『動物のしっぽ』(新小6 K・I君)


 リテラでは、生徒一人ひとりの興味・関心に基づいた学びの成果を、様々な方と分かち合う場として、年に一度、『生徒作品発表会』を開催しています。

 今回は、『動物のしっぽ』(新小6 K・I君)を掲載致します。

 新小学6年生のK君は、しっぽのついたかわいいセラピーロボットをプレゼントしてもらったことをきっかけに、「動物には、しっぽがあるのか」と疑問をもったそうです。今回は10ものしっぽの役割を調べて、紹介します。

その他の発表動画は、「2022年 生徒作品発表」をご覧ください。

作品について

本人の振り返り

これはどのような作品ですか?
様々などうぶつのしっぽの役割が良くわかる作品です。
どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
しっぽのついたセラピーロボットをもらって、しっぽの役割が知りたくなったからです。
作品づくりで楽しかったことは何ですか?
チワワの奈々の写真とプチクーボの写真を使えてうれしかったです。
作品づくりで難しかったことは何ですか?
文章を考えるところと写真の選考です。
作品作りを通して学んだことは何ですか?
しっぽの役割についてです。
次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
飼い犬の奈々&水無月の、しっぽであらわしている気持ちを読み取っていきたいです。
来年、研究したいことはありますか?
電車です。デザインとかNゲージ、撮り鉄についてや、方向幕などを作るのもいいですね。受験があるので出かけなくてもよいテーマがいいです。
この作品を読んでくれた人に一言
しっぽの研究はどうだったですか。もし、この研究が気に入ってくれた人はプチクーボやクーボ、そして出来るなら本物の犬とか買ってしっぽに注目してみたり、しっぽのことを更に奥深く調べて行ったりしたらどうでしょうか。ご視聴ありがとうございました。

生徒作品

『動物のしっぽ』(新小6 K・I君)

 僕は、去年のクリスマスプレゼントに「プチクーボ」というしっぽの付いたこの白いかたまりをもらいました。これはセラピーロボットで、なでるとしっぽを振り、鼓動もします。しっぽをみていると「かわいい」という気持ちが心にジーンと生まれてきます。すると動物には、なぜしっぽがあるのか?という疑問が生まれてきました。だから僕は、しっぽを研究することに決めたのです。

 調べてみると、10個もしっぽの役割が見つかりました。これから、しっぽのある動物とその役割について紹介します。
 この研究は、『しぜん しっぽ』と、『たくさんのふしぎ しっぽがない!』を参考にして進めました。

 しっぽとは、脊椎動物(せきついどうぶつ)のうち爬虫類(はちゅうるい)、鳥類、哺乳類の、仙椎・尾椎(せんつい・びつい)が皮膚や毛でおおわれている部分のことです。

 しっぽの役割の1つ目は、ひれにして泳ぐための役割です。アメリカビーバーは、しっぽを魚のひれのように使い、バタフライキックのように水をたたいて泳ぎます。また、船の舵のようにうまく使って上手に方向転換します。

 2つ目は、からだをささえる役割です。ミーアキャットは、しっぽを杖の様にして体を支えて立っています。レッサーパンダは、高い枝の上でも、しっぽを動かしてバランスをとり上手に歩きます。クモザルは、5本目の足の様に尻尾を自由に使い、しっぽだけで体を支えることもできます。

 3つ目は、敵から自分を守る役割、武器にする役割です。ヤマアラシは、背中としっぽに生えた、缶にも穴をあけてしまう鋭い毛で敵から身を守ります。ワニは、ムチのように長いしっぽを武器のように使い、敵を倒します。

 4つ目は、暑さや寒さをしのぐ役割です。キツネは、ふさふさのやわらかい毛が生えているしっぽを体に巻き付けて寒さ対策をします。ジリスは、熱いところに住んでいるので、しっぽを傘の代わりのして暑さ対策をします。
 また、中国の内モンゴル自治区にいる寒羊(かんよう)という羊は、厳しい寒さに負けないように脂肪を蓄えていると考えられています。このしっぽは、切られて食用として売られているそうです。

 5つ目は、コミュニケーションの役割です。アメリカビーバーは、しっぽで水をたたき、音を出して仲間に危険を知らせることもできます。二ホンジカは、おしりの毛を立たせて危険を仲間に知らせます。また、しっぽは、気持ちも表します。犬の場合、上に向かって素早くふるときは嬉しい時です。

 でも、うちのイヌは、お父さんにだっこをされて喜んでいるとき、左右にはげしくふっていました。イヌによって、喜び方が違うのかもしれません。おしりとおしりの間にはさんでいるときは、怖がっているときです。低くしっぽを振っているときは、不安・警戒しているときです。

 6つ目は、飛ぶための役割です。ムササビなどのグライダーのように飛ぶ動物は、皮膚の膜がつばさになります。これを飛膜といいます。しっぽも飛膜の支えの一つになります。

 鳥のしっぽは、体のシルエットでも分からないぐらい小さくなっています。しっぽの先の部分からはたくさんの長い尾羽が生えています。尾羽を広げると、空気の流れを変えて、左や右に回ったり、木の枝にとまるときのブレーキの役目を果たしたりしています。これを、尾翼といいます。

 7つ目は、ふんをまき散らすための役割です。カバは、しっぽをふって、ふんを撒き散らして、縄張りを知らせたり、道しるべにしたり、脅しにしたりします。

 8つ目はは虫よけです。馬や牛は、しっぽを振ってハエやアブを追い払います。

 9つ目は見張りです。ねずみなどのしっぽは、猫に襲われないかレーダーのように見張っています。

 10番目は、おどしです。ガラガラヘビはしっぽの先を素早く震わせて、シャーっと居場所を知らせる音を出します。音のもとになっているのは脱皮した抜け殻のはしなので、年々数が増え、シャーっという音も大きくなります。

 最後に、人間のしっぽについてです。実は、人間にもしっぽがありました。皆さんがお母さんのおなかにいるときにあったのです。
 この資料を見てください。みなさんがおなかの中にいるときのイラストです。胎児の体ができ始めて2ヶ月ほどまでは、しっぽがあります。

 この写真は、お母さんのおなかの中の僕です。体ができ始めて2か月ごろのエコー写真です。はっきりとはわかりませんが、しっぽがあるように見えませんか?そして成長していくにつれて、しっぽがだんだんと消えていき、最後には、キレイになくなっています。
 なぜ人間にもしっぽがあったのかというと、人間もその他の動物も、同じ脊椎動物の仲間だからです。

 ぼくは、はじめは、しっぽは愛情表現のためだけにあると思っていました。でも、この研究を通して、しっぽには、それぞれの動物の暮らしに合った役割があることがわかりました。
 そして、これからも、うちの犬の奈々ちゃんと水無ちゃんがしっぽで表している気持ちを、読み取っていきたいと思いました。
 これで発表を終わります。聞いてくださってありがとうございました。

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この記事を書いた人: リテラ「考える」国語の教室

東京北千住の小さな作文教室です。「すべて子どもたちが、それぞれの人生の物語を生きていく力を身につけてほしい」と願いながら、「読む・書く・考える・対話する」力を育む独自の授業を、一人ひとりに合わせてデザインしています。

カテゴリー: 生徒作品

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