それぞれの課題図書の紹介と考えるポイント、声がけのヒントなど、読書感想文に役立つ情報を、順次公開しています。
内容の紹介
(裏表紙より)
えんぴつで ぽちっとつけた てんのなかに、なんびゃくまん はいってしまうほどの ちいさないきものがいる。
あなたに かぜをひかせたり、ヨーグルトをつくったり。
やまが だんだん ひくくなるのも、わたしたちが くうきをすえるのも、じつは この いきものたちの おかげなんだ。
ちきゅうで いちばんちいさな いきものが どんなに おおきなしごとを しているか、さあ、このほんをひらいてみよう!
えんぴつで ぽちっとつけた てんのなかに、なんびゃくまん はいってしまうほどの ちいさないきものがいる。
あなたに かぜをひかせたり、ヨーグルトをつくったり。
やまが だんだん ひくくなるのも、わたしたちが くうきをすえるのも、じつは この いきものたちの おかげなんだ。
ちきゅうで いちばんちいさな いきものが どんなに おおきなしごとを しているか、さあ、このほんをひらいてみよう!
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- びせいぶつは、わたしたちの目には見えません。でも、びせいぶつのしたしごとは、見ることができます。たとえば、ヨーグルトは、乳酸菌(にゅうさんきん)の働きで作られます。原料となる牛乳とヨーグルトでは、どんなちがいがありますか。観察してみましょう。
- 参考サイト:「ヨーグルトの基礎知識」 – (明治ヨーグルトライブラリー)
ヨーグルトをつくる乳酸菌の一種(ラクトバシラス)
読んだ後に
読み終わったら、次のことを考え、書いてみましょう。
考えるヒント
- 長い間ほったらかしにしていた食べ物にカビが生えていたり、いやなにおいがして、やわらかくぐずぐずになっているのを見たことはありませんか。また、身体の中に、悪い菌(きん)やウイルスが入ったり、身体の中のびせいぶつのバランスがくずれたりすると、かぜを引いたり、おなかをこわしたりします。一方、ヨーグルトや納豆など、びせいぶつの働きによって、私たちがおいしく食べられる食品もあります。
そうした、人とびせいぶつの関わりについて、考えて、まとめてみましょう。
- もしも、びせいぶつがいなかったら、どんなこまったことが起こるのでしょう。びせいぶつは、自然の中で、どのような役割を果たしているのでしょう。
- びせいぶつは、目に見えません。しかし、あなたの身の回りで生きています。あなたと、びせいぶつの関わりについて考えてみましょう。お腹をこわしたこと、好きな食品など、自分の体験や身近なエピソードを交えて書いてみましょう。
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
目に見えない微生物の存在と、私たちの暮らしとの関わりを、子どもたちにもわかりやすいシンプルな言葉と、あたたかいイラストとともに紹介しています。
アリの触覚をクジラほどの大きさにして考えたり、スプーン一杯にふくまれる微生物の数をインドの国の人口にたとえたりといった、実感しにくい莫大な数値について、子どもたちの感覚にうったえる工夫が光っています。
もしこの本で読書感想文を書くならば、ぜひ、この本の内容だけでなく、親子での対話や、関連するニュース・本・動画などを参考に、微生物に関する世界を広げるとよいでしょう。
- 参考リンク
- 微生物に関連するニュース(googleニュース)
- 「びせいぶつってなに?」 – (日本微生物生態学会アウトリーチサイト)
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 科学:微生物の存在と、私たちの暮らしとの関わり
声がけのヒント
目に見えない微生物たちの存在と、その働きを子どもたちに実感してもらうためには、さまざまな事例を示すことが大切です。身近な例でいえば、私たちが普段口にする発酵食品は、すべて微生物の働きによるものです(ヨーグルト、納豆、しょうゆ、みそ、お酒など)。また、微生物のものを分解する働きを抑えるために、私たちは食品を冷蔵庫に入れたり、塩づけにしたり、スパイスをきかせたりしてきました。さらに、私たちは、たくさんの微生物と共生し、そのバランスを保つことで生命を維持しています。
こうした、私たちと微生物との関わりが実感できるよう、対話を通して子どもたちの体験や知識を引き出しましょう。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。