内容の紹介
古紙再生会社を営む「コロッケ先生」こと小六信和さんは、小学校や中学校で古紙リサイクルの授業を行っています。子どもたちは、コロッケ先生に紙の作り方を実演してもらい、古紙はごみではなく、新しい紙を作る「資源」なのだということを知ります。
なぜ、コロッケ先生は再生紙の授業をはじめたのか? コロッケ先生の生い立ち、そして、日本の古紙再生の歴史から、物と人を大切にする心を学びましょう。
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- あなたの身の回りには、どんな紙製品がありますか? 探してみましょう。
- 一度使った紙を回収して、紙を作るという職業は江戸時代から続いています。なぜ、紙を使い捨てるのではなく、リサイクルするのでしょうか? 考えてみましょう。
読む
読む時は、印象に残った場面や不思議に思った場面など、「心が動いたところ」にふせんを貼りながら読みましょう。書く時の材料になります。
また、できれば、家族や友だちと、同じ本を読んでみましょう。自分と違う感想や考え方を知ると、感想文の内容がより深いものになります。
準備する
気持ち
本を読んで感じた気持ちをことばにするのは、なかなか難しいものです。読み終わったら、次の「気持ちについて考えよう」シートを印刷して、感じた気持ちに丸をつけてみましょう。対話や作文の際のヒントになります。
体験
読書感想文では、本の内容と自分の体験を結びつけることが大切です。自分の体験が思いつかない場合は、このページの「考えるヒント」を参考にして、本のテーマについて誰かに聞いたり、調べたり、新しく何かをしてみたりするとよいでしょう。
考えるヒント
コロッケ先生と仕事について
- コロッケ先生はなぜ紙について考える出張授業を続けているのだと思いますか?
- コロッケ先生は、物や紙と同じように、人とのつながりを大切にしています。
- どうしたらリサイクルの輪が広がっていくと思いますか?
- あなたは、友だちや家族と協力して、何かを達成したことがありますか?
- あなたは将来どんな仕事をしてみたいですか? また、その仕事は、どんな人々の役に立つと思いますか?
ゴミと資源について
- あなたの家のゴミ箱を調べてみましょう。
- ゴミ箱の中にどのような「資源」がありましたか。
- あなたはどのようなリサイクルに参加していますか。
- ものは形を変えながら循環しています。ゴミとして捨てられたものや、リサイクルに出されたものは、その後どうなるのか、調べてみましょう。
- 世界の紙の生産量と消費量、そして、日本の古紙リサイクル率を調べてみましょう。
- グリーンマークを知っていますか? グリーンマークのついている商品を探してみましょう。
やってみよう
- 牛乳パックではがきを作り、友だちや大切な人に手紙を書いてみましょう。
- 「牛乳パックではがきづくり(紙すきワク自作)」(This is の田 のホームページ 様)
- 紙すき枠を買う場合:紙すき枠(amazonへのリンク)
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 仲間
- 家族
- ものを大切にする心
- 人とのつながり
- 人の役に立つ
- 暮らし
- 仕事への誇り
- 情熱
この本について
本書では、コロッケ先生の生い立ちや、社長として仕事に向き合う姿勢も描かれています。そこから、「物を大切にすることは、人を大切にすることである」というテーマが伝わってきます。
リサイクルが広がるためには、資源ごみを回収するルール作りや、再生技術の向上など、リサイクル環境を整えていく事が欠かせません。そして、もっとも大切なのは、一人ひとりがリサイクルの大切さを学び、誇りを持って取り組み続けることです。資源ごみを集めてリサイクルの輪を広げるには、「ものを大切にする心」を育てる人の輪の力が必要です。ご家庭でも、再生紙の商品を使ってみたり、紙すきではがきを作って手紙を書いてみたり、実際にリサイクルの輪の中に入る体験をしてください。体験を通して感じたこと、ご家族と語り合ったことは、読書感想文のよい題材になります。
合わせて読みたい
日本から遠くはなれたボルネオ島に住むゾウたちの命と、私たちの生活。一見関係なさそうですが、実は、深いつながりがあります。2013年の読書感想文課題図書です。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。