作文が苦手な子は決して少なくありません。この記事では、作文が苦手な子のタイプと原因、そして作文力を伸ばすための具体的な方法についてご紹介します。お子さんの個性や状況に合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
目次
作文が苦手な子のタイプと原因
作文が苦手な子には、いくつかのタイプが考えられます。
認知・発達に関わる要因
- 自分を理解する力の不足
- 自分と他の人との違いや、自分の考えを客観的に見る力が不足しており、自分の意見や気持ちをうまく表現できない。
- 集中力の維持やイメージのコントロールがうまくいかない
- 長時間集中することや、表現の元となるイメージをコントロールするのが難しく、作文を完成できない。
- 考える力の不足
- 論理的に考えることや、抽象的なアイデアを具体的に書くことが難しく、何をどう書いたらいいのかわからなくなる。
- 創造力の不足
- 自由に発想したり、まとめたりするのが苦手で、作文のアイデアが出てこない。
言語・コミュニケーションに関わる要因
- 言葉の使い方や表現力の不足
- 語彙力が不足していたり、文のつくりが乱れていたりする。また、表現が単調になってしまう。
- 読みとる力の不足
- 作文課題の意図や、題材となる文章の内容がとらえられず、テーマに沿った内容にならない。
心理的要因
学習環境に関わる要因
- 学習環境が整っていない
- 静かで集中できる環境が整っておらず、作文に集中できない。
- 課題が不適切
- 与えられた作文のテーマが難しすぎたり、興味がわくものでなかったりし、書く意欲がわかない。
- サポートと評価が得られない
- 作文に対するわかりやすいサポートや、適切なフィードバックがなく、作文技術や自信が育っていない。
その他の要因
- 身体的要因(視力や運動機能の問題)
- 視力や運動機能に問題があり、書くことや読むことが難しい。
- 発達的要因(読み書きが苦手)
- 読字や書字が苦手で、作文を書くことが難しい。
- 社会的要因(表現を取り巻く人間関係)
- 作文を読んだ親や教師、同級生や友人がどう思うかが気になって書けない。
- 文化的背景(文化や価値観)
- 文化的な背景や価値観が影響して、作文のスタイルやテーマの理解が難しい。
作文力をアップするための具体的な方法
作文を書く力を上げるためには、以下の対策が有効です。
認知・発達に関わる要因へのサポート
- 自分を理解する力の不足
- 日記や、テーマについて自分のエピソードを話す練習など、自分の気持ちや考えをことばで表現する練習をします。安心して自分を表現できるよう、信頼関係の構築が大切になります。
- 集中力の維持やイメージのコントロールがうまくいかない
- タイマーを使い、短い時間に区切りながら、作文に集中できるようサポートします。また、写真やイラストなど、視覚的な資料を用います。文章からイメージをつくる練習も効果的です。
- 考える力の不足
- 作文の構成をつくるため、一緒にアウトラインを作ります。付箋やマインドマップを使って、情報を整理する方法を学びます。論理の形式や文章構成を学ぶこと、また、説明文の要約練習も効果的です。
- 創造力の不足
- ブレインストーミングなど、発想の技法を学びます。発想にブレーキをかけないことが大切です。一人では難しい場合は、一緒にアイデアを出し、発想する楽しさを共有します。
言語・コミュニケーションに関わる要因へのサポート
- 言葉の使い方や表現力の不足
- 語彙やことばの使い方を身につけるには、読書が最適です。日常的に読書をする習慣づくりをします。また、基本的な「書き言葉」の使い方を練習します。特に、接続詞に慣れると、文の流れが作れるようになります。表現を多彩なものにするためには、イメージと描写の力を育てることが大切です。
- 読みとる力の不足
- テーマを捉えるには、読解力が必要です。読解力については、「読解力アップで受験を有利に進めるために(受験生のお子様を持つ保護者の方へ)」をご覧ください。
心理的要因へのサポート
- 評価や失敗への恐れ
- 自分を表現することには、少なからず不安がつきまといます。ポジティブなフィードバックをして、伝わる楽しさを共有します。正しく書けているかどうかよりも、まずは作品に共感していること・楽しんでいることを、声や表情で伝えてあげましょう。
- モチベーションが低い
- 興味を持てる題材を考えます。自分の趣味や好きなゲーム・マンガなどを紹介する文章を書くことから始めましょう。伝わる楽しさを知ることが第一歩です。
- 自信がない
- 自分を表現することには、少なからず不安がつきまといます。無理に自分を表現させようとするのではなく、自分の好きなことや趣味のことなど、楽しんで書ける自分以外の題材に取り組んでみましょう。
学習環境に関わる要因へのサポート
- 学習環境が整っていない
- 文章を書くには集中力が必要です。集中できない場合は、雑音や視覚的なノイズがないか、環境をチェックしてみましょう。また、時間を区切り、集中と休憩を切り替えることも大切です。
- 課題が不適切
- 子どものレベルや興味に合ったテーマを選びます。学校の課題など、テーマを自由に選ぶことができない場合は、サポートをしてあげましょう。また、そのテーマについて一緒に調べたり、関連する話題を提供したりして、興味を持てるようにします。
- サポートと評価が得られない
- 発想や整理・執筆や推敲など、各段階で細やかなフィードバックをします。表現には、技術的な側面と、精神的な側面があります。技術的な側面ばかりでなく、肯定的なフィードバックを通して、表現に対する意欲的な姿勢を育んでいきます。
その他の要因へのサポート
- 身体的要因(視力や運動機能の問題)
- デジタルデバイスを活用し、文字の大きさや入力の方法を工夫します。また、必要に応じて専門家に相談しましょう。
- 発達的要因(読み書きが苦手)
- 専門の教育サポートを活用します。また、デジタルデバイスを活用し、文字の大きさや入力の方法を工夫し、読み書きの負担をできるだけ減らします。
- 社会的要因(表現を取り巻く人間関係)
- 作文を書く際の環境づくりが重要です。一人で書かせようとするのではなく、一緒に取り組みながら、誰に、どういった不安を感じているのかを共有しましょう。周囲の人がどう感じるか、異なった意見を提示するとともに、作品や表現について本人の意思を尊重し、無理強いをしないようにします。
- 文化的背景(文化や価値観)
- 子どもの文化的な背景に配慮したテーマを選びます。テーマを選べない場合は、それについて一緒に調べ、理解を深める機会にしましょう。異なる価値観にふれた時には、不安や混乱も起こりがちですので、子どもの拠って立つ価値観を否定しないようにします。
まとめ
ことばは、考える力の基盤です。お子様の個性や状況に合わせて、少しずつ、楽しみながら取り組んでいきましょう。表現への自信は、自分自身への自信につながっていきます。
また、作文教室などの専門家に学習をサポートしてもらうことも考えられます。
ことばの力は、その子の学習の基盤となるだけでなく、心の成熟を促し、未来の可能性を大きく広げるきっかけとなります。リテラでは、まずはお子様との信頼関係を構築し、一人ひとりの成長を丁寧に見守ります。興味のあるかたは、ぜひ体験授業にご参加ください。
お子様の未来のために、今できることを一つ一つ積み重ねていきましょう。