読書感想文 親子バトルを避けるための3つのヒント

この時期、読書感想文をめぐる親子のバトルが繰り広げられます。
子どもたちにとっては、自分の考えをことばにするのは大きなハードル。手伝ってあげたいけれど、どうすればいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

読書感想文は、単なる感想文じゃない!

そもそも読書感想文とは、単に本の内容をまとめるものではありません。もっとも大切なことは、本の内容と、自分自身の体験をつなげることです。
しかし、次のような理由から、子どもたちは読書感想文を、なかなか書きたがりません。

  • 自分の内面を話すのが恥ずかしい
  • 親にダメ出しされたくない
  • そもそも何をどう書けばいいのか分からない

親も焦ってしまい、つい「もっとこう書けば?」「ここがおかしいよ」など、子どもたちを追いつめてしまうこともしばしばです。
そこで、今回は、できるだけ親子がケンカすることなく、子どもたちが自分自身の体験を生き生きとかけるよう、3つのヒントをご提案します。

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読書感想文を楽しく書くための3つのヒント

1. 課題図書にとらわれすぎない

感想文の課題本は、子どもたち自身の体験とリンクするものが一番です。読書感想文コンクールの課題図書だからといって、自分とつながりが薄い題材の本を選んでしまうと、何を書けばよいのかわからなくなってしまいます。野球が好きな子は野球を題材とした物語、恐竜が好きな子は恐竜に関する本といったように、課題図書にこだわらず、子どもたちが興味のある本を選ぶと、書きたいことが出てきます。

図書館や本屋さんには、たくさんの本があります。ビビッときた本が、その夏の課題図書です。
本を手に取ったときの気持ちを覚えておきましょう。その体験は、作文の書き出しにぴったりです。

2. 本に関連したことを自分もやってみる

生き生きとした読書感想文にするには、自分の体験を織り交ぜることが大切です。しかし、思い浮かぶ体験がなかったり、忘れてしまったり、そもそも何を書いたらいいのかわからなかったりと、子どもたちには難しいことがあります。そこで、発想を換え、「本を元に体験をする」ことにチャレンジしてみましょう。

本に出てくる場所に行ってみたり、主人公が食べた料理を作ってみたり、本に関連したことを体験してみましょう。ありふれたことであっても、登場人物になったつもりでやってみると、新しい発見があるかもしれません。その際、感じたことや考えたことを、ぜひメモしてください。もし同時にメモをするのが難しいようなら、出てきたことばを代わりに書き留めてあげてください。また、写真や動画に残すと、後から思い出して書きやすくなります。

物語の舞台や扱われている題材について、よりくわしく調べてみるのもよい手です。インターネットで動画を見てみる・博物館に行って実物を見てみる・図書館に行って他の本で調べてみるなど、課題図書から他のメディアへ視野を広げていきます。ここでも、体験が大切。調べてわかったことだけでなく、調べながら感じたこと・考えたこと、どのように調べたかなど、ぜひメモをしながら進めてください。

3. 親子で一緒に読書を楽しむ

子どもたちと一緒に本を読み、感想を言い合ったり、質問し合ったりする時間を持つと、子どもたちは自分の考えをことばにしやすくなります。もしも自分だったら、と考えてみると発想が広がります。ぜひ、同じ本を読み、「もし◯◯だったらどうする?」と話し合ってみましょう。そこでの対話が、そのまま読書感想文の内容になります。ぜひ理由や具体的なエピソードも含めて話し合ってみてください。

大切なのは、子どもたちが自由に表現できる雰囲気作りです。一方的に話したり質問したりするのではなく、あくまで同じ本を楽しんだ個人同士として、子どもの話すことに耳を傾け、ことばが出てくるまで待ってあげてください。

読書感想文は、子どもたちが成長するチャンス!

作文指導をはじめとする授業において、私たち大人が子どもたちと「向き合ってしまう」と、子どもは大人が期待するものを読もうとし、ストレスを感じます。そうした状態では、十分にイメージの世界を広げることはできません。
ぜひ同じ本を読み、同じ体験をし、子どもたちと「同じ」方向を見てあげてください。寄り添ってあげることで、子どもたちは安心して自分の思いをことばにすることができます。

読書感想文を書くことは、子どもたちが自分の考えを整理し、ことばで表現する力を養うよい機会です。
親子で協力して、読書感想文を楽しい体験に変えていきましょう!

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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カテゴリー: 教育コラム

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