それぞれの課題図書の紹介と考えるポイント、声がけのヒントなど、読書感想文に役立つ情報を、順次公開しています。
内容の紹介
ある日、いつものようにケビンが絵をかこうとすると、ケビンあてのたくさんの手紙を見つけました。それはなんと、様々な色のクレヨンから届いた手紙でした。いったい、クレヨンたちはケビンになにを伝えたいのでしょう?
読む前の下ごしらえ
考えてほしいこと
読む前に、次のことを考えてみましょう。
- あなたはクレヨンのセットを持っていますか? あれば、持ってきましょう。一番小さくなっているのは、何色ですか? また、一番使っていないのは、何色ですか? 調べてみましょう。
- あなたは、色にたとえると、何色ですか? それは、なぜですか?
- 人は、一人ひとり性格が違います。やさしい人もいれば、あわてんぼうもいます。もし、あなたの友だちや家族が、みんな同じ性格になってしまったら、どう思いますか?
読んだ後に
読み終わったら、次のことを考え、書いてみましょう。
考えるヒント
- あなたが持っているクレヨンや色鉛筆を観察してみましょう。それぞれの色は、あなたにどんなことを言うと思いますか ? すべての色でなくてもかまいません。自分に手紙を書いてみましょう。
- あなたや、あなたの家族(または、友だち)を色にたとえるなら、何色ですか? また、それはなぜですか? 書いてみましょう。
- いろいろな色があるように、世界にはいろいろな人がいます。みんなちがう性格をしていることを、あなたはどう思いますか?
保護者の方へ
上記の「考えるヒント」を参考に、対話をしながらアイデアを拡げてください。アイデアのメモをたくさん作り、並べ替えながら、感想文の構成を練りましょう。
クレヨンたちの個性がほほえましいお話です。ケビン(=読者)は、一人ひとりの「色」と向き合い、それぞれの希望や思いなどを知ります。そうして、普段目にしている「色」を再発見していくことになります。皆違う個性があるから、世界は楽しい。最後にケビンが描いた絵を見ていると、そう思わずにはいられません。
読書感想文を通して考えてほしいテーマ
- 個性
声がけのヒント
色から連想するイメージを大切にしましょう。特に、実際の人の個性と結びつけ、エピソードを交えて書くと、いきいきとした作品に仕上がりそうです。なお、この絵本に出てくるケビンも含め、子どもたちは、空は青、太陽は黄色、土は茶色、雲は白など、決まりきった連想をしがちです(実際の色はそうとは限りません)。この機会に、様々なものを観察して絵を描いてみるのもよいでしょう。色を扱った絵本では、他に『いろいろへんないろのはじまり』などもあります。
構成について
構成にルールはありませんが、どう書いたらいいかわからない時は、次のことを参考にしてください。「誰に、何を伝えたいか」
- ことばは、他者に思いを伝えるためのものです。考えたことやメモを元に、書き始める前に、「誰に、何を伝えたいか」を考えましょう。「伝えたいこと」は、できるだけ一つにしぼりましょう。
- 誰に……例)家族、友人、先生
- 何を伝えたいか……例)本の面白さ、感動したところ、自分の想い
- 「伝えたいこと」をしぼることで、構成を立てやすくなります。
文章の構成
- 文章は、三つのパートに分かれることが多いようです(※三段落で書かなければならないという意味ではありません)。
- 【はじめ】
- この文章で「伝えたいこと」や、あらすじを、簡単に書きます。なお、あらすじの有無を学校から指定されることもあります。
- 【なか】
- 本に貼った付せんや、考えたこと、メモを元に、「伝えたいこと」をより詳しく書いていきます。
- 物語の内容と自分の体験を交えると、「伝えたいこと」の説得力が増し、生き生きとした作品に仕上がります。
- 物語で印象に残った場面や人物について書きましょう。また、それに対しどう感じたかを書きましょう。
- 関連する自分の体験を書きましょう。「いつ、どこで、誰が、どうした」から書き始めるとよいでしょう。
- 体験は、過去の思い出だけでなく、本を読んだ後に人に聞いたことや、調べたことでもよいでしょう。
- 体験の最後には、その体験を通して学んだこと・感じたことを、物語の内容と絡めながら書きましょう。
- 学んだことを実行するのはなぜ難しいのか、そのためにはどうすればよいのかといった、より現実に根ざした内容の段落を追加すると、深みが増します。
- 【おわり】
- 「伝えたいこと」をもう一度強調し、未来につながる決意や前向きなことばで締めます。