それぞれの課題図書の紹介と考えるポイント、声がけのヒントなど、読書感想文に役立つ情報を、順次公開しています。
内容の紹介
「しあさって」の意味を知らなかったくまの子が、お母さんに「あさっての次の日よ。あした あさって しあさって」とおしえてもらい、楽しみにまちます。なぜなら、お父さんがひさしぶりに帰ってくる日だからです。
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- あなたがまちどおしいと思う日は、どんな日ですか? なぜ、その日がまちどおしいのか、考えてみましょう。その日のために、どんなじゅんびをしたいか、そうぞうしてみましょう。
読んだ後に
読み終わったら、次のことを考え、書いてみましょう。
考えるヒント
- くまの子は、お父さんがかえってくる日をどんな気持ちでまっていましたか? もし、あなたが、くまの子の友だちだったら、待っているあいだ、いっしょにどんなことをしたいですか?
- くまの子は、お父さんに、のはらでつんだ花たばをプレゼントしました。あなたなら、どんなプレゼントをしたいですか? お父さんがよろこぶ心のこもったプレゼントを考えましょう。
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
時間のゆっくり流れる子どもたちにとって、楽しみな日までの時間は、どんなに長く感じることでしょう。本書には、久しぶりにお父さん帰ってくるのを喜んでいる小さなくまの子の、可愛らしいゆったりとした日常が描かれています。きつねの親子が仲よく家路につく姿を見た時の、すこし切ない気持ちや、お父さんのためにプレゼントを用意するわくわくする気持ちは、子どもたち誰もが経験したことがあるでしょう。絵本ではなく、読み物の形ですが、挿絵も多く、文字も大きいので、ひとり読みの練習にも適しています。
関連する本として、絵本「おかえりなさい おにいちゃん」があります。離れて暮らす家族の帰りを心待ちにしている女の子のお話しです。大好きなお兄さんをまつ、特別な一日が描かれています。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 家族との大切な時間
声がけのヒント
「あした あさって しあさって」と楽しいリズムがくり返し登場します。まずは、音読をしながら、くまの子といっしょにお父さんを待つ、ワクワクした気持ちを味わいましょう。感想文では、お子様に特別な日のサプライズを考えてもらい、その計画を作文にしてみましょう。実際に、サプライズをした経験でもよいでしょう。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。