【生徒作品】『スマートフォンとの付き合い方』(新高1 Y・Tくん)


リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。生徒たちは、発表会に向けた様々な準備を通して、実践的な発表の仕方を学んでいきます。

今回は、2019年3月に行われた「リテラ 生徒作品発表会」より、新高1 Y・Tくん『スマートフォンとの付き合い方』を掲載致します。

気がつくとスマートフォンにゲームアプリがたくさん入っていたというYくん。改めて、スマートフォンとどう付き合っていけばよいかを考えました。

その他の発表動画は、「2019年3月 生徒作品発表会 発表動画一覧」をご覧ください。

作品について

講師からのコメント

便利な道具と、それによって失われていくもの。私たちは、便利さだけでなく、リスクにも目を向けて、生き方を選択をしていく必要があります。人と社会について考え続ける中で、Yくん自身の生き方もまた、見えてくるはずです。これからも、ともに学んでいきましょう。

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
スマホは、犯罪や、依存などを引き起こす可能性のある危険なものです。そんなスマートフォンとの付き合い方について考えた作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
スマホ依存になりかけていて心配になったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
インターネットの統計調査などを見ているときです。スマートフォンの所有率や、インターネット犯罪の内訳など、いろいろなことが分かりました。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
統計調査をまとめることです。なぜなら、データがたくさんありすぎて、どれがどのデータかわからなくなってしまったからです。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
スマホには危険がたくさんあるため、親などとよく相談して扱うべきです。人とのコミュニケーションは大切です。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
次は時間を有効活用して、早めに終わらせたいと思います。そうすれば時間に余裕ができるため、どのデータかわからなくなることはなくなると思います。
来年、研究したいことはありますか?
コミュニケーションによって生まれるものについて、調べたいです。
この作品を読んでくれた人に一言
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

生徒作品

新高1 Y・Tくん 『スマートフォンとの付き合い方』

僕は、一年前に、スマートフォンを買いました。最初は、ゲームなんて入れないと思っていましたが、わずか三日で、ゲームアプリが、何個も入っていました。そして、だんだん、スマホを見る時間が多くなり、自分の事ながら、心配になりました。そこで、今回、僕は、スマートフォンについて詳しく知りたいと思い、研究を始めました。

研究は、スマートフォンに関する書籍や、インターネット上の統計調査などを使い、進めました。

まず、スマートフォンのリスクとして、犯罪について説明していきます。警視庁によると、TwitterなどのSNSを利用した犯罪の被害児童数は、2013年から増加し、2017年には過去最多の1813人が、被害を受けています。被害の内訳は、淫行や深夜の連れ回しなどの青少年保護育成条例違反が702人で最も多く、自画撮りを含む児童ポルノが570人、児童買春447人が続きます。強制性交など、重要犯罪も61人いました。法改正があったことから、出会い系サイトが減り、それに代わって、コミュニケーションサイトでの犯罪が増えてきたことが、近年の特徴です。コミュニケーションサイトとは、利用者での間の情報交換や交流を主な目的とした、Webサービスの総称です。出会い系サイトは、個人のアカウントがなくてもやり取りを見ることや、サイトごとに対処することができました。しかし、Twitterなどのコミュニケーションサイトは、外側から見えないので、事前に犯罪に気づくことが難しいのです。

スマートフォンとこれらの犯罪の関係について、述べていきます。まず、小中高生の、スマートフォンの利用率についてです。平成29年度までで、小学生は、29.4%まで、スマートフォンの利用率が増加しています。また、中学生は、58.1%まで増加しています。一方、ガラパゴス携帯など、スマートフォン以外の携帯電話の利用率は、減少しています。つまり、全体的に、ガラパゴス携帯からスマートフォンに移り変わっていることがわかります。犯罪に巻き込まれた被害児童のSNSへのアクセス手段では、9割弱が、スマートフォンを利用していました。今後、スマートフォンを利用する小中高生は、ますます増えると考えられます。現在、被害が多いのは、Twitter、ひま部、LINEなどのコミュニケーションサイトです。スマートフォンには、ガラパゴス携帯と違って、こうしたサービスのアプリがあり、ワンタップで、いつでもどこでも相手にアクセスでき、やりとりの内容を確認することもできません。そのため、犯罪が起きやすいのです。

