内容紹介
森のなかのふるぼけた白い家で、ねことりすとあひるは、協力して仲良くくらしていました。
かれらの家は、いつもかぼちゃスープのいいにおい。ねこがきりわけ、りすがかきまぜ、あひるがしおであじつけをするのが役目でした。ところが、あるできごとから、あひるとりすが大げんか。あひるは、家を出ていってしまいます。
ブックトークのヒント
読む前に問いかけてほしいこと
- 家の人や、友だちと一緒に料理をしたことはありますか。その時、どんな料理をつくりましたか。どんな仕事をしましたか。
- 友だちと物の取り合いをして、ケンカをしてしまったことはありますか。仲直りはできましたか。そのときのことを、思い出してみましょう。
読んだ後に問いかけてほしいこと
- 家にもどるまでに、あひるは、どんなことをして、どんなことを考えていたと思いますか。あひるの物語を考えてみましょう。
- バグパイプをふきたいといったあひる。このあと、三人は、どうなると思いますか。物語のつづきを考えてみましょう。
関連ワークショップ
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この本について
この本は、短い文で、リズムのよい物語運びが特徴ですので、ぜひ声に出して読みたい一冊です。ねことりすとあひるの音楽を伴奏に、歌うように読むとよりいっそう、物語の楽しさを味わうことができます。
友だちと物の取り合いをしてケンカになってしまうという、おさないころにだれも一度は経験する出来事をきっかけに、この物語は動いていきます。はじめは、おこっていたりすも、なかなか帰ってことないあひるのことが心配になり、ねこと一緒にさがしまわります。次第に悪い想像ばかりがふくらみ、ケンカを後悔する様子も、だれもが共感しやすく、内省の過程がシンプルに、親しみやすくえがかれています。あひるも思うことがあったのでしょう、再会したときはお互いの大切さに気が付き、すっかり仲直りするところに、心があたたまります。
ケンカしたり、仲直りしたりしながら、しなやかな友情を育んでいく動物たちに、子どもたちも自分と身近な人との関係を重ねあわせながら、振り返るきっかけになる一冊です。
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