- 作者名:ニューヨーク・サン・新聞(社説)
- おすすめ:小学校3~4年
- ジャンル:ノンフィクション(社会)
- キーワード:クリスマス 冬
内容紹介
サンタクロースって本当にいるんでしょうか? 今から100年ほど前、8歳の少女の質問が、ニューヨーク・サンという新聞社にとどきました。そこで、ある新聞記者が、ていねいな返事を紙面にのせます。
ブックトークのヒント
読む前に話し合いたいこと
- あなたは、サンタクロースは、いると思いますか? いないと思いますか? 友だちはなんといっていますか? 周りの大人は何と言っていますか? いると思う理由、あるいはいないと思う理由は、どんなものですか?
読んだ後に話し合いたいこと
- さて、この本では、どのように答えていましたか? 家の人といっしょに読んで、話し合ってみましょう。
この本について
「サンタクロースっているの?」
子どもたちの真摯な問いかけに、私たち大人は、どのように向き合ったらよいのでしょうか。
このニューヨーク・サンの社説を担当した筆者は、「サンタクロースは、確かにいます」という力強い返答とともに、愛や思いやりと同じように、サンタクロースは、私たちが確かに心の中に育んでいる一つの概念であるということを、子どもにわかるように、やさしく語ります。
サンタクロースが、人間と同じような存在ならば、だれか見た人がいるはずです。また、年を取れば、子どもたちにプレゼントを配れなくなってしまいます。成長するにしたがって、子どもたちの頭の中には、サンタクロースへの様々な疑問が浮かんできます。
筆者は、「この世にあるいちばんたしかなこと、それは子どもの目にも、おとなの目にも、みえないもの」であり、「目に見えない世界をおおいかくしているまく」のむこうに、「たとえようもなくうつくしく、かがやかしいもの」があると語ります。
愛や思いやりと同様、サンタクロースは、死ぬことはありません。それどころか、いつまでも私たちに夢と希望を与え続けてくれるのです。いいかえれば、私たちがサンタクロースを思うたびに、そうした胸の高鳴りを感じるのであれば、私たちの心の中にはサンタクロースが確かにいると言えるのです。
この手紙を出した少女の8歳という年齢は、抽象的な思考が芽生え始める時期でもあります。実際に「いる/いない」という枠を越え、サンタクロースと向き合うことは、概念をとらえるという面においても、一つの成長の過程であるといえます。
もちろん、「サンタクロースっているの?」という問いへの回答は、これだけではありません。お子様に問われたら、それぞれのご家庭で、ていねいに話し合っていただきたいものです。
今回紹介した本の他にも『クリスマス・クリスマス(たくさんのふしぎ傑作集)』(文・角野栄子)もおすすめです。クリスマスやサンタクロースのルーツ、外国のクリスマスの過ごし方など、クリスマスについてよく知ることができます。