【ワークショップ報告】雪のきらめくスノードームをつくろう!(2015年度)

リテラでは、体験を元に生きたことばを紡ぐためのワークショップを随時開催しています。
今回は、2015年11月に北千住と自由が丘で行われた『雪のきらめくスノードームをつくろう!』の様子をご紹介します。

学習のポイント

言語技術教育とは、文章上の技法だけではなく、筋道だった考え方、コミュニケーション、自分を捉える力、抽象化能力など、あらゆる知的活動の軸となる力を育てる教育です。言語技術は、受験はもちろんのこと、自分の人生を「生きる力」となります。

物語を思い描きながら作るスノードーム

サンタとそり
今回のスノードーム作りは、人形や、背景、中にいれる雪やキラキラしたラメなどの材料を自分で選び、自分だけの情景を描きます。
スノードームができたら、そのスノードームを観察して物語を作ります。

人形選び
物語の一つの場面を思い描きながら、人形を選びます。サンタクロースと女の子は、どんな話をしているのでしょうね。

スノードームを作っているところ
ビンの中に人形を接着したら、のりと水を入れ、スノーパウダーやラメパウダーを入れます。時々フタをして、ビンをふりながら、雪の舞い具合を確認して、パウダーの量やのりや水の割合を調整します。

夜の町のサンタ
八種類の背景の中から、好きなものを貼り付けます。四角いビンなので、二つの面につけて、場面の変化を楽しむことができます。

物語を書く

物語を書く
スノードームが完成したら、自分の作ったスノードームから想像を広げ、物語を書きます。まずは、スノードームをよく観察することが大切。人物の考えていることや気持ち、人物同士の関係や出来事を考えていきます。

生徒の作品

サンタと犬

「サンタさん、スノードームを作る」
小2・H君

ある日、サンタクロースが、子どものお手紙を読みました。
「サンタさんへ
 わたしは、スノードームがほしいです。なかには、サンタさんがいてほしいです。あと、子犬もつけてください。 さくら まゆみより」
と、かいてありました。
サンタさんはスノードームを作るのがとてもすきです。だから、スノードームをつくるのはとてもかんたんです。はじめに、サンタさんのパーツと、犬のパーツをえらびます。つぎに、どういうふうにおくのかをきめます。きめたら、せっちゃくざいを足にぬって、ピンでくっつけます。くっつけおわったら、せんたくのりと、せいせい水をつかいます。せいせい水をビンのはんぶんぐらいまでいれます。つぎに、せんたくのりをふたぐらいまでいれます。そして、すきなけっしょうをいれます。さいごに、シールをはったらできあがりです。
サンタさんは、つくりおわったスノードームを、ほかのプレゼントといっしょにふくろにいれました。ところが、そりからまいごの子犬がでてきました。サンタさんは、その子犬をそりにのせて、町へつれていきました。
そのころ、さくらさんの家では、子犬のチェリーが迷子になってしまったことをかぞくでかなしんできました。
さくらさんは、
「かなしんでも子犬はかえってこないよ。もうあきらめよう。」
といいました。
かぞくも、さくらさんの言うとおりだといいました。
それをきいていたサンタさんと子犬は、少しかんがえました。
この子犬を家ぞくにあわせてあげたい……。
子犬はこう思いました。
サンタさん。わたしを、家に送ってください。
サンタさんはこう言いました。
「わかった。きみを家ぞくにあわせてあげる。今すぐに。」
子犬は、
「ワンワンワン」
とほえました。
サンタさんは、プレゼントといっしょに、えんとつから家にはいりました。
ところが、さくらさんと、家ぞくはまだねていませんでした。サンタさんは、仔犬をさくらさんにわたしました。もちろん、スノードームのプレゼントもいっしょです。
そして、サンタさんは、こう言いました。
「わたしを、この家にすませてください。」
お母さんは、
「もちろん、よろこんで。こんなにやさしいサンタさんは、見たことも聞いたこともありません。」
サンタさんは、
「ありがとうございます。自分のいえがふるくて、すみごこちがわるかったのです。」
と、言いました。
お母さんは、
「それはお気のどくに。ひっこしていらしてくださいな。」
と、言いいました。
サンタさんは、
「でも、トナカイはどこにかくせばいいんですか?」
とききました。
お母さんは、
「そんなのかんたんよ。こどもべやが二つあるもの。そこにかくせばいいのよ。」とこたえました。
サンタさんは、プレゼントをくばりおわると、ひっこしをして、家そくといっしょになかよく元気にくらしました。

サンタと女神

「クリスマスの夜」
小2・Yさん

クリスマス・イブの夜に、一人の男せいが、家からこっそりぬけだして、林の中にある、クリスマスツリーの前に行きました。すると、サンタクロースと女神があらわれました。男せいは、きゅうにサンタクロースたちがあらわれたので、しりもちをつきそうになりました。サンタクロースが、
「あははは、あぶなかったのう。どうしたんじゃ?」
 と言いました。男せいはこう答えました。
「うちのむすめが、人形がほしくてほしくて、いうことをきかないのです。」
 女神はいいました。
「作り方を紙に書きます。デザインを言ってくださいませ。」
 男せいは、青い目をして、ぼうしをかぶった可愛い人形がいいと答えました。
「ほうら、かわいい人形のかた紙ができました。この後は、あなたのおくさまにたのんでちょうだい。」
 といって、女神はきえました。
「あれは、ゆめだったのかな?」
 と男性がいいました。家にかえったら、まず人形を作ってもらわなくてはいけません。一生けんめいおねがいしました。へんじは、OKでした。
「やった!」
 けれども、むすめは気に入ってくれるでしょうか。けっかは、気に入ってくれました。
「きのうの夜、サンタクロースと女神に会ったんだよ。」
 と、男せいがいったら、むすめは、
「会ってみたいな。どこで会ったの?」
 といいました。
「それはね、ないしょだよ。」
「えー、教えて!」
 男せいは、ふと気がつきました。
(前は、「ないしょ」っていったら、おこっていたのに、おこらなくなっている。これって、女神さまたちのおかげなのかな?)
 男せいは、そう思いました。

過去の動画ギャラリー

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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