小学 1 年生(6 歳~7 歳)の学習の指針

授業でひまわりの花を観察している様子

小学1年生(6~7歳)の子どもたちは、小学校での新しい学びが始まります。文字の読み書きや文の基本、五感をつなぐ言葉の習得を通し、自信をつけていきます。また、読み聞かせや漢字指導、思考課題を通して、これからの学びの土台を築きます。

学習のテーマ

  • 文字を書き慣れ、感覚とことばをつなげる

心身の発達課題と社会的な課題

小学生活が始まり、時間割や教室でのふるまい、先生への接し方など、さまざまな変化に慣れていくことが大切な時期です。やる気や集中力が高まり、目標が決まると夢中になって取り組みやすい時期です。また、感覚を働かせながら体験的に理解することが得意な時期で、数や⾧さなどへの理解が深まり、一定の筋道だった思考ができるようになっていきます。

人間関係においては、親や身近な大人との関わりを通して、自信を深めていく時期です。努力や工夫することを楽しめるよう、前向きな声がけをするとともに、苦手なことに向き合えるよう励まし、必要な援助が得られるよう見守り方を工夫することが大切になります。

意欲的であると同時に心身ともに疲れやすい時期です。生活のリズムを整え、子どもにとって見通しが立ちやすくすることや、安心できる場所や時間を作ることが大切です。

学びたい言語技術・取り組みたい思考課題・育みたい態度

読む
音読の流暢さの向上(絵本・ページ単位)
楽しんで読む・興味を持って読む
書く
文字(ひらがな・かたかな・小 1 漢字)を学ぶ・慣れる
文の基本を学ぶ
考える
思考課題「五感」
話す・聞く
あいさつができる
読み聞かせ・講師の話をしっかりと聴ける
おもしろかったところ・すきなところを話せる
ていねいな言葉がつかえる
態度
課題を楽しみ、15 分~20 分程度はきちんと椅子に座っていられる
生活や体験に根ざした知的好奇心を育む
制作を通して表現し、ことばとつなげる

課題例

絵本の読み聞かせ

教室の読み聞かせの風景
教室の読み聞かせの風景
本に親しむ

絵本を好きになってもらうことが目標です。声と文字との結びつきを強くし、言葉と通してイメージ(表象)する力の育ちを促します。物語と「知る本」とをバランスよく楽しめるように、読み聞かせや本の貸し出しをしていきます。

物語

文章量が少なく、理解しやすい内容の作品を楽しみます。安心できる物語・繰り返しがあり、音やリズムを楽しむものや先が予測しやすいもの・シリーズもので、登場人物へ親しみを感じやすいものなど。

自然や科学、社会について知る本

フレーベル館の「しぜん」シリーズを中心に読み聞かせをします。生活に根ざした知識の土台を作り、知的好奇心を育んでいきます。

ブックトーク

ブックトークを通して、おもしろかったところや初めて知ったことについて話します。

文字と文の指導

 
ひらがな・カタカナ

小学校では、10 月くらいまでにはカタカナが終了します。
『なぞらずにうまくなるひらがな練習帳』(桂聖著/実務教育出版)、『なぞらずにうまくなるカタカナ練習帳』を使用します。文字の形の特徴を掴みながら、練習をしていきます。20 分で 3 つ分くらいの文字が目安です。

1 年生の漢字

『なぞらずにうまくなる漢字練習帳』(桂聖著/実務教育出版)、や漢検テキスト 10 級を使用します

文の基本

『ことば図鑑』(五味太郎/偕成社)を使用して、文の基本を学びます。さまざまな人物の絵を見て、「(いつ、どこで、)だれが、どうした」の整った文を書きます。「生徒が書いたものを、講師が当てる」など、クイズ感覚で楽しんで取り組みます。

思考課題

「思考のアプローチ」、「五感」

「見る」「さわる」「聞く」「かぐ」「味わう」といった感覚を働かせ、言葉にします。

観察・ミッション(体験)

