小学1年生から中高生まで20分で400字の作文を書き上げる授業 ミッション カボチャランタン作り編

こんにちは、リテラの黒木里美です。

今年もハロウィンの時期がやってきました。毎年リテラでは、カボチャランタン作りをしています。

もちろん、カボチャランタンを作った体験を作文にまとめます。

実は、このカボチャランタン作りには、リテラに通っている小学1年生から高校生まで参加します。
しかも、作業時間はもちろん、作文を書く時間も、使用する作文用紙も全員同じです。

それでは、授業の内容とタイムスケジュールをご紹介します。

  1. ハロウィンやカボチャをテーマにした物語絵本や科学絵本の読み聞かせ(10分)
  2. カボチャランタンづくり(50分)
  3. 体験作文を書く(20分)+ 講師からのアドバイス(10分)

ハロウィンにまつわる絵本の読み聞かせ


まずは、ハロウィンやカボチャランタンの由来、作り方について絵本で学びます

カボチャランタンづくり

色や形、大きさ、手触りなど、よく吟味して、お気に入りの一つを選びます。

クラフト用ののこぎりを使って、ランタンのふたをくりぬきます。

ランタンのデザインが決まったら、ドリルで穴をあけていきます。

カボチャランタンの完成です!

体験作文を書く

完成したら、いよいよ作文の時間です。

小学1年生から高校生まで、リテラオリジナルの、気持ちの言葉リストが掲載された作文用紙を使います。字の大きさによりますが、1番下の段まで書くと300字から500字程度、原稿用紙1枚分の作文になります。

内容は生徒たちにお任せなのですが、気持ちを中心に書くよう日々の授業でアドバイスしていますので、通室歴が半年以上の生徒さんであれば、ぐんぐんと自分の力で書き進めることができます。

最後の段まで書ききることが目標です。


途中で手が止まった時には、講師と一緒に文章を見直して、アイデアを出していきます。
自由にどんどん書き進めていく姿勢を褒めることが、子どもたちの自信につながり、書きたい気持ちを引き出していきます。

生徒さんの作文紹介

「カボくん」

小1 N・Iくん

ぼくは、きょうリテラで、ハロウィンのかぼちゃランタンをつくりました。

名前は、カボんです。カボくんは、ハロウィンの日は、ろうそくを入れます。カボくんは目がつり上がっていて、口も大きくて、つよそうです。

もとのおもさは、463グラムでした。たねをとってかおをつくって、ふたをつけたら354グラムでした。ふたをはずしたら、328グラムでした。

ぼくは、カボくんをつくれてうれしかったです。ドリルであなをあけるのが、たのしかったです。くらくしてひからせたとき、きれいだとおもいました。

もってかえったらみんなに見せて、ハロウィンまでかざっておきたいです。

講師コメント

Nくん、鋭い目と大きな口の迫力ある、顔を作ることができました。大きなスプーンでタネをくりぬいたり、ミニノコを使ったり、力のいる作業もたくさんありましたが、頑張っていました。文章では、ランタンの紹介やカボチャの重さをはかった体験、嬉しかった気持ちが上手に書けています。

「こわいランタンづくり」

小4 I・Sくん

ぼくは、リテラで、かぼちゃランタンを作りました。

まず、カボチャを選びました。なんと、カボチャは488gもありました(作った後は397gでした)。
次に、ふたを切りました。ミニのこぎりで丸く切るのはむずかしかったです。
その次に、顔を書いて切りました。顔のデザインを考えるのに時間がかかりました。
最後に、ランタンに火を灯しました。キャンドルに火をつけて電気を消したら、きれいで、心があたたかくなりました。

今回のランタンづくりでは、ミニのこぎりで、目やふた、鼻、口を切るには、力が必要だと思いました。
ぼくがかざりたい所は、げんかんです。夜、火を灯すと、きれいだからです。

来年、また、かぼちゃランタンを作りたいです。今度は、自分のこせいをいかした顔にしたいです。

講師コメント

Iくん、にやっとわらった迫力のある顔を作ることができました。最初はじっくり手を動かしていましたが、後半は慣れたご様子で、どんどん作業をすすめていました。文章では、実際の体験と感情を、うまくミックスして書けています。

「4人のでっぱっぱ家族」

小6 A・Mさん

まず、私は4人家族です。パパ、ママ、お姉ちゃん、私です。

パパのかぼちゃの顔には、パパのトレードマークの「ほくろ」をつけました。ママのかぼちゃの顔には、まつげと、ほっぺにはチークをしました。お姉ちゃんのかぼちゃの顔は、切れ長の目を大きく表現しました。私のかぼちゃの顔は、私は眉毛がこいので、眉毛をちょっとりりしくしました。

かぼちゃのランタン全員の口は、出っ歯にしました。なぜなら、ランタンを作るとき、なぜか出っ歯にしたいなーと思ったからです。

一番難しかったところは、パパとママのメガネをほるところです。なぜなら、メガネのふちをほる時、カーブのところがうまくできなくて、いきおいあまって、違うところに切れ目を入れてしまったからです。

ふたのまわりのところに、ドリルで、雪だるまや動物の顔の模様を作りました。

来年も出っ歯にしたいです。

講師コメント

Aさん、家族の笑顔をモチーフにした素敵な作品を作り上げることができました。切り出しや、ドリルを使った模様など、難しい作業もありましたが、根気よく取り組んでいました。作文では、ご家族とランタンの特徴が詳しく書けています。読んでいると、Aさんの声が聞こえてきそうな、勢いのある文章です。

「誠」

高校2 N.Sくん

2020年10月18日日曜日、私は絶望した。
模試の点数がひどすぎた。

全体の半分を越えた教科は無く、物理・化学に関しては人に言えるような点数ではなかった。高2に入ってから約半年、自分なりにはかなり勉強に力を入れてきたつもりだった。だが、実際の模試ではこの点数。すべてがいやになり、逃げ出しなくなった。

そんな時、あるブログで、自分と同じ経験をしている人が大勢いると知った。そして、その大半が、自分の立てた勉強計画が間違っていると知った。

その後、自分の目標・計画を見直した時、自分は計画ではなく、理想を長々と書き示していたことに気づいた。そして、自分に素直になることを決めた私は、一から計画を立て直した。容易に達成できるものではないが、これをこなした先に合格が見えてくると私は確信している。

現在、みんなが不利な状況ではあるが、その中でも誠実に、素直に、日々勉強に精進していく所存である。

講師コメント

作文では、ランタンづくりにこめた、最近の学習についての文章を書いてくれました。学習で感じるネガティブな気持ちを一人で抱え込まず、シェアしてくださるのは、よいことですね。理想と現実を少しずつ近づけていきたいという気持ちを強く感じる文章でした。

まとめ

成功体験から子どもたちの「書きたい」気持ちを引き出していく、リテラの授業はいかがでしたでしょうか。
どの生徒さんも、体験したことをすぐに書いているため、途中で大きくつまることもなく、書き抜くことができました。

季節の行事を利用した授業は、物づくりを通して、普段とは違う子どもたちの一面が見られます。
毎年行うことで、去年よりもできるようになった! と子どもたち自身が成長を実感することができれば、表現への自信も湧いてきます。

ご家庭でも、たくさん笑ってたくさん褒めて、楽しかったひと時をぜひ語り合い、作文にしてみてください。

子どもたちの書く時間がもっと豊かで楽しいものになるよう、今後も教室の実践を紹介していきます。
みなさんに参考にして頂ければ幸いです。

この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

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