【ブックプロジェクト】「銭天堂」×「夢をかなえるために」(小6 R・T君)

本の紹介

駄菓子屋があった。路地の壁にはりつくような形の店で、まるで商店街から身をかくしているようだ。だが、店先には、色とりどりの菓子がならんでいるのが見える。真由美は首をかしげた。あんなところに、駄菓子屋さんなんてあったっけ?この道は、もう何百回と通っているけど、あんな店、見たことない…。その駄菓子屋は幸せと不幸のわかれ道。
「BOOK」データベースより

ブックプロジェクトのテーマ

この作品は、リテラの「ブックプロジェクト」で制作されたものです。ブックプロジェクトのコンセプトは、「つながる読書」。本・人・体験と自分をつなげながら、作品づくりに取り組んできました。詳しくは「ブックプロジェクトが始まりました」をご覧ください。

小学6年生のR・T君は、『銭天堂』シリーズを読んで、「後悔しない生き方」ついて考えました。昨年、リテラで取り組んだ「紙飛行機と飛行機」の研究の際に感じた思いを重ねながら、うまくいかないことがあったら、そのもののしくみや理由から考えることの大切さに気がつくことができました。

作品の紹介

「夢をかなえるために」
小6 R・T君

みなさんは、ふしぎな力や超能力で、願いをかなえたいと思ったことはありませんか。ぼくは、廣嶋玲子さんの『銭天堂』シリーズを読んで、失敗して落ち込んだり、後悔したりしないように生きていくにはどうしたらいいのかを考えました。

物語のあらすじを紹介します。ある商店街の路地裏に、特別な人しか入れない駄菓子屋があります。そこでは、どんな願いでもかなえられる、ふしぎなお菓子やおもちゃが売られています。しかし、そのお菓子やおもちゃには、ある決まりがあり、それを守れないと、おそろしいことが起きます。銭天堂に来たほとんどの人たちは、最初はふしぎな力をうまく使いこなしますが、もっと力を求めるあまり、不幸になってしまいます。

ぼくは、ただ何かをうまくやりたいと願うだけではいけないのだと感じました。去年の冬、ぼくは、インターネットで、とてもよく飛ぶ紙飛行機の動画を見つけました。作り方が紹介されていたので、ぼくも作って、友だちと公園で飛ばしました。風がなかったので、遠くまで飛ばせるのではないかと思いました。ぼくは思い切り投げました。しかし、あまり飛ばず、地面につっこんでしまいました。くやしくて、今度はうまく飛ばしたいと思いました。

本やインターネットで調べたところ、飛行機には、推力、揚力、重力、抵抗力の四つの力が働いていることがわかりました。また、その力がかたよりすぎるとうまく飛ばないことや、調整のしかたなどを学びました。再挑戦の日は、風が強く、少し不安でした。この日のために、調べたことを活かして、スカイキングという紙飛行機を作りました。上に向けて、思い切り投げました。スカイキングは、安定して飛ぶ飛行機なので、上に向けて投げたほうが、長く飛ぶからです。風にのったスカイキングは、前の記録をはるかにこえ、予想以上に飛びました。ぼくは、思わず笑って、ガッツポーズをしました。

ぼくは、この体験で、まねをするだけではなく、なぜ失敗したのか、どうしてこうなったのかを考え、練習することが大切だと知りました。しかし、すぐにはわからないこともあります。そんなときは、図書館に行って本を読んだり、インターネットを活用して調べたりすれば、さまざまなことがわかります。たくさんのことを学べば、できることが増えていきます。

しかし、理解をしないまま、まねをしたり、頼ったりするだけでは、やり方を間違えたときに自分で解決できず、取り返しがつかないことになります。ぼくは、やりたいことや、うまくいかないことがあったら、そのもののしくみや理由から考えていきたいです。そのために、いろいろなことを理解できるように、勉強を積み重ねていくことが大切です。そしていつか、自分の夢をかなえていきたいです。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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