内容の紹介
つばさを いつもあたたかく みまもってくれる ばあば。つばさは、ばあばのことが だいすきです。
でも、ばあばは、いろいろなことを 「わすれてしまう」びょうき になってしまいます。
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- いろいろなことを「わすれてしまう」びょうきのことを 「にんちしょう」といいます。
- あなたは、「にんちしょう」というびょうきを しっていますか。
- あなたは、やくそくを わすれてしまったり、まえにあった人のことを わすれてしまったことは ありますか。そのとき、どんなきもちに なりましたか。
- あなたは、かぞくのだれかに、じぶんのことを わすれられてしまったら、どんなきもちになると おもいますか。
合わせて知りたい
にんちしょう(認知症)について
にんちしょう(認知症)とは、のう(脳)のはたらきがわるくなる びょうきです。のうの はたらきが わるくなると、せいかつの中で、さまざまな こまったことが おきます。
次のリンクから、にんちしょう について、知りましょう(おとなのひとと いっしょに、よんでみましょう)。
読む
1~2年生、また、本によっては3年生も、読み聞かせをしましょう。ゆっくり、一緒に楽しんでください。読みながら、また、読み終わった後、内容について話し合い、出てきたことばを付せんに書いていきましょう。
準備する
気持ち
本を読んで感じた気持ちをことばにするのは、なかなか難しいものです。読み終わったら、次の「気持ちについて考えよう」シートを印刷して、感じた気持ちに丸をつけてみましょう。対話のヒントになります。
体験
読書感想文では、本の内容と自分の体験を結びつけることが大切です。自分の体験が思いつかない場合は、このページの「考えるヒント」を参考にして、本のテーマについて誰かに聞いたり、調べたり、新しく何かをしてみたりするとよいでしょう。
考えるヒント
ばあばのへやの とだなには 白い小さなかみきれが つまっていました。
- それには、どんなことが かいてありましたか。
- ばあばは、どうして いろいろなことを かいていたのでしょう。
- それをみた つばさは どんなことを かんがえたのでしょう。
- このばめんで、あなたは どんなことを かんがえましたか。
人はだれでも、だれかにまもられ、だれかをまもりながら、生きています。
- あなたが、かぞくや したしい人に せわをしてもらったり、やさしくしてもらったことを おもいだしてみましょう。
- あなたは、どんなことで くるしいおもいをしたり こまったりしていましたか。
- そのとき、だれに、どんなことをしてもらいましたか。
- あなたは、どうなりましたか。どんな気持ちになりましたか。
- かぞくや したしい人が びょうきや けがをして くるしいおもいを していたり、おちこんだり、かなしんだりしているときが ありますか。
- その人は、どんなことで、つらいおもいを していましたか。
- そんなときあなたは、どうしていましたか。
- これからは、どうしていきたいですか。
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- まもられる と まもる
- 家族
この本について
この本は、認知症を患うおばあさんに向き合う男の子の話です。
つばさにとって、おばあさんは、自分を守ってくれる大好きな存在でした。しかし、認知症の発症と進行によって、おばあさんは、それまでのような日常生活を送ることが難しくなっていきます。小学生低学年のつばさにとって、自分を守ってくれていた存在が、反対に守らなければならない存在になったことを受け入れるのは、難しいでしょう。
作者の楠 章子さんは、若年性認知症を発症したお母様の介護の経験から、「守るべき存在がいるのに、わたしやつばさのように、目をそらしているひと、どうしていいかわからなくなっているひとに、この絵本がとどきますように。」という思いを込めて、この絵本を作っています。
この本を読むこどもたちの多くは、普段は守られる立場にあることに無自覚でしょう。しかし、家族や親しい人が苦しい状況にあるときは、それを支えたいものです。この絵本を通して、子どもたちが、ときには進んでだれかを守る立場に立てるような「心の姿勢」を持つきっかけになることを願っています。
厚生労働省では、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対して、できる範囲で手助けする「認知症サポーター」を全国で養成し、認知症高齢者等にやさしい地域づくりに取り組んでいます。認知症サポーター養成講座は、大人だけでなく、小・中・高等学校の生徒も受講することができます。
合わせて読みたい
『あたしのいもうとちゃん』
ある日、ふさこのだいすきなおばあちゃんが かいだんからおちて にゅういんしてしまいます。びょういんから かえってきたおばあちゃんは、いつものおばあちゃんでは ありませんでした。いろいろなことを わすれてしまったのです。そして、ふさこのことを 「おねえちゃん」とよぶように なりました。(※絶版です。図書館をご利用ください。)
『ぶたばあちゃん』
ぶたばあちゃんと、まごむすめは、二人なかよく、きょうりょくし合ってくらしていました。けれど、あるあさ、ぶたばあちゃんは「なんだか、くたびれちまって」と、ベッドから出てきません。次の日、ベッドから出たぶたばあちゃんは、あることの「したく」をはじめます。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。
2017年 その他の課題図書
随時追加していきます。
2017年 夏期講習
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