今年も読書感想文の季節がやってきました。「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書やその他推薦図書の中から、内容と考えるポイントをご紹介します。選書の参考にしていただければ幸いです。
今回は、「小学校 3~4年」です。
小学校 中学年
『くりぃむパン』
内容紹介
九人の大家族と二人の下宿人が暮らす「ひいらぎ館」に、親戚の未果がやってきます。みんなにかわいがられる未果に、同い年の香里はイライラしてばかり。しかし、だんだんと、未果のかかえる不安やさびしさが、わかってきます。
不器用なふたりの女の子が、「生きるつらさ」と人の優しさを知る物語です。
考えてみよう
- 二人は、物語の中で何度も「つるかめ堂のくりぃむパン」を分け合います。二人にとって、「くりぃむパン」は特別なパンのようです。それはなぜなのか、考えてみましょう。
- 「ひいらぎ館」には九人の大家族が住んでいます。あなたのご家族はどのような仕事や生活をしているでしょう。全員にインタビューして、まとめてみましょう。
『ジャコのお菓子な学校』
内容紹介
食べることが大好きなジャコは、ある日、図書館でお菓子作りのページを見つけ、クッキー作りに挑戦します。レシピをみながお菓子を作るたびに、苦手だった算数や国語の勉強が得意になっていきます。そして、友だちとお菓子やさんを開くのですが、らんぼうな中学生がやってきて大変なことに。ジャコはお菓子作りをやめてしまうのでしょうか。
考えてみよう
あなたは、ジャコのようにお菓子作りをしたことはありますか? ある人は少しむずかいいレシピに挑戦してみて下さい。料理をしたことのない人は、ぜひ、料理の本を開いて作ってみて下さい。そして、家族や友だちに食べてもらって、感想を聞いてみましょう。ジャコのように、失敗を恐れず、何度もチャレンジしてみましょう。
『こおり』
内容紹介
夏が近づき、暑くなると、飲み物に氷を入れることが多くなりますね。水を冷やせば氷にかわるなんて、当たり前のこと。でも冷蔵庫の中で、氷がどんなふうに固まっていくのか、見たことありますか?
この本は、そうした水が氷になる仕組みや、氷の特別な性質が、実は地球全体の海流や生命の営みを作っていることを、温かみのある絵と共に、わかりやすく紹介しています。
身近なものから科学の目を開く、おすすめの一冊です。
考えてみよう
- みなさんもこの本に書いてある方法で「とうめいの氷」を作ってみましょう。実際に作ってみた体験を紹介してみましょう。
- 水が氷になる仕組みは、自然環境とどのように関わっていましたか? またそのことを知ってあなたはどんなことを考えましたか?
『ゾウの森とポテトチップス』
内容紹介
ボルネオ島は、熱帯雨林にさまざまな生きものたちがくらす大自然の宝庫です。テングザル・ツノサイチョウ・オラウータン、それにアジアゾウ……。ところが実際は、ゾウたちの食べるもの・住むところがどんどん減っているのだそうです。なぜでしょうか? その原因と、ポテトチップスにどんな関係があるのでしょうか。
まるで言葉が聞こえてくるような、さまざまな表情を見せる動物たちの写真と共に、私たちの生活と自然環境について考えることのできる一冊です。
考えてみよう
- ボルネオ島に暮らすゾウたちと、ポテトチップスにどんなつながりがありましたか? できるだけくわしく説明してみましょう。
- 17ページのキバナタンガン川を上空から見た写真を、あなたが見た時、どんなことを考えましたか?
- あとがきまで読みましょう。あなたがもし、この本を作った写真家の横塚さんに手紙を書くとしたら、どんなことを伝えたいですか。