2013年夏休み読書感想文 本の紹介と考えるポイント(中学生・高校生)

book_orange今年も読書感想文の季節がやってきました。「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書やその他推薦図書の中から、内容と考えるポイントをご紹介します。選書の参考にしていただければ幸いです。

今回は「中学生・高校生」編です。その他の学年は、次のページをご覧ください。

中学生

『チャーシューの月』


内容紹介

卒業間近の六年生・美香が暮らす児童養護施設「あけぼの園」に、六歳の明希がやってきます。つらいことも写真のように鮮明に覚えてしまう明希を、美香は気にかけるようになります。

親と共に生活できず、それでも静かに信じ続ける明希と、つらい現実の中で折り合いをつけようと日々を暮らしている施設の子どもたち。暗い過去と現在を背負いながら、それでも明るい未来へ向かおうとします。

考えてみよう

本を読んだ後に感じたことを、簡単なことばで済ませるのではなく、できるだけ自分のことばで表現してください。ことばにできないと思うことも、時間をかけて考え、少しでも表現してみましょう。

『フェリックスとゼルダ』


内容紹介

第二次世界大戦中、ドイツ占領下のポーランドを舞台にした物語。空想好きの男の子・フェリックスは、離ればなれになったお父さんとお母さんを探し出すために、孤児院を抜け出します。やがて、大好きな空想でも埋め合わせることの出来ない現実、人間の残酷さや運命と向き合うことになります。

想像力のはかなさと強さに翻弄されながら、それでも未来のために生きていく姿を、ユーモアを交えた語り口で描いた一冊です。

考えてみよう

物語の最後、フェリックスは、人々のために大切にしていたノートを破ります。また、両親に会うことよりも、列車から飛びおりることを選びます。なぜそのような変化があったのか、考えてみましょう。

『ぼくが宇宙人をさがす理由』


内容紹介

宇宙に知的生命体を探すプロジェクト「SETI」。
高い理想と現実のギャップ、不登校と引きこもり、受験の失敗などを経て、世界中を巻き込んだSETIプロジェクト「ドロシー」を実現するまでの筆者の軌跡が、親しみやすい文体で記されています。

考えてみよう

  • もし宇宙人がいたら、私たち人類を見てどんな生き物だと思うでしょうか? 理由と共に書いてみましょう。
  • あなたには将来の夢がありますか? そのために今できる具体的なことを考えてみましょう。

高校生

『歌え! 多摩川高校合唱部』


内容紹介

「元気だけが取り柄」の一年生男子の飯島と乙川は合唱部に入部します。そして、Nコン第70大会で高校OGが作詞した「あしたはどこから」を歌うことが決まり、優勝に向けて練習に励みます。ところが、混声合唱なのに男子が4人しか残らず、ベースのパートはみんなの足手まといになってしまいます。多摩川高校合唱部、本番の舞台で、心を一つに歌いきることができるのでしょうか。

考えてみよう

あなたは歌うこととは好きですですか? クラスメイトとの合唱経験などを思い出しながら、「仲間との絆」について考えてみてください。また、部活動に入っている人は、先輩から受け継いだこと、後輩に伝えたいこと、「伝統」というテーマでチャレンジしてみて下さい。

『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』


内容紹介

1800年代、開国前の江戸時代。
14歳の時に海で遭難し、異国の捕鯨船に救助された万次郎は、言葉も習慣も異なるアメリカで、いじめや差別にくじけることなく、強く生き抜きます。

アメリカに残された記録や資料をもとに、日本とアメリカの架け橋となった、ジョン万次郎の青春時代を鮮やかに描いた物語です。

考えてみよう

ジョン万次郎が、言葉も習慣も異なる地で、いじめや差別にくじけることなく強く生き抜いた秘訣とはどのようなものだったのでしょう?

異なる文化や習慣を持つ人々と共生していくことは、現代においてもますます重要になってきています。私たちは万次郎の生き方から、どのようなことが学べるでしょうか?

『宇宙へ「出張」してきます:古川聡のISS勤務167日』


内容紹介

2011年、国際宇宙ステーション(ISS)に167日滞在した宇宙飛行士・古川聡さん。無重力という環境に適応し「宇宙人」になる過程や、地球への帰還後に起こる体の様々な変化や感覚を、医師ならではの視点で記しています。地球帰還後に感じる頭の重みや、無重力での癖が抜けず、よく物を落としてしまうことなど、興味深いエピソードが満載。

また、ISSでの生活や、宇宙飛行士になるまでの経緯、これからの宇宙開発についても書かれており、宇宙に興味のある人ならぜひ読んでおきたい一冊です。

考えてみよう

  • 当たり前だと思っていることを、「なぜそうなっているのだろう」と考えてみることは、とても大切です。私たちが普段気に留めない人間の体の仕組みについて、改めて考え、疑問に感じたことを調べてみましょう。
  • あなたの夢は何ですか? そのために、今、どのようなことができますか? できるだけ具体的に書いてみましょう。

リテラは、読書や作文を含めた、ことばと考える力を育てる新しい学習教室です。詳しくは、次のページをご覧ください。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 読書感想文

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