
こんな子におすすめ!
- カエルやいきものが好きな子
- 写真絵本を楽しめる子
- 自然の不思議や生き物の生態に興味がある子
- 「ぼく」「わたし」と違う視点からの物語を楽しみたい子
- 生き物の気持ちを想像するのが好きな子
本の紹介
鮮やかな緑色の体に大きな目と赤い喉を持つアマガエル。そんなアマガエルたちの目線から描かれた世界は、私たち人間とはまったく違って見えるかもしれません。「ワレワレはアマガエル」は、自然写真家として知られる松橋利光氏による写真と文で構成された絵本です。アマガエルたちの小さな社会と冒険を通して、自然界の営みや命のつながりを感じることができる一冊です。
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本の解説
本作では、アマガエルたちの日常が、まるで彼らが「ワレワレは」と語りかけてくるかのように展開されます。季節の変化とともに移り変わる彼らの生活環境、食べ物を探す様子、外敵から身を守る方法、そして仲間とのコミュニケーションなど、アマガエルの知られざる生態が美しい写真と共に紹介されています。
特筆すべきは、松橋氏独自の撮影技術によって捉えられたアマガエルの表情の豊かさです。私たち人間からは想像もつかない彼らの「感情」や「思考」を想像させる瞬間の数々が収められており、読者は自然と彼らの世界に引き込まれていきます。
作者からのメッセージ
松橋利光さんは、この本を通じてアマガエルの魅力を伝えるだけでなく、子どもたちに実際に自然の中でアマガエルに会いに行ってほしいという願いを込めています。写真で見るだけでなく、実際に観察することで得られる感動や発見の大切さを伝えたいと考えています。
読書感想文のヒント
読む前に考えてみよう
本を読む前に、あなたがカエルについて知っていることをすべて書き出してみましょう。カエルの特徴、生活環境、食べ物、一生の流れなど、思いつくことをメモしておきます。そして読後に、新しく知ったことや驚いたことを比較してみるとよいでしょう。
また、もしあなたがカエルだったら、どんな世界が見えるだろうか、どんな気持ちで生きているだろうかと想像してみることも、読書をより深める手助けになります。
考えを深めるための質問
- この本では、アマガエルたちが「ワレワレは」と言っていますね。これはどんな感じがしますか?ふだんの本とどこが違いますか?
- 写真の中のアマガエルたちの顔や姿を見て、どんな気持ちなのかを想像してみましょう。どんなことを考えているでしょうか?
- アマガエルは自然の中でどんな仕事をしているのでしょうか?もしアマガエルがいなくなったら、何が困りますか?
- 私たち人間とアマガエルの暮らし方は、どんなところが違いますか?家はどこですか?何を食べますか?
- もしアマガエルとおしゃべりできたら、何を話してみたいですか?アマガエルに聞いてみたいことはありますか?
- 本で見るアマガエルと、本当に外で見るアマガエルは、どんなところが違うと思いますか?
- 松橋さんはどうして「アマガエルに会いに行ってください」と言っているのでしょうか?
考えてほしいテーマ
- 生態系のつながり
- 自然との共生
- 異なる視点からの世界観
- 小さな生命の尊さ
- 環境保全
理解を深めるために
カエルは両生類に分類される生き物で、卵から成体になるまでに「変態」と呼ばれる大きな体の変化を経験します。オタマジャクシから足が生え、尾が縮み、やがて陸上でも生活できる体になるという劇的な変化は、生物の進化の歴史とも関連しています。
また、カエルは環境の変化に敏感な生物として知られ、「環境指標種」とも呼ばれます。彼らの存在や数の変化は、その地域の生態系の健全さを示す重要なサインとなります。近年、世界中でカエルの減少が報告されており、環境問題との関連が指摘されています。
アマガエルに会いに行こう!
松橋利光さんは「写真で見るだけでなく、実際にアマガエルに会いに行ってほしい」という思いを込めてこの本を作りました。本を読んだ後は、ぜひ自然の中でアマガエル観察にチャレンジしてみましょう。
アマガエル観察のポイント
観察日記をつけると発見が増える
観察に適した時期:春から夏(4月〜8月)が最も活発に活動します
観察に適した場所:田んぼ、池のほとり、公園の水辺など
観察のコツ:
・雨上がりの夕方に観察すると見つけやすい
・草の葉や木の枝をよく見てみよう
・静かに近づいて、急な動きは避ける
・懐中電灯を持っていくと夜間も観察できる
観察する時の注意点:
必ず大人と一緒に行こう
むやみに捕まえず、そっと観察しよう
合わせて知りたい
- 両生類の生態と進化の歴史
- 日本に生息するカエルの種類と特徴
- アマガエルのコミュニケーション方法
- 水辺の生態系と環境保全
- 自然写真の撮影技術と観察方法
合わせて読みたい
『ずら~りカエル ならべてみると…』
松橋利光 著(アリス館)
様々な種類のカエルを比較して観察できる写真絵本。

『生きものつかまえたらどうする?』
松橋利光 写真 秋山幸也 著(偕成社)
生き物との付き合い方を考える実用的な写真絵本。

『キダマッチ先生!』シリーズ
今井恭子 作、岡本順 絵(BL出版)
黄色い水玉模様のカエルの名医キダマッチ先生が活躍する人気シリーズ。アマガエルとはまた違った魅力のカエルのお話です。

合わせて観たい
ニホンアマガエル編/東京の生き物たちの今 葛西臨海水族園公式チャンネル
自分の目で見て、耳で聞いて、感じたことを大切にしましょう。本で学んだことと実際の観察を結びつけることで、より深い理解と感動が得られるはずです。あなたが発見したアマガエルの姿や行動を、ぜひ読書感想文に書いてみてください。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。
2025年 読書感想文課題図書のページ
随時更新していきます。
読書感想文を書こう!
対話をベースに、世界で一つの読書感想文を書き上げましょう!
[…] 【2025年読書感想文特集】『ワレワレはアマガエル』松橋 利光 文・写真 (小学校低学年向け課題図書) […]