【ブックプロジェクト】「あきらめずに続けることの大切さ」×「有松の庄九郎」(小5 S・Y君)

有松の庄九郎

本の紹介

尾張の国・阿久比の庄。貧しい百姓家の若者たちは、新しい村への移住を決意する―。だが、丁寧に耕して開拓した土地は肝心の作物が育たなかった。藍の絞り染めの技術を獲得すれば、なんとか暮らしをたてることができるのではないか―生き残りをかけた庄九郎たちの試行錯誤の日々が始まる。

ブックプロジェクトのテーマ

この作品は、リテラの「ブックプロジェクト」で制作されたものです。ブックプロジェクトのコンセプトは、「つながる読書」。本・人・体験と自分をつなげながら、作品づくりに取り組んできました。詳しくは「ブックプロジェクトが始まりました」をご覧ください。

小学5年S・Y君のブックプロジェクトのテーマは「江戸時代の暮らし」です。タデアイの生葉染めに挑戦し、藍染の研究に取り組んだS君は、江戸時代に有松絞りを考案した庄九郎の物語を読み、「あきらめない心」について考え始めました。

作品の紹介

「あきらめずに続けることの大切さ」
小5 S・Y君

ぼくは、タデアイの生葉ぞめをしたことがあります。タデアイという植物を使って、着物の帯と布を水色にそめました。『有松の庄九郎』にも、あいぞめが出ていて、自分にぴったりだと思ったので、読むことにしました。

この本から、ぼくは、あきらめずに続けることの大切さを知りました。

江戸時代では、長男が家族のリーダーになります。次男は、長男の家で、手伝いをさせられて、養ってもらうのが、ふつうでした。そこで、次男の庄九郎は、新しい村となるところに、開拓の希望を持って移住しました。しかし、そこでは作物が育ちませんでした。お金をかせぐために、あいぞめをしましたが、二度目からそめられなくなったり、良いもようの種類がなかったりと、様々な困難がありました。しかし、庄九郎は、そのすべてにたいしょして、胸をはって村に帰りました。

ぼくもあいぞめをしたことがあります。生葉ぞめをしましたが、庄九郎たちのように、あいだてはしませんでした。葉をつぶして、しるを出しました。庄九郎たちは、布をつまんで糸でしばりましたが、ぼくは、ビー玉を入れてゴムでしばったり、布をまいてゴムでしばったりしました。ぼくは、庄九郎たちのそめ方で、そまり方が変わるのか見てみたいと思いました。糸でしばると、ちゃんと白くなるのか、あいだてをすると、どれほど濃くなるのか、など疑問が思いつきました。いつか、挑戦したいです。しかし、あいだては、温度管理が大変ですし、かなり時間がかかります。素材の混ぜ合わせ方が少しでも違うと失敗します。せん細な作業なのです。それに、道具が大きいし、知らない材料があるので、あいだては今のぼくには難しいのですが、いつかやってみます。

ぼくは、庄九郎のように、人生にかかわることでなくても、今でもずっとあきらめずに続けていることがあります。それは、水泳です。はじめは好きだから続けていましたが、続けているうちに、お母さんから「最後の級を目指してみたら」とすすめられ、ぼくは簡単に「うん、やる」といってしまいました。そこから、スイミング教室は変わりましたが、今は一級で個人メドレーをやっています。五級のバタフライくらいまで上がると、練習のあとは、疲れてうでが上がらないほどになります。個人メドレーの練習の後は、ずっとフラフラしています。ぼくが、水泳をあきらめずに続けているのは、自分が決めたことをやりとげずに終わると、くやしいし、はずかしいからです。庄九郎たちも、成果を出さずに村に帰ったら、思い切って出た村のみんなからはじと思われてしまうと思ったので、あきらめずに続けることができました。

ぼくは、庄九郎のように、あきらめない心を大切にがんばって、自分の目的を果たせる人になりたいです。これからも、いろいろな新しいことをはじめて、続けていきたいです。

この本について

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: ブックレビュー, 生徒作品

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