【生徒作品】『トンネルをほるきかいは、どうなっているの?』(新小3 K・Iくん)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。

今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新小3 K・Iくん『トンネルをほるきかいは、どうなっているの?』を掲載致します。

トンネルを掘る機械やそのしくみについて、本を読み、地下鉄博物館に行って調べてきました。

その他の発表動画は、「2019年3月 生徒作品発表会 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

講師からのコメント

シールドマシン、かっこいいですね! いつも利用している地下鉄への興味から始まり、地下鉄博物館で、シールドディスクの迫力満点の大きさを体感しましたね。ブルネルさんのように、自然を観察して、先生と一緒に、いろいろなことを発見していきましょう。

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
トンネルを掘る機械を皆さんに知ってほしいという気持ちをこめて作った作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
トンネルのことを、たくさん知ってほしいからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
パソコンで書くのが、たのしかったです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
文を書くのが、むずかしかったです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
シールドマシンがフナクイムシをさんこうにしてつくられたこと、また、バイオミミクリーという学問があることです。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
もっとトンネルの様子を見てみたいです。
来年、研究したいことはありますか?
リニアや、鉄道館に展示されている車両について、研究してみたいです。
この作品を読んでくれた人に一言
どうも、ありがとうございました。来年も鉃道スペシャルです! 楽しみにしていてください!

生徒作品

新小3 K・Iくん『トンネルをほるきかいは、どうなっているの?』

みなさんは、東京メトロを使っていますか。ぼくは、千代田線を毎日使っています。僕は、いつも1号車の運転席が見える小さな窓からトンネルの様子を見ています。 その時、トンネルがどうやってつくられているのか知りたくなりました。そこで、今回は、トンネルのほりかたや、トンネルをほる機械のしくみをしょうかいします。

僕は「地下鉄のできるまで」と、「トンネルをほる」、「東京メトロ大都会をめぐる地下鉄」を読んで今回の研究を進めました。

トンネルの作り方は、おもに二つの方法があります。一つ目は、かいさく工法です。かいさく工法とは、計画した地下トンネルの真上にあたる地面にふたをして、その下を堀りあげていくことをきほんとしています。二つ目は、シールド工法です。シールド工法とは、シールドマシンと呼ばれる巨大なトンネル掘削機を使って、モグラのように、横あなをほりすすめていく工法です。

僕は2月17日、東西線の葛西駅にある地下鉄博物館に行ってきました。地下鉄博物館は、シールドディスクやシールドマシンのもけいがてんじされていました。シールドマシンの一番前には、硬い刃がたくさん付いた円盤があって、ゆっくりと回りながら、土や石をけずりとります。1日に、10mほることができます。展示されていたシールドディスクには、工事中についた土がまだついていました。さわるとかたくて、ざらざらしていました。また、シールドマシンによって、カッターディスクのかたち、大きさ、うごきかたが違うことがわかりました。

シールド掘削機は、ほリすすみながら、トンネルのかベを作っていくこともできます。トンネルの壁は、セグメントという鉄筋コンクリートのブロックで出来ています。セグメントを6から9こぐらいつなぎあわせると、丸い輪になります。トンネルの展示の前に立ってみて、トンネルがとても大きいことがわかりました。

さて、ここで問題です。シールドマシンのモデルになった生き物は、次のうちどれでしょう?
1 モグラ
2 フナクイムシ
3 ミミズ

せいかいは、2の「フナクイムシ」です。イギリス人の、ブルネルさんと言う人が、フナクイムシをモデルにして、シールドマシンを作りました。
フナクイムシといっても、じつは二マイ貝のなかまなのです。頭の先に、2まいのかいがついています。それをつかって、うみに沈んでいる木ざいにあなをあけて、すを作ります。そのとき、あなをほったトンネルの中のかべに、かたい膜をはって、木がくさらないようにします。フナクイムシをさんこうにして、ブルネルさんの作ったシールドマシンは、ロンドンのテムズ川をくぐるトンネル工事に使われ、今から百五十年くらい前に完せいしました。ブルネルさんが作ったシールドマシンは、一つ一つの箱に人が入り、そこでスコップで土を掘りすすんでいました。天井やかべにはレンガがしきつめてあります。このトンネルの断面は、四角い断面です。その後、トンネルの断面は、丈夫な円形に変わります。ブルネルさんがつくったトンネルはなんと、今もつかわれています。

フナクイムシをまねしてシールドマシンを造ったように、生きものをまねすることで、新しい技術を生み出す学もんを「バイオミミクリー」といいます。たとえば、オナモミの実です。ひょうめんにあるとげによって動物などにくっつくするオナモミの実を参考にしてマジックテープがたんじょうしました。また、500けい新幹線の先頭は、くうきていこうのすくないカワセミのくちばしを参考にしてます。

僕は、この研究をとおして、トンネルのひみつをたくさん知りました。本物のシールドディスクを実際に見た時、迫力満点の大きさにおどろきました。皆さんも、ぜひ、地下鉄博物館に、シールドディスクを見に行ってください。ご清聴ありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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