『富士山が描かれている風景印』(K・Tくん 新小6)

リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

今回は、『富士山が描かれている風景印』(K・Tくん 新小6)を掲載致します。
鉄道旅行が大好きな小学5年生のKくん。今回も自分で旅行を計画し、紹介をする予定でしたが、コロナウイルスの蔓延のため、断念することにしました。そこで、旅行を楽しめない時だからこそ、旅をしている気分を味わえる研究をしたいと、富士山の風景印をテーマにしました。

その他の発表動画は、「2021年 生徒作品発表」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
風景印の魅力と集めることの楽しさを作品にしました。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
最初は鉄道のテーマにしたかったけれど、緊急事態宣言が発出されてダメになったから、2番目に好きな趣味の風景印をテーマにしました。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
『風景印百科2021 関東甲信越編、北陸東海近畿編』で、富士山が描かれている風景印を数えたことです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
富士山が見える都道府県がいろいろあることを知りました。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
さまざま々な事情でテーマが変わっても、心が折れないようにすることです。
来年、研究したいことはありますか?
鉄道関係です。
この作品を読んでくれた人に一言
ぜひ風景印を集めてみてください。

生徒作品

『富士山が描かれている風景印』(K・Tくん 新小6)

今年、僕の研究は難航を極めました。僕は、2020年の研究で「関東近郊区間一周の旅」を研究しました。ルートや時間を調べて、計画を立て、実際に旅に行けて、本当に楽しかったです。今回も「別ルートの旅」を予定していました。ところが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京から出ることができませんでした。そこで、東京からで出なくてもできる「京成線の旅」を企画しました。しかし、緊急事態宣言が発出され、さらに延長となり、電車の旅を断念するしかありませんでした。3か月の間に2回もテーマを変えなければならず、大変でしたが、僕は、鉄道と同じぐらい好きな趣味、風景印について研究することにしました。

風景印の正式名称は、「風景入通信日付印」という消印の一種です。2020年5月時点では、全国約11291局の郵便局に配備されています。こちらが、リテラから一番近い、足立中居郵便局の風景印です。国道4号線・日光街道、ニッコウキスゲ、千住祭・神輿が描かれています。

風景印を押してもらうには、次の二つの方法があります。一つは、記念押印としてもらう方法です。郵便物として実際に差し出して、ハガキは切手に押印するだけで返してもらいます。二つ目は引受消印としてもらう方法です。宛名を書き、宛名を書いた郵便物に風景印で消印して実際に郵送してもらいます。僕の場合は、記念押印を使っています。風景印を収集するためには、ハガキが自分の家に戻ってくる必要があるので、この方法を使っています。

今回は、いくつもある、様々な風景印のなかでも、富士山の描かれているものを研究しました。それは、富士山はみんなが知っていて、大切に思っているものだからです。

研究で使った本は、『風景印百科2021』の、関東甲信越編と、北陸東海近畿編です。

富士山が載っている風景印を数えました。すると、337局あるとわかりました。数えるにあたって、まず富士山が見える都道府県をピックアップしました。最北端が福島県で、最南端が和歌山県でした。ぼくも、ここまで広い範囲で見えるとは知らず、驚きました。しかし、こちらの県では、富士山の風景印は見つかりませんでした。

富士山の入った風景印が1番多かったのは、やっぱり静岡県で、212局でした。2番目は、神奈川県の45局です。3番目は、東京都の30局です。4番目が山梨県の28局です。5番目が、埼玉県の12局です。6番目が、千葉県の9局です。7番目が、長野県で1局です。

伊豆大島や、三宅島の風景印に富士山が描かれているのには、驚きました。調べてみたら、伊豆大島からも、三宅島からもきれいな富士山が見えました。

ここからは、僕が皆さんにおすすめしたい富士山風景印5つを紹介します。5位は、足立区の富士山風景印です。

全部で4局あります。実際にビルが立ったりして、富士山は見えないものもありますが、足立宮城の描かれた荒川河川じきからは、実際に富士山を見ることができます。

4位は、東南アジア青年の船船内の郵便局です。

この船が出港するときに、はがきがついていないともらえません。でも、東京スカイツリーにある、郵政博物館で買うことができます。

3位は富士山5合目です。

絵は、ポスト、農夫、馬、フジザクラ、そして富士山が絵かがれています。日本国内の風景印としては珍しく英語が書かれています。「5th Station Postal Ageney」と書かれています。これは、「五合目郵便局」という意味です。「ステーション」は普通は駅と訳されますが、今回は「5合目」の意味で使われています。ここは、住所が乗っているので、郵送で記念押印をもらうことができます。

2位は、富士山頂郵便局の風景印です。

これは、ここに行かなければもらえません。なぜなら、住所がないからです。だから、僕もまだ持っていません。いつか、この風景印をもらうために富士山に登りたいと思います。

1位は、裾野市役所前の風景印です。

こちらの風景印は、富士山と逆さ富士で、外枠が形どられている珍しいものになっています。そして、五竜の滝と、アシタカツツジが描かれています。

僕は、今回、風景印を調べて、富士山が描かれている風景印は、たくさんあることを知りました。風景印が押されているはがきをもらうと、僕は嬉しいです。その風景印をみると、その場所に行ってみたいなと思います。まだまだ、僕も持っていない風景印がたくさんあるので、少しずつ収集したいと思います。みなさんも興味をもったらぜひ、風景印を集めてみてください。そして、風景印の場所に旅に行ってみてください。

これで発表を終わります。聴いていただいて、ありがとうございました。

参考文献—

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

タグ: ,
カテゴリー: 生徒作品

リテラ言語技術教室について

menu_litera