さらに、スマートフォンは、犯罪だけでなく、インターネット依存を引き起こします。厚生労働省の研究班が調べた調査では、インターネット依存になっている中高生が、90万人を超えていることがわかりました。5年前と比べて、40万人も増加しています。インターネット依存とは、コントロールしながらインターネットを利用することができない状態のことを言います。研究によると、ネットの使いすぎから発生する問題として、「成績低下」や「居眠り」が報告されています。なお、この8個の項目は、調査で使われたインターネット依存を判断する項目であり、5つ以上で依存が疑われます。

インターネット依存とスマートフォンは、関係しています。この調査でも、中高生がインターネットをするために使った機器のうち、スマートフォンの割合が際立って高いことがわかっています。平成26年の総務省の調査でも、国際的に、スマートフォン保有者の方が依存傾向が高いことがわかっています。特に、我が国においては、SNSなどのコミュニケーションを嗜好するユーザーは、相対的に、依存が高くなりやすい傾向がうかがえます。先ほど述べたように、スマートフォンは、ワンタップでSNSにアクセスでき、簡単に利用できます。また、他の人からのメッセージや通知がたくさん来ることによって、スマートフォンを使用する時間が長くなってしまいます。さらに、パソコンなどと違い、持ち運びが楽なので、ほぼどこでも使用できます。こうしたことから、スマートフォンは、SNSへの依存と、その結果としてのインターネット依存に、大きな影響を及ぼしています。

ここまで見てきたように、依存や、犯罪の裏側には、スマートフォンとSNSが大きな影響を及ぼしています。では、どのように、このようなリスクと付き合っていけばいいのでしょうか。総務省が、休日の過ごし方とインターネット依存度の比較を行ったところ、「休日は自宅でインターネットを楽しむことが多い」層ほどネット依存の傾向が高くなりました。このことは、現実の幅広い人とコミュニケーションをとることなど、ネットやSNSだけに偏らない生活を行うことが大切であることを示唆しています。つまり、スマートフォンとSNSとの付き合い方を考える際には、リアルな人間関係、特に、生活の土台となる家族とのコミュニケーションを改善する必要があるのです。

まず、保護者自身が、スマートフォンやSNSに依存していないかを確かめることが、大切です。親がスマホに依存していると、子どもと話してあげる機会が少なくなり、子どもの愛されているという実感や、自己肯定感が育ちません。小児科医の内海裕美(うつみ・ひろみ)さんは、親子の間の愛着関係の構築を、スマートフォンは妨げてしまうと述べています。親子の愛着関係は、成長や、人間関係の土台となるものです。ですから、親はまず、自分のスマホの使い方を、コントロールする必要があります。

次に、親子で、スマホについてよく話し合うことが大切です。特に中高生の場合、保護者は、もっと子どもが使っているSNSなどについて知るべきです。実際のところ、インターネットは、生活に欠かすことができないものになっていますので、スマホやインターネット機器を取り上げることは、現実的ではありません。それよりも、インターネットとの付き合い方を考えていくことが必要です。しかし、保護者に知識がない場合、家庭での教育ができません。ですから、インターネットとの付き合い方を、親が知るとともに、その利用について、子どもと話し合うべきなのです。これは何より、不慣れなインターネットの世界の中に、一人でさまよい込ませないという意味があります。

現実の人間関係が充実することで、それを、ネットや仮想現実に求めることが、減っていきます。スマートフォンやインターネットは便利ですが、その便利さの中で現実の人間関係が薄くなっていくと、ネットから犯罪に巻き込まれることや、依存が生まれやすくなります。便利さの裏側にあるそうしたリスクをしっかりと知って、選択していくことが大事なのです。ぼくも、スマートフォンの使い方には十分に気をつけて、付き合っていきたいと思います。

これで発表を終わります。聞いてくださって、ありがとうございました。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 生徒作品

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