【生徒作品】「双子の仕事」(小4 T・K君)

「自分はどんな仕事がしたいのか?」
憧れの職業や気になる職業がある人もいれば、悩んでいるという人もいるかと思います。
今回ご紹介する『双子の仕事』の作者、小学4年生のKくんは、本を読むことが好きで、文章を書く力を活かして作家なることが夢だそうです。物語では、性格の全く違う双子の兄弟が、好きなこと、得意なことについて考えて、自分に合った仕事を見つけるまでが描かれています。

作者あいさつ

はじめまして。ぼくは、4年生のT・Kです。皆さんは物語を書くのが好きですか? ぼくは、大好きです。また、本を読むのも大好きです。今回、ぼくは、ストーリーキューブを使って物語を作りました。ストーリーキューブとは、9つのイラストの描いてあるサイコロを振ってお話を作るアイテムです。

あらすじを紹介します。あるところに、双子の兄弟がいました。しかし、二人の性格は、全くちがっていて、兄は明るく、弟は心配症でした。二人は、自分にあった仕事を求めて、それぞれ外国に旅立ちました。はたして、二人は、自分にあった仕事に就くことができるのでしょうか? 是非、読んでみてください。

物語に用いたストーリーキューブの紹介


右から

  1. 性格の違う双子
  2. 飛行機で外国に行く
  3. 言葉がわからない
  4. 本を読んで勉強する
  5. 仕事を選ぶ
  6. 閉じこもる
  7. 俳優 ※俳優のセリフを表現する、かぎかっこのマークとして使用
  8. ひらめく
  9. 再会

生徒作品

※Webの表示に合わせて、改行をしています。

「双子の仕事」
小4 T・K君

あるところに、双子の兄弟がいました。しかし、二人の性格は全くちがっていて、兄は明るく、みんなの前で演技をしたり、話をするのが好きでした。弟は心配症で、一人で文章を書いたり、読書をするのが好きでした。

ある時、兄と弟は、親に、
「あなたたちも、もうそろそろ大人なんだから、自分で仕事をしなさい!」
と、言われてしまいました。

しかし、この国には、自分たちのしたい仕事がありませんでした。

そこで、二人は、飛行機に乗って、それぞれ他の国に行きました。兄が向かった国は「ソウリヤ」、弟の向かった国は「ユーゴ」です。

ところが、二人は、言葉が全くわからず、困ってしまいました。

そこで、それぞれの国の言葉で書かれた本を読み、勉強をしました。職にはまだついておらず、兄はレモネード工場、弟はソフトクリーム工場で、黙々と働きました。

そのうち彼らは、きちんと言葉が話せるようになりました。

ある日、彼らは、ぐうぜんそれぞれの国でほんやくされた『自分の職のさがし方』という本を見つけました。読んでみると、職をさがすには自分がどんなことが得意で、どんなことが好きかを考えて、それにちかい仕事を選ぶといいと、書いてありました。

彼らは、自分が好きなことなんて考えたことがありませんでした。そこで、しばらく考えました。

それから数ヶ月後、兄は俳優になりました。理由は、みんなの前で演技をするのが好きだからです。弟は、文章を書くのが好きなので、作家になりました。二人とも、いい仕事についたなと思いました。

数年後、弟は、新しく書いた本を、兄に送りました。題名は『西の探偵と東の探偵』です。それをもらった兄は、よろこびました。お礼に何かできることはないか、しばらく考えたところで、
「そうだ! この本をとくべつに映画にしてあげよう!!」
と、ひらめきました。

そして、映画は、大ヒットしました。弟は、ものすごく喜びました。

それから、少したった頃、兄の暮らす「ソウリヤ」に行きました。二人は兄がよく行く街角のレストランで、再会しました。

二人とも、無事だったことを、喜び合いました。兄は、本を送ってくれたことに、あらためてお礼を言いました。弟は、映画を作ってくれたことに、お礼を言いました。

二人は、素晴らしいコンビネーションが組めると思いました。そして、故郷に帰り一緒に暮らしながら、弟が小説を書き、兄が映画にするということになりました。二人とも、とても幸せでした。

おしまい

作者からのあいさつ

みなさん、いかがでしたか? この物語を読んで、みなさんも好きな仕事について考えてくれたらうれしいです。僕は、本を読んだり、物語を書くのが好きなので、作家になりたいです。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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