内容の紹介
アンナちゃんの服からはずれたボタンちゃんは、転がっていった先で、アンナちゃんが昔使っていたガラガラやよだれかけと出会います。みんな、アンナちゃんの成長を見守っていたものばかり。でも、最近は、アンナちゃんに忘れられてしまったと泣いています。
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- 小さいころ、好きだったものはありますか? それは今、どこにありますか?
読む
1~2年生、また、本によっては3年生も、読み聞かせをしましょう。ゆっくり、一緒に楽しんでください。読みながら、また、読み終わった後、内容について話し合い、出てきたことばを付せんに書いていきましょう。
準備する
気持ち
本を読んで感じた気持ちをことばにするのは、なかなか難しいものです。読み終わったら、次の「気持ちについて考えよう」シートを印刷して、感じた気持ちに丸をつけてみましょう。対話のヒントになります。
体験
読書感想文では、本の内容と自分の体験を結びつけることが大切です。自分の体験が思いつかない場合は、このページの「考えるヒント」を参考にして、本のテーマについて誰かに聞いたり、調べたり、新しく何かをしてみたりするとよいでしょう。
考えるヒント
- あなたの思い出の品や、今大切だと感じているものを思い浮かべましょう。できれば、持ってきてください。
- そのものの、色・形・手ざわりなどを書きましょう。
- いつ、どこで、そのものと出会いましたか?
- あなたにとって、それはどのようなものですか?
- そのものがしゃべれたら、あなたにどんなことを言うと思いますか?
- そのものに、「ありがとう」の気持ちをこめて、手紙を書いてみましょう。
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 成長
- 優しさ
- ものを大切にする心
- 愛情
この本について
みなさんにも、子供の頃に大好きだったおもちゃやぬいぐるみ、服などがあるのではないでしょうか。人は、家族や周りの人々の愛情を受けて成長します。人だけではなく、ものだって、私たちの味方であり、友達でした。
けれど、大きくなるにつれ、必要なくなるものもあります。それは寂しいけれど、成長の証。使われなくなっても、思い出されなくなっても、私たちの一部として息づいているはずです。
読書感想文では、思い出の品や、自分にとって大切だと感じるものを探してみましょう。そのものについて、お子様と話し合ってみてください。できれば、実際のものを持ってくるとよいでしょう。口から自然と出てくることばを書きとめておくと、作文を書く際のヒントになります。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。