あたたかく、かぐわしい夏のゆうべに、一匹のハリネズミが、歌を口ずさみながらむぎばたけに向かう道を歩いていきます。とちゅうで出会ったノウサギのジャックじいさんやカワネズミといっしょに、草のにおいをかいだり、虫のなき声を聞いたりしながら、月夜のおさんぽをたのしみます。
こんな人におすすめ
- 夜のおさんぽをしてみたい人
- しぜんやどうぶつが大好きな人
考えてみよう
- 窓を開け、目をつぶって、耳をすまして、外の音やにおいを感じてみましょう。
- 夜、大人とさんぽに出かけても楽しいですよ。発見したことを作文にしてみましょう。
小学校 中学年
『大どろぼうホッツェンプロッツ』(オトフリート・プロイスラー)
内容紹介
ある日、おばあさんの大切にしているコーヒーひきが、世間をさわがすおおどろぼう、ホッツェンプロッツにうばわれてしまいます。それを知った少年ゼッペルとガスパールは、知恵と勇気とユーモアをくしして、ホッツェンプロッツを追いかけます。世界中の子どもたちに親しまれているドイツの物語です。
こんな人におすすめ
- 絵本を卒業して、本格的に物語の世界を楽しみたい人
- 知恵をはたらかせて困難をくぐりぬけるお話を読みたい人
考えてみよう
- 好きな登場人物や、きらいな登場人物はいますか。その理由も考えてみましょう。
- もし、このお話に出てくる悪党につかまるとしたら、あなたなら、ホッツェンプロッツとツワッケルマン、どちらがいいですか。
『クワガタクワジ物語』(中島みち)
内容紹介
二年生の太郎くんは、生まれて初めて、3匹のクワガタムシをいっしょに捕まえます。クワガタたちに名前をつけ、大きなタルの中で大切に育てていくうちに、クワガタについてもっと知りたいと思うようになります。
こんな人におすすめ
クワガタの生態や育て方に興味のある人。
考えてみよう
動物や昆虫、植物などを、自分で育てた経験はありますか? その時のことを振り返り、生き物を育てる楽しさ、むずかしさを作文にしてみましょう。
『カラスの大研究』(国松俊英)
内容紹介
都会にいる鳥の中で、一番嫌われているのはカラスではないでしょうか。生ゴミをあさり、食いちらかす。ツバメやカモなどの巣をおそうこともある。子育てのときには、人間をおそうことさえあります。しかし、実は、日本でも外国でも、昔から神の使いとして、おそれ、敬われてきた歴史があるのです。
こんな人におすすめ
- 動物の生態や、動物と人間の関わりについて興味のある人
- カラスについて興味のある人
考えてみよう
あなたの周りにも、カラスのことをよく知らず、「こわい」「嫌い」と言っている人がいると思います。カラスにかわって、その人たちに本当のカラスの姿を伝えてください。
小学校 高学年
『素数ゼミの謎』(吉村仁)
内容紹介
アメリカに、13年あるいは17年に一度、何億匹も大量発生し、数週間だけ凄い声で鳴き交わして死んでいく、へんてこなセミがいます。どうしてそんなに長い間地中にいるの? 13年と17年なのはなぜ? 日本人の科学者が初めて解いた、奇妙な「素数ゼミ」の秘密。(「BOOK」データベースより)
読んでもらいたい人
科学や生物に興味のある人。
考えてみよう
この本を読んで、生き物の生態を調べるコツがわかったら、ぜひ、身近な生き物を観察してみましょう。まずは、どんなささいなことでも構いません。なぜ? どうして? と、疑問に思ったことを書き出して、自分の五感を使って観察してみましょう。
『くちぶえ番長』(重松清)
内容紹介
「わたし、この学校の番長になる!」
転校生の真琴の宣言にみんなびっくり。真琴はスポーツ万能で、一輪車を乗りこなし、頭をちょんまげのようにむすんでいて、そして、何よりも口笛を吹くのが上手な女子です。
こんな人におすすめ
- 弱いものいじめが許せない人
- リーダーとしてみんなをまとめていきたいと思う人
考えてみよう
- あなたは真琴のどんなところが好きでしたか? また、嫌な場面や、嫌いな登場人物はいましたか? なぜ、そう思ったのか考えてみましょう。そして、もし、自分だったらどうするか考えてみましょう。
- 学校で困った経験がある人は、真琴だったらどうしただろうかと考えてみましょう。
『二分間の冒険』(岡田淳)
内容紹介
学校で出会った不思議な黒猫「ダレカ」の魔法で、悟は、子どもと老人しかいない奇妙な世界に飛ばされてしまいます。そこで出会った少女とともに、竜を倒す冒険の旅がはじまります。
こんな人におすすめ
冒険の物語が好きな人。
考えてみよう
- あなたにも、時間があっという間に過ぎたように感じられたり、なかなか時間が経たないように感じられたりしたことがありますか。それはどんなときですか。
- どうして、同じ時間なのに長く感じたり、短く感じたりするのか考えてみましょう。