小2後半から小3後半の読書【読み書きラボ】

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前回の記事では、小1後半~2年生前半の読書についてお伝えしました。
今回は、小2後半~小3後半の読書についてです。

小2後半~小3後半

ひとり読みを始める時期ですが、まだまだ読書のガイドが必要です。
読む力は発展途上であり、その時々に適した本を見つけることがポイントになります。

本の世界に入り込もう(読み聞かせ)

ひとり読みをするためには、本の世界に入り込むことが大切です。
自然から受ける印象や感覚、自分のいる世界とは違う世界などがていねいに描かれた本を、ぜひ一緒に楽しんでください。
これらの本を楽しめたなら、本の世界に入り込めている証拠です。
また、これらは、読み聞かせとひとり読みをつなぐ本です。ゆっくりと読み聞かせをしてあげましょう。


ある夜、小さな動物たちが、連れ立ってむぎばたけを見に行きます。美しい自然の情景が広がります。


昔いたという、醜くおろそしくも、どこか憎めないトロールたちの世界を描きます。


美しい農場の自然と、はじめての学校――。少年ジェイから見える世界が描かれます。

展開を楽しもう

本の世界に入れたのなら、その展開を楽しみましょう。
この頃から、本格的なひとり読みが始まります。
ページをめくる時のドキドキが、「ひとりで本を読む」ことを支えてくれます。
ただ、まだまだ読みは不安定な時期です。
ぜひ同じ本を読み、感想などを話し合ってみましょう。


パンケーキが好物の名探偵ネートが、友人たちとの間におこる事件の謎を推理する、人気のシリーズです。一緒に推理してみましょう。


アリコの前に現れた一匹の竜。アリコは、大きくなった竜と一緒に空を飛びます。


パリの地下鉄に住むはつかねずみたちの食堂に、凶暴などぶねずみたちがやってきます。はつかねずみたちは、どぶねずみをやっつける作戦をたてます。


二百九十六歳、怪力のやまんばが主人公です。楽しく一気にシリーズを読み通しましょう。

気持ちの変化を味わおう

展開がしっかり追え、登場人物と一緒にドキドキハラハラできる。
そんな読書体験を積んでいくと、より深く、登場人物の心に同化していくことができるようになります。
特に、一時の感情ではなく、出来事全体を通して、気持ちや考え方が変わっていく物語がよいでしょう。
こうした読み方は、本を通して自分を見直し、つくりあげていくことに繋がります。


学校で飼っているうさぎが、隣の工事現場に逃げ込んでしまいます。飼育係の美佐子や主人公たちが、協力してうさぎをつかまえようとしますが……。


ひとりぼっちでいじめられっ子のハンノーは、ある日、ちいさなドラゴンと出会います。二人で楽しく日々を送るうち、ハンノーは自信を取り戻していきます。


みみずくにつかまったヒキガエルのウォートンは、みみずくの誕生日である火曜日に食べられてしまうことになります。それまで、二人は奇妙な共同生活を送ることになります。

シリーズに挑戦しよう

読書に慣れてきたら、ぜひシリーズものに挑戦してください。
一冊ごとに世界がひろがり、また、登場人物も変化していきます。


生まれたばかりのももちゃんが、子猫のプーと共に成長をしていきます。あたたかな日常を描いた物語。


ふしぎな猫・サンゴロウが探すうみねこ族の宝物。二巻から、海をわたる様々な冒険が繰り広げられます。


「こそあどの森」に住む個性的な住人たちの間に、不思議な出来事が起こります。人の思いや交流が、優しく描かれます。

あせらず読書習慣を

シリーズものが通しで読めたら、中学年向けのほとんどの児童書は読むことのできる読書レベルに達しているはずです。
ただ、読書の力はゆっくりついていきます。無理にたくさんの本を読もうとしたり、早く読もうとしたりしないよう、気を配りましょう。
「どんな本をどのくらい読めたか」よりも、読書を楽しむこと、そして、読書習慣をつけるための生活習慣づくり(「読書習慣をつけるために大切なこと」)を大切にしましょう。

また、今回ご紹介したもの以外にも、すぐれた本はたくさんあります。
図書館などを普段から利用し、たくさんの本と接していることが、中学年以降の多読の時期には必要不可欠です。

次回は、小4~小6の読書についてお伝えします。

「教育コラム」の記事

リテラの「考える」問題 ~具体と抽象~教育コラム

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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 教育コラム

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