五感を使った観察や、作品制作に取り組みます。自分の感覚を働かせて、感じたり、工夫したりする体験の機会を作り、ことばにつなげていきます。

学習サポートのポイント

絵本を読んで講師と話し合う生徒
絵本を読んで講師と話し合う生徒

メリハリある時間を過ごせるように工夫する

子どもにとって、見通しが立ち、一貫性のある時間を過ごせるよう工夫します。授業の準備、学習時間、休憩、片付けなど、メリハリのある過ごし方を意識します。1 つの課題を 15~20 分程度取り組むごとに、休憩を取ります。スモールステップにすることで、目的意識を持ち、集中力を発揮することができます。

楽しんで過ごせるよう見守る

「遊び」と「学び」を自然に橋渡ししていきます。観察や制作課題にも取り組むことで、五感に訴え、言葉だけではない創意工夫や表現を大切にします。

体力や様子に合わせて見守る

小学校の生活に、疲れを感じやすい時期でもあります。子どもの様子に合わせて、読み聞かせや休憩を⾧めにしたり、一緒に知育ゲームをしたりするなど、リラックスできる時間を大切にします。

特に学校生活に関わる疲れや難しさがある場合には、できるだけ子ども中心の時間を過ごせるよう見守ります。子どもの意欲を尊重しながら見守り、安心できる時間・自信を持てる時間が過ごせるよう接します。

この時期の困りごとへのアプローチ

ひらがな・カタカナの読み書きがスムーズでない

小学校に入学しても、ひらがな・カタカナの読み書きに苦労するお子さんもいます。焦らず、お子様のペースに合わせて、復習を取り入れましょう。絵本や児童書を読む機会を増やし、文字に親しむことが大切です。短い日記を書いたり、家族へのメッセージを書いたりするのも、書く練習になります。読み書きができた際には、たくさん褒めて、自信につなげましょう。

授業中の指示が理解できないことがある

小学校の授業では、幼稚園・保育園に比べて先生の話が長くなったり、指示が複雑になったりすることがあります。ご家庭でも困っていたら、「先生は何て言っての?」と尋ね、内容を整理する手助けをしましょう。絵や図を使って説明したり、具体的な例を挙げたりするのも有効です。もし、頻繁に聞き取れない様子が見られる場合は、学校の先生に相談してみましょう。

学習習慣ができるか不安

学習習慣は、生活全体の習慣の一部です。短時間でも良いので、毎日決まった場所で、決まった時間に学習する習慣をつけましょう。リビングなど、目の届く場所がおすすめです。まだ一人で課題に取り組むことは難しいため、親や講師が一緒に課題に取り組んだり、見守ったりすることで、安心して取り組むことができます。

集中できる時間を意識させるために、タイマーを使って区切りましょう。また、課題が終わったらシールを貼るなど、小さなご褒美を用意するのも効果的です。

最初から完璧にできなくても、できたことを認め、励ますことが大切です。

自分の気持ちや考えをうまく言葉で伝えられない

日常生活の中で、「どう思った?」「なぜそう考えたの?」と、お子様の気持ちや考えを尋ねる機会を意識的に作りましょう。うまく言葉にできない場合は、「うんうん」と受け止め、言葉を引き出すように促します。絵を描いたり、物語を作ったりする中で、言葉で表現する力を養うのも良い方法です。家族との会話を大切にし、様々な言葉に触れる機会を増やしましょう。

友達とのコミュニケーションがうまくいかない

友達との会話で、言葉が足りなかったり、誤解を生じたりすることがあります。遊びの中で、「〇〇してみよう」「一緒にどう?」など、具体的な声かけの例を教えたり、友達の気持ちを想像するような問いかけをしたりするのも有効です。絵本や物語を通して、登場人物の気持ちを考え、言葉によるコミュニケーションの大切さを学ぶこともできます。

本を読むことに抵抗がある

絵本だけでなく、短い物語や図鑑など、お子様の興味関心を引く本を見つけてあげましょう。最初は親が一緒に読んであげたり、読み聞かせをしたりすることで、本の楽しさを伝えることが大切です。図書館に一緒に行き、自分で本を選ぶ経験も良いでしょう。「読めたね」「面白かったね」と声をかけ、読書への意欲を高めましょう。

言葉遣いが気になる

親が丁寧な言葉遣いを心がけ、お子様に見本を見せることが大切です。「ありがとう」「ごめんなさい」などの基本的な挨拶や、相手に合わせた言葉遣いを教えましょう。絵本やアニメなどに出てくる言葉遣いを話題にし、「こういう言い方もあるね」と話すのも良いでしょう。